日本最古の健康体操

日本最古の健康体操で体の働き整える

日本で考案された最古の健康体操とされる自彊(じきょう)術。
特別な器具を使わず、ストレッチを主体とした31種類の動作を順番にこなすことで、体の働きを整え、病気に強い体質を作る。
健康に不安を感じ始めた中高年が始めるケースが多く、近年も愛好者を着実に増やしている。

大正5年に創案
この体操が生まれたのは1916年(大正5年)。
天才的な手技療法師といわれた中井房五郎氏が31通りの体操を体系化した。
「ひとりマッサージ」とも呼ばれるように、全身を動かすことでマッサージをしてもらったような効果がある。
昭和初期には国民体操と呼ばれるほど流行した。

戦後は長く廃れていたが、東京の近藤芳朗医師が幸世夫人とともに復興・普及させた。
病弱だった夫人が自彊術を習い、その効果に驚いた近藤医師が自らも試みるとともに、医学的な裏付けを行った。
診療所の近くに教室を作り、高血圧症、糖尿病などの患者を集めて教え始めたのが1967年ころ。
近藤夫妻の長女で自彊術普及会の副会長を務める久保穎子さんに、自彊術のエッセンスと、始める場合の注意点などを解説してもらった。
<私的コメント>
文中に出て来る近藤芳朗先生は、私の父と旧制高校の同級生です。
そんなことから自彊術の話は随分前から聞かされていました。


自彊術では全部で31の体操を第1動、第2動・・・と呼んでいる。
「第1動は第2動のための準備、第2動は第3動のための準備、というように、それぞれ関連しており、順を追って進めるのが鉄則」(久保副会長)だ。

第1動~第12動は上半身を整える一連の体操。
腹、胸、肩、背中の順で調整していく。
正座をして、下腹や肋骨を抱えて肩を上下に動かす(第1動、第2動)、両手を後ろで組み合わせて肩を上げ下げする(第4動)などを行う。

手で首筋や額をたたいてその部分のツボを刺激したり(第9動~第11動)、指で目の周りを刺激したりする動作(第12動)も盛り込まれている。

第13動~第15動では腰の調整を、第16動~第20動は脊柱の矯正をそれぞれ行う。
立って両手を上下する(第16動)、両手を振って背中の上下をたたく(第20動)といった動作がある。

第21動からは下肢の調整に移る。
ストレッチを主体にした準備動作のあと、両腕を突き出してすぐに立つスクワットのような動作(第24動)、中腰で両手を突き出す(第25動)、両足を左右に開く(第26動)、四股を踏むような動作(第27動)、といった特徴的な動きが盛り込まれている。

第30動は全身を後ろに回転してでんぐり返しするというダイナミックな動き。
第31動で、両足をそろえてつま先立ちし、かかとからドシンとおりてかかとのツボを刺激する運動で締めくくる。

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最初は手ほどきを
31種類の体操を一通り終えるのに、慣れた人だと15~20分。
「理想は朝起きてすぐと、夕方の1日2回行うこと」(久保副会長)1日1回でも毎日継続すれば、体調が良くなるなどの効果が表れるという。
一セットの運動で消費するカロリーは約37キロカロリーで運動量としては決して多くはない。

初心者、あるいは忙しくて31の体操すべてができない人は、図に示した第1動~第4動、第16動、第31動の六つをすることを勧めている。

普及会傘下の全国約4200カ所の教室(教場)で約5万人が実践。
女性が圧倒的に多い。
更年期による体調不良を訴えて、始めるという人が目立つという。
50~60代から始めて、10年、20年と続けるという人も。

動作は多様だが、テキストや映像教材を参考にすれば学ぶことができる。
ただ、見よう見まねでは効果的な動きをマスターするのが遅れるし、体の限度を超えて無理をしてしまうこともある。
「その人の状態に応じた強さで行うことが大事。特に最初は指導者から手ほどきを受けた方がいい」(久保副会長)という。 (編集委員 吉川和輝)


出典 日経新聞・朝刊 2011.8.28
版権 日経新聞


自彊術 関連サイト>
自彊術(じきょうじゅつ) 日本最初の健康体操
http://blogs.yahoo.co.jp/fumi32003/60737604.html
自彊術
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E5%BD%8A%E8%A1%93
日本初の健康体操 自彊術
http://www.jikyou.com/


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2011.8.14 撮影 蓼科(長野県)にて



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