パーキンソン病の早期発見

嗅覚に障害 最初の症状

パーキンソン病の典型的な症状は震え、体の硬直や、動作が緩慢になることだ。
これらの症状が出るのは病気が始まって数年から十数年たってからとされる。
症状が出るときはドーパミン神経の4分の3が失われているという。

アルツハイマー病の場合は、脳脊髄液のβアミロイドの量が増えるので、βアミロイドと結合する物質を注射し、陽電子放射断層撮影(PET)で見つけるという方法が開発されているが、必ずしも成功していない。

パーキンソン病の場合も、要因になっているタンパク質「αシヌクレイン」という物質を血中で見つけるとか、単一光子放射断層撮影(SPECT)で脳内の黒質の鉄の増加を見つけるという方法が開発されているが、経費もかかるし、一見健康に見える人を調べるのは経済的に大変だとも指摘されている。

■最近注目されているのはにおいだ。
パーキンソン病の場合、最初に障害を受けるのは嗅球といって嗅神経が接続する最初の脳内の組織だ。
そのためにおいの判別ができなくなり、これが最初の症状だとされる=

■においはアルツハイマー病の患者でも感覚が低下しているし、高齢者は一般的に嗅覚が低下しているので、パーキンソン病に特異とは言い切れない。
においに障害がある人をSPECTによって調べ、脳内の黒質の鉄の増加を見つけようという試みも始まっている。    (浜松医科大名誉教授・高田明和)

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出典 中日新聞・朝刊 2012.5.3(改変)
版権 中日新聞社

<私的コメント>
初期症状が振戦(ふるえ)の人はパーキンソン病のおよそ3分の2に過ぎないといわれています。
中には振戦が一度も起こらない人もいます。
振戦以外の初期症状には、嗅覚の減弱、体を動かさなくなる傾向、歩行困難、まばたきの回数が減って顔が無表情になる、などがあります。

嗅覚が低下するのは、パーキンソン病のために、意識的に大量の空気を吸いこんでにおいをかぐ動作ができないためとも考えられています。
また、記事にもあるように嗅覚に関係する領域の脳神経細胞の変性も一因です。
嗅覚の衰えは食欲がなくなり、その結果として栄養状態が悪くなることもありうるといわれています。


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