放射性物質から身を守るには

この度の東北地方太平洋沖地震により被災されました方々に、心よりお見舞い申し上げます。
犠牲になられた方々、そしてご遺族の皆様に対し、深くお悔やみを申し上げます。
また、福島第一原発事案(事故)で避難中の方々、そして計画停電中の首都圏の方々にお見舞い申し上げます。
また、被災者支援や原発復旧作業などの災害対策に全力を尽くしてみえる皆様に敬意を表します。


現状では花粉症と同じ対応

原発事故が相次いだことで広まる放射性物質放射能)や放射線に対する不安。しかし現在のレベルならば、身近な対応で、ある程度抑えることができる。

被曝には、放射性物質が服や肌に付着する外部被曝と、口などを通じ体内に取り込む内部被曝とがある。

平成11年の茨城県東海村での臨界事故で被曝者治療にあたった前川和彦・東大名誉教授が「今の状態では花粉症と同様の対応を取ればいい」と指摘するように、現在は微量の放射性物質が含まれた霧が広がっているような状態だ。

こうした中で外部被曝を防ぐには、屋外では帽子をかぶったり、長袖の服や気密性の高い雨具を着たりして、肌の露出を避ける。
さらに内部被曝を避けるため、ぬれたタオルやハンカチで口や鼻を防ぐ。
被曝医療の専門機関、放射線医学総合研究所(放医研、千葉市)は「これでほとんどの放射性物質の吸い込みを防護できる」という。
傷から内部被曝する可能性があるので負傷した部位は覆う必要がある。

屋内に戻ったら、玄関などで上着や靴を脱いで袋に入れ密閉。
シャワーを浴び、室内に放射性物質が入るのを防ぐ。
屋内にとどまる場合でも窓や換気扇は閉める。
この時期は寒さも厳しいが、エアコンからも外気が入るため使用を控えなければならない。

しかし、身を守るのに最も重要なのは正確な情報だ。

地球上では自然界からも放射線を浴びており、人間は年間1~2ミリシーベルトほど自然被曝している。また放医研によると、例えば100ミリシーベルト(10万マイクロシーベルト)を浴びた場合に、数年後から数十年後にがんになる可能性は約0.5%という。
放医研は「喫煙や食事など生活習慣によるがんの危険性よりも低い値。過度に心配する必要はない」としている。

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出典 msn 産経ニュース 2011.3.16
版権 産経新聞


<関連サイト>
放射性物質と水
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110324/dst11032400580006-n1.htm
ヨウ素は活性炭に付きやすい性質を持っているので、活性炭を使ったフィルターなら市販の浄水器でもヨウ素を減らす一定の効果はある。
しかし、セシウムには市販の浄水器では濾過できない。
ヨウ素の沸点は約184度。100度近くにまで温度が上がると多少は飛びやすくなる。
セシウムの沸点は600度以上。水を沸騰させても意味はない。
■ミルクを作る場合、一般的なミネラルウオーターなら大丈夫。
ただしカルシウムやマグネシウムなどを多く含み、ミネラル分が高い「硬水」は、ミネラル過多で下痢になるなど乳児の体に負担をかけるので避ける必要がある

放射性物質、核実験の3倍の降下量 専門家「早く沈静化を」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110325/dst11032519400078-n1.htm
■福島第1原発事故で東京に降り注いだ放射性物質セシウム137は、最大となった降雨の21~22日に、かつて行われた大気圏内核実験で1年間に降った量の3倍近くに達したことが分かった。
文科省によると、今月18日以降、東京で降下物として検出したセシウム137は、24時間ごとの値で最大だった21日午前9時~22日午前9時は5300メガベクレルで、38年(大気圏内核実験の行われた年)の1年間の約2.8倍になった。
翌日以降は400メガベクレル以下に減少した。



<参考> 放射線の単位 
シーベルト(Sv)
人体が放射線を受けた時、その影響の度合いを測る物差しとして使われる単位。

ベクレル(Bq)
放射能を表す単位。1ベクレル(Bq)は、1秒間に1個の放射性核種が崩壊することである。

グレイ(Gy)
放射線が当たった物質が吸収した放射線のエネルギーで表される放射線量。
1Gyは物質1kg当たりに1ジュール(J)のエネルギーが吸収されることを意味する。