災害や犯罪などの体験が心の傷となり、強い不安や不眠などが続く心的外傷後ストレス障害(PTSD)への対応や治療の指針を、専門医の学会が初めて作った。
■世界保健機関(WHO)の2005年の調査では、日本国内で生涯にPTSDになる人は人口の1・1~1・6%、20代~30代前半に限ると3・0~4・1%だった。
■しかし、専門医が少なく、適切な治療を受けていない患者も少なくない。
精神科医らで作る日本トラウマティック・ストレス学会による指針は、正しい診断には、医師が患者の体験を丁寧に聞くことが重要と指摘。
最初の2~3回の診察は時間を十分とって、患者のペースで話してもらうよう求めている。
さらに医師は、患者に「誰にでも起こる病気で患者が悪いわけではない」と説明することも大切とした。自分を責める患者が多いためだ。
■つらい体験がよみがえる「フラッシュバック」や息苦しさなどが起きた時に症状を和らげる方法を患者が行うのも有効だという。気
持ちを落ち着かせる呼吸法などを紹介している。
■薬による治療は、最終的な手段として慎重に行うよう助言している。
「SSRI」と呼ばれる新しいタイプの抗うつ薬を推奨する。
最低でも1~2週間は続け、症状が無くなった後も1年間続けると、再発防止効果があるという。
■抗不安薬として広く使われているベンゾジアゼピン系の薬は、PTSDの主な症状には効かず、依存を起こしやすいため、長期的な使用は推奨していない。
■しかし、専門医が少なく、適切な治療を受けていない患者も少なくない。
精神科医らで作る日本トラウマティック・ストレス学会による指針は、正しい診断には、医師が患者の体験を丁寧に聞くことが重要と指摘。
最初の2~3回の診察は時間を十分とって、患者のペースで話してもらうよう求めている。
さらに医師は、患者に「誰にでも起こる病気で患者が悪いわけではない」と説明することも大切とした。自分を責める患者が多いためだ。
■つらい体験がよみがえる「フラッシュバック」や息苦しさなどが起きた時に症状を和らげる方法を患者が行うのも有効だという。気
持ちを落ち着かせる呼吸法などを紹介している。
■薬による治療は、最終的な手段として慎重に行うよう助言している。
「SSRI」と呼ばれる新しいタイプの抗うつ薬を推奨する。
最低でも1~2週間は続け、症状が無くなった後も1年間続けると、再発防止効果があるという。
■抗不安薬として広く使われているベンゾジアゼピン系の薬は、PTSDの主な症状には効かず、依存を起こしやすいため、長期的な使用は推奨していない。