低栄養とやせ

今年度から後期高齢者を対象にした特定健診がスタートしました。
75歳以上の方に対しての「メタボ健診」です。
アンケートの結果問題のある人には栄養状態を知るための検査項目の追加があり
ますが、この年齢層に対してどうして「メタボ健診」なのか、大いに疑問です。
健診で来院される高齢者の多くは低栄養が心配な方がむしろ多いからです。
こういった、壮大な無駄遣いはどのような過程で決定されていったか、きちんと
検証すべきです。

「メタボ健診」に限らず「ゆとり教育」や「裁判員制度」も最初から多くの矛盾
を含んでいることはわかっていました。
私達はいつも、どのような経過でこれらの物事が決まっていったのかがよくわか
らないまま馬鹿げた制度と付き合わされているのです。

○○諮問委員会が作られてその委員会で答申され、その決定が間違っていても委員
会はもとより官僚もだれも責任をとらない。
委員や委員長の選定も全くもって不透明であり、事前に思想調査もされています。

こんな決定の仕方で「いいんかい」といいたくなります。

肥満が「目の敵(かたき)」にされる昨今ですが、高齢者では「低栄養とやせ」
こそが問題なのです。



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出典 朝日新聞・夕刊 2009.6.29
版権 朝日新聞社


#やせると肥満より危険、5キロ以上減死亡率1.4倍…厚労省調査
成人後に5キロ・グラム以上体重が減った中高年は男女とも、死亡する危険が
1・3~1・4倍高いことが、厚生労働省研究班(主任研究者=津金昌一郎・
国立がんセンター予防研究部長)の大規模調査でわかった。

体重が増えても死亡率増加との関係は認められなかった。
肥満になると死亡率が上がるとする従来の研究とは反対の結果で、肥満の健康
影響を重視する国の健診体制に一石を投じそうだ。

研究班は、全国の40~69歳の男女約8万8000人を平均約13年間追跡
調査。
がんや循環器疾患など主な病気、ダイエットによる激やせなどによる影響を除
いた上で、20歳時からの体重変化と死亡率との関係を年齢別に調べた。

その結果、調査期間中に6494人が死亡した。
このうち、5キロ・グラム以上体重が減少した人は、変化が小さかった人に
比べ、男性で1・44倍、女性で1・33倍死亡率が高いことがわかった。

一方、20歳時から5キロ・グラム以上体重が増加した男性は、死亡率が
0・89倍に下がった。
女性では変化が見られなかった。
体重が10キロ・グラム以上増加した人で見ても、男女とも死亡率に大きな
変化はなかった。

これまでの複数の研究によると、極端な肥満は死亡率を上げる。
しかし、日本人は外国人とは異なり、極端な肥満がもともと少なく、肥満が
死亡率に与える影響が調査結果には反映しなかったとみられる。

やせると死亡率が上がる原因は今回の調査からはわからなかったが、体重低下
で免疫力が落ち、感染症などにかかりやすくなることが考えられる。
分析した斉藤功・愛媛大准教授(公衆衛生学)は「成人後に5~10キロ・
グラム程度太るのは自然な現象。肥満の危険性が強調されることが多いが、
体重減少も重視しないといけない」と指摘している。



<低栄養 関連サイト>
低栄養 【食欲がない、食べれない、食事がまずい、栄養不足】
http://www.tyojyu.or.jp/hp/page000000100/hpg000000039.htm
(一部改変)
■低栄養状態におちいると、生活活動度が低下し、体重減少(痩せ)や骨格筋の筋肉量
や筋力の低下、体脂肪の低下、感染を起こしやすくなる、
そして血液中のタンパクが低下する低アルブミン血症などが認められます。
近年、このように高齢者ではタンパク質・エネルギー低栄養状態が大きな問題となっ
ており、protein energy malnutrition; PEMとも言われています。
■(低栄養状態の結果)運動機能が低下してくると、特に高齢者では「生活自立度の
低下」や「要介護度の上昇」につながり、最終的には褥瘡(じょうくそう:床ずれ)
の治癒が遷延(せんえん:のびのびになること)したり、寝たきり状態が起きやすく
なります。
特に嚥下障害を有する高齢者(すなわち、飲み込みが悪くむせやすい方)の場合には、
介護者の注意や努力が不足すると、容易に脱水症や低栄養に陥ります。
厚生労働省の研究によると、血清アルブミン値と体重減少率を指標にして栄養状態を
調べたところ、入院患者や入所および在宅療養者の約3割~4割に低栄養の高齢者が
確認されています。
またアメリカの研究では、低栄養状態は病気の回復も遅延し、合併症併発率や死亡率
も高かったとの結果が出ています。
■最新の研究では、動物性タンパク質(肉や卵、油脂類など)を多く摂取している
高齢者の方が、植物性タンパク質が中心の高齢者に比べ老化の速度が遅く、病気に
なりにくいことが分かってきました。
つまり、「動物性タンパク質」を効率的に体に取り入れ、体の栄養状態を高めながら
生活活動度を高く保つことが大切です。
■小食の人でも「間食」という形で効率的にタンパク質が摂れるという点でも、牛乳や
乳製品の摂取が有効です。
ただし、過度の摂取により糖尿病や脂質異常症高脂血症)などの基礎疾患を悪化
させる可能性もあり注意が必要です。


高齢者食事ケアQ&A。PEM(低栄養)
http://www2q.biglobe.ne.jp/~kazu920/saitaku02.htm

低栄養予防 -介護予防は食事から! 低栄養にならないように気をつけましょう-
http://www.city.kyotango.kyoto.jp/kurashi/kenko/kenko_oendan/kaigoyobo/eiyo/index.html

寝たきり予防は食生活から
http://www.fukushizaidan.jp/user/htm/shoku/teieiyou.htm



新型インフルエンザ関連>
昨日の当ブログで、当院で新型インフルエンザ患者が発生(?)したことを書きました。


厚労省は2009年6月26日現在で全国の累計患者数を989人と発表しています。
新型インフルエンザ対策担当課長会議資料
http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/hourei/2009/06/dl/info0626-03.pdf

しかし、当院みたいな患者さんの少ない診療機関でも見つかるわけですから、この数字は
全く信用できません。

現場を見ずに集まった数字だけで統計をもっともらしく示す。
すでに蔓延期に入っているのにこの数字。
統計をとることさえも意義を持たなくなってきています。
この時期に流行しているという点では少し不気味ではあります。
しかし、弱毒性であることから、そろそろ季節性インフルエンザと同じ扱いにしても
いい時期にさしかかっているんではないでしょうか。


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日本における新型インフルエンザの発症日別の感染動向をグラフにした。
データは厚生労働省の報道発表資料による。

厚生労働省は6月4日新型インフルエンザの感染確認者の中で最も早い発症日が5月5日
だったと発表した(東京新聞2009.6.5)。
この感染者は国内渡航歴のない神戸市の男子高校生であり、時間稼ぎということで進
められていた水際対策で5月9日に感染者が確認された時点では既に国内で感染が広が
っていた可能性が高いことが明らかになった。

発症日別の動きをみると一時5月中旬をピークに収まる傾向を見せたが、6月に入って
再び発症者数の増加傾向が認められ、今後、更に感染の拡大が懸念される状況である
http://www2.ttcn.ne.jp/~honkawa/1953a.html


新型インフルタミフル耐性を初確認 デンマークの感染者
世界保健機関(WHO)は29日、デンマーク新型インフルエンザ感染者の中から、
抗ウイルス剤タミフルに耐性を持つ初のウイルス検体が確認されたことを明らかに
した。
 
タミフル投与はワクチンが完成していない現在、新型インフルエンザの治療で最も
有効な手段だが、タミフルが効かないウイルスの感染が拡大すれば、対策の練り直し
を迫られる恐れもある。
 
WHO当局者によると、耐性ウイルスはデンマークの軽症患者1人から確認された。
患者は既に回復して元気になっている。
ウイルスは同じH1N1型が突然変異したものだが、今のところ耐性ウイルスが拡大
する兆しはみられないという。
 
WHOは加盟国間を結ぶ情報網を通じて耐性ウイルスの確認を伝達。拡大しないか
どうかを注視する方針。
http://sankei.jp.msn.com/life/body/090630/bdy0906300138001-n1.htm
産経ニュース 2009.6.30 01:37


<自遊時間>
<珍名力士誕生>吉野改め「右肩上り」!…現在三段目、上ったり下りたり返上へ?
「右肩上(あが)り」。29日発表された大相撲力士の改名で、こんな珍名が名古屋
場所の土俵上で呼ばれる。
毎日新聞  2009.6.29
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090629-00000045-maiall-spo
<コメント>
呼び出しや行司がしこなを呼ぶTV中継を是非観たいものです。

日航 立ち小便で副操縦士連行…ホノルル発便が欠航
日本航空は29日、アメリカ・ホノルルで副操縦士(53)が立ち小便をして警察官
に連行、留置されたため、25日にホノルルを出発する予定だった成田行きJO75便
ボーイング747-400型)が欠航していたと発表した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090629-00000020-maip-soci 
毎日新聞 6月29日20時23分配信
<コメント>
ちょっとフライト前に飲み過ぎだったようです。


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木村 鐵雄  空きビン達 F6
http://www.ichimainoe.co.jp/index/kimura_tetsuo.html