「ぱたか」の発音で分かる飲み込む力
「ぱ」に加えて「た」と「か」をそれぞれ決まった時間内に何回、発音できるかで口の機能をみる「オーラルディアドコキネシス」という手法が注目されつつある。ものをのみ込むための「嚥下)機能」が落ちていないか、チェックできるという。
「オーラル」は口、「ディアドコキネシス」はくり返し運動に近い意味がある。
略して「ディアドコ」はもともと、病気などで言葉に障害がある人たちの発音の機能をみる指標として使われてきた。
最近になって、ものを食べる力も調べられそうだとわかってきた。
略して「ディアドコ」はもともと、病気などで言葉に障害がある人たちの発音の機能をみる指標として使われてきた。
最近になって、ものを食べる力も調べられそうだとわかってきた。
たとえば、「ぱ」は唇、「た」は舌の前の方、「か」は舌の後ろの方をうまく動かすことで発音している。
唇を閉じて食べものを口の中に収め、舌でのどの後ろのほうへと運んでいく機能とかかわっている。
唇を閉じて食べものを口の中に収め、舌でのどの後ろのほうへと運んでいく機能とかかわっている。
■厚生労働省の研究チームは宮崎県と北海道に住む約260人(平均76歳)に協力してもらい、ディアドコのスコアと嚥下機能との関連を調べた。
すると、のみ込む力が落ちて誤嚥のリスクが高い人たちは、そうでない人たちに比べてスコアが低かった。
なかでも、三つの音をつなげる「ぱたか」との関連が最も強かった。
すると、のみ込む力が落ちて誤嚥のリスクが高い人たちは、そうでない人たちに比べてスコアが低かった。
なかでも、三つの音をつなげる「ぱたか」との関連が最も強かった。
■研究チームは「食事中にむせるといった症状が重くなる前に、自分のリスクを客観的な指標で知ることができる」と、ディアドコの利点を説明する。
■何回くらい発音できれば大丈夫なのか。
「ぱ」と「た」は5秒間に25回、「か」は24回、「ぱたか」は8回言えればほぼ大丈夫。
これらを下回るようなら、嚥下機能をきたえる体操を試みたほうがいいという。
「ぱ」と「た」は5秒間に25回、「か」は24回、「ぱたか」は8回言えればほぼ大丈夫。
これらを下回るようなら、嚥下機能をきたえる体操を試みたほうがいいという。
■口を動かすことを意識しながら、はっきりと発音する。
ディアドコの回数が少なめな人むけに、とりわけ嚥下機能をきたえるための訓練法
あお向けに寝た状態で頭だけを持ち上げ、足の指先をみる姿勢をできれば30秒間続ける「頭上げ体操」。
これを1日あたり3セットほど。それと、舌を少し口より前に出した状態で唇を閉じ、つばをのみ込む「ベロ出しゴックン体操」。
これは1日5回くらいが目安。
あお向けに寝た状態で頭だけを持ち上げ、足の指先をみる姿勢をできれば30秒間続ける「頭上げ体操」。
これを1日あたり3セットほど。それと、舌を少し口より前に出した状態で唇を閉じ、つばをのみ込む「ベロ出しゴックン体操」。
これは1日5回くらいが目安。
のみ込む力が低めの80歳前後の人たちに、これら体操を2カ月間続けてもらったら、ディアドコのスコアも改善したというデータがある。