医療被曝抑制へ統一基準

医療被曝抑制へ統一基準 CT・X線検査など対象

http://www.m3.com/news/general/313860
▪️CT検査やX線検査などの放射線検査の関連学会などでつくる団体は18日、検査方法の統一基準を初めてまとめた。
日本は「医療被曝(ひばく)大国」と言われており、過剰な被曝を抑えていくことが狙いだ。
 
▪️日本は年間のCT検査が世界で最も多い国の一つ。
国民1人当たりの医療被曝は先進国平均の約2倍とのデータもある。
結論は出ていないが、医療被曝でがんが増えるとする研究者もいる。
 
▪️基準を決めたのは、日本医学放射線学会や日本診療放射線技師会など12団体でつくる「医療被ばく研究情報ネットワーク」。
 
▪️設けられた基準は、例えばCT検査では、体重50~60キロの成人ならば頭部の被曝1350ミリグレイ・センチメートルを目安にすることとした。1~5歳の小児では頭部が660ミリ、胸部は300ミリとした。
 
▪️線量が高い方が鮮明な画像を得られることもあり、同じ検査でも病院によって線量は数倍の違いがある。
基準は、学会などが行った実態調査の線量を低い順に並べ、原則として4分の3に位置する値とした。

     

新しく決まった放射線検査の基準例
【CT検査 成人】(体重50~60キロ)(臓器の被曝線量目安)
・頭部 1350ミリグレイ・センチメートル
・胸部 550ミリグレイ・センチメートル

【CT検査 小児】
・(1歳未満)頭部 500ミリグレイ・センチメートル
・(1~5歳)頭部 660ミリグレイ・センチメートル
・(6~10歳)頭部 850ミリグレイ・センチメートル

【X線検査】(皮膚表面の線量)
・胸部正面 0.3ミリグレイ
・太もも 2.0ミリグレイ
・足関節 0.2ミリグレイ
・乳幼児全般 0.2ミリグレイ

マンモグラフィー】(乳腺の線量)
・2.4ミリグレイ

ミリグレイは体重1キロに吸収された放射線エネルギー量。
CTは患者を移動させながら撮影するため、撮影範囲の長さを掛けたミリグレイ・センチメートルという単位で表される指標が用いられる。