死ぬとき人はどうなる?

週刊朝日2010.9.17号に 「死ぬとき人はどうなる?」という ショッキングなタイトルの記事が出ていました。

これは週刊朝日2010.8.27号「人が死ぬ前に本当に後悔すること」の続編です。


1千人超の死を見届けた緩和医療医の大津秀一医師(34)へのインタビュー記事です。
この医師は東邦大学医療センター大森病院緩和ケアセンターに所属してみえます。
この若い医師が1000人以上の死を見届けて来たというから驚きです。
医師になって10年ということなので、単純計算で1年で100人、3~4日に1人の割合で死を見届けて来たことになります。

以下はこの記事からの抜粋です。


人はどう死んで行くのか

死ぬまでにどういう経過をたどるかは、大きく3つに分けられます。

①がんタイプ
比較的長い間、体の機能は保たれるが、余命2か月くらいになると急激に機能が落ちる。

②心・肺疾患タイプ
何度も入退院を繰り返す。
退院するときは、入院するときより悪くなっており、回復しても元には戻らず、急に死を迎えることも多い。
(私的コメント;「退院するときは、入院するときより悪くなっており」・・・ちょっと理解しづらい)

認知症・老衰タイプ
機能が低下した状態が長く続く。
緩やかに低下していくため、余命を推測するのが難しい。

(私的コメント;患者さんが冗談半分でよく話す「「ピンピンコロリ」つまり「ピンコロ」はあまり多くない事がわかります)



以下は余命時間別の症状の解説です。


①余命が数週間のときの症状
全身倦怠感、むくみ、食欲不振、歩けなくなる、嚥下困難、しゃべりにくくなる、耳鳴り、口渇など

②余命が数日のときの症状
傾眠傾向、意識混濁、褥瘡、排尿・排便困難

③余命が数時間のときの症状
昏睡状態





人は死ぬ前にどうなるか
(個人差がある)
①歩けなくなる
②全身に倦怠感が出る
③しゃべりにくくなる
④食欲がなくなる
⑤食べ物、飲み物がのみ込みにくくなる
⑥排尿・排便が難しくなる
⑦ほとんどの時間を眠って過ごす
⑧意識が混濁する
⑨聴覚は比較的最後まで保たれる
⑩死ぬ瞬間は苦しみが少ない



<自遊時間 その1>
<九大病院>国内初の耐性肺炎桿菌を検出…米から転院の患者
九州大学病院福岡市東区)は9日、08年に米国の病院から転院した女性患者から、ほとんどの抗生物質が効かない新型の多剤耐性肺炎桿菌が見つかっていたことを明らかにした。
多剤耐性の肺炎桿菌は欧米や中国などで感染が広がっているが、国内での検出は初めて。

同院によると、08年4月に米国ニューヨークの病院から、急性骨髄性白血病の女性患者(当時35歳)が転院。
尿検査で肺炎桿菌が見つかったという。

09年に詳細な遺伝子検査をしたところ、カルバペネマーゼ(KPC)という酵素を検出した。

KPCは、独協医大病院(栃木県壬生町)で見つかったNDM1と同様、感染症防御の切り札とされる強力な抗生物質カルバペネムを分解してしまう。

女性は肺炎桿菌による症状は出ず、抗菌薬治療をせずに菌がなくなった。女性は既に退院しているといい、同院では他の患者などへの院内感染は確認されていないという。【阿部周一】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100909-00000040-mai-soci
<私的コメント> 
開業レベルでは感受性試験は一般的には行いません。
保険請求の際に支払い基金でカットされる可能性があるからです。
したがって、多剤耐性菌は大病院で検出されることになるのです。
実際には多剤耐性菌が蔓延しつつある可能性すらあります。
今回の九州大学病院のケースも、2年前に検出されていながらこの時期に公表されたのもいささか疑問です。


<自遊時間 その2>
日本にとって困難な問題が発生しました。
どのように決着するかは外交手腕を問われるところですが、報道を知るにも、まずは「尖閣諸島」について十分知っておかなければいけないのではないでしょうか。
中国、台湾、(香港)と複数の国が絡んでいるからやっかいです。

中国、尖閣諸島海域に漁業監視船派遣 「日本の国内法適用は荒唐無稽」
http://sankei.jp.msn.com/world/china/100909/chn1009091930005-n1.htm
■姜報道官はまた、尖閣諸島は中国の領土であると改めて強調。
そのうえで「その海域で操業していた中国の漁船に日本の国内法が適用されるのは荒唐無稽だ。非合法であり効力はない」と日本側の対応を批判し、公務執行妨害で逮捕された船長と漁船を、無条件で早期に解放するよう重ねて要求した。
■今回の事件に絡み、反日民間団体は、10月1~7日の国慶節の休暇中に尖閣諸島へ上陸することを検討。尖閣諸島の領有権を主張する香港や台湾の団体も、船舶を同海域に派遣するとの情報もある。



尖閣諸島の領有権についての基本見解(外務省)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/senkaku/index.html




<きょうの一曲>
Charles Aznavour "La Boehme"
http://www.youtube.com/watch?v=qMIZ6X0YJwU&feature=related









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中川 力 『バラ』 油彩
http://www.seikougarou.co.jp/sell/nakagawariki/770.html



他に
井蛙内科開業医/診療録(4)
http://wellfrog4.exblog.jp/
(H21.10.16~)
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があります。