カテキンからインフル薬

7月31日の朝日新聞の1面トップは「緑茶に含まれるカテキンからインフルエンザ治
療薬」を作るというニュースでした。

インフルエンザをお茶でうがいすると予防できるというのは、すでに多くの方がご存知
のことです。

お茶に限らずうがいで体内へのインフルエンザウイルスの侵入を防ぐには20分以内にう
がいを繰り返す必要があるといわれて来ました。

診察机の上にタイマーをセットしておけば、私は診察の合間に20分いや15分ごとに
うがいをすることが出来そうです。
しかし、通勤中や仕事中の方などでは非現実的な話です。

厚労省では、マスクは感染予防に限界があるといいながら流行時のマスク着用を勧めて
います。
新型インフルエンザが疑われる高熱患者さんの診察の際に、医療従事者のマスク着用も
義務づけられました。

マスクをしていないと診療休止勧告が出るということで私たちも指示を守っています。

しかし、もしマスクに効果がなく頻回のお茶のうがいが有効ならそちらを指示すべきか
も知れません。

お茶は日本だけのものではありません。
西欧では紅茶もあります。

諸外国ではうがいは一般的ではないようですが、マスクもしないうがいもしないろいう
ことなら診察室での医師はどのような予防手段を講じているのでしょうか。

もっとも手洗いは盛んなようですが。



#インフル薬にお茶の力 カテキン加工、タミフルより効果
緑茶に含まれるカテキンを加工してインフルエンザ治療薬に応用する技術を、大阪大学
横浜市衛生研究所の共同チームが開発した。
季節性インフルエンザや鳥インフルエンザで効果が確認された。感染を防ぐ作用もある
ため、鼻やのどに噴霧する予防薬への応用も期待できるという。
製薬会社と実用化を目指す。

 
開発に利用したのは、緑茶に多く含まれているエピガロカテキンガレート(EGCG)
というカテキンの一種。
カテキンは茶の渋み成分で、EGCGがウイルスの働きを抑えるのは以前から知られて
いた。
だが、そのまま飲むと、体内ですぐに分解され、効果がなくなってしまう。

このため、研究チームは、体内での分解、代謝を抑える作用のある脂肪酸と合成するこ
とで、EGCGが分解されずに、ウイルスの感染や増殖を抑える技術を開発した。

この加工したEGCGを季節性インフルエンザや鳥インフルエンザのウイルスに混ぜ合
わせて、イヌの腎臓細胞にふりかけて感染力を調べた。
すると、治療薬タミフルよりも約100倍、感染を抑える効果があった。鶏の有精卵を
使った増殖実験でも、何もしない卵12個では中のヒナが70時間で4割、164時間
で全数が死亡したが、加工したEGCGを投与した卵12個では全数が生き残った。

作用を調べると、ウイルスが細胞に侵入するのを防いだり、仮に侵入してもウイルスの
遺伝子が増殖しないようにしたりしていた。

主任研究者の大阪大学の開発邦宏助教有機化学)が08年に特許を出願。
製薬会社など数社から、治療薬やマスク、スプレーなどを商品化したいとの引き合いが
来ており、現在交渉中だ。数年内の実現を目指すという。

開発さんは「緑茶を飲んでも効果はないが、開発した成分は高い効果があった。作用か
らみれば、新型インフルエンザにも効果が期待できる。茶葉から大量に抽出でき、安価
で副作用も少ない」と話す。

出典 朝日新聞・朝刊 2009.7.31
版権 朝日新聞社


<関連サイト>
お茶でうがい インフルエンザ予防
http://www.white-family.or.jp/healthy-island/htm/repoto/repo-to163.htm

インフルエンザはお茶のうがいで予防?
http://www.wound-treatment.jp/wound146.htm
(夏井睦先生が書かれています。)

風邪予防効果

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<きょうの一曲>
平賀マリカ feat.マルコス・ヴァリ「Batucada」
http://www.youtube.com/watch?v=m2RjGG9Bm60&hl=ja


読んでいただいて有難うございます。
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