腎嚢胞(じんのうほう)とは

人間ドックや健診で、腎臓にのう胞があると言われて来院する方が時々来院されます。
これは超音波検査が人間ドックや健診で採用される機会が増えたことにも関係しています。

#単純性腎嚢胞はどんな病気か
片側あるいは両側の腎臓に1~数個の嚢胞(嚢胞液という液体が詰まっている袋)ができる病気で、加齢とともに頻度は増加します。
 
通常は無症状でほとんど問題になりません。
孤立性の大きな嚢胞ができると圧迫症状がみられ、時に外科的治療が必要になる場合があります。
大きさは数mmから10cmを超えるものまであります。
原因についての詳細は不明です。

#症状の現れ方
孤立性の大きな嚢胞ができた場合は、時に圧迫症状などを呈することがあります。
腎盂(じんう)の近くにできたものは水腎症(すいじんしょう)を来しやすく、水腎症(すいじんしょう)を起こすと尿が停滞し、腎盂は腫大して嚢状となります。
腫大した腎盂により腎実質が圧迫され、次第に薄くなり(乏しくなり)、腎機能障害が生じます。

#検査と診断
腎がんが腎嚢胞に合併したり、腎がんが嚢胞化することがあります。
悪性腫瘍を否定するために、CTや超音波検査を行います。
 
悪性腫瘍が疑われればMRI、血管造影、嚢胞穿刺(せんし)(針を刺す)による組織診断を行います。
良性の単純性腎嚢胞と診断がつき、症状がなければ経過をみます。

#治療の方法 
圧迫症状、高血圧、尿路の閉塞などがあれば、外科的切除、開窓術、経皮的穿刺による吸引固定、腹腔鏡下嚢胞切除(ふくくうきょうかのうほうせつじょ)などが行われます。

#単純性腎嚢胞に気づいたらどうする
検診や他の病気で医療機関を受診した際に発見されることが多いようです。
病気に気づいたら、泌尿器科専門医の診察を受けてください。

<参考および引用サイト>
単純性腎嚢胞
http://health.goo.ne.jp/medical/search/10J11300.html