がんを想定した人生を

がん想定の人生考えよう

国立がん研究センターが2011年のデータを分析した結果、日本人男性の62%、女性の46%が生涯で何らかのがんにかかるとされている。
今や、男性では3人に2人近く、女性でも半数ががんになる時代となった。
がんになることを想定して人生を考えておいた方がよいかも知れない。
少なくともがんに関する最低限の知識を身につけておく必要がある。

同センターによると、今年がんで亡くなる人の数は、昨年に比べ約4000人増の約38万人、新たにがんと診断される患者である罹患数は98万人と、昨年より10万人も増えると予測されている。
 
がんはできる臓器ごとに別の病気といえるほど、なりやすい年縦も治癒率も違う。
今年、罹患数が多いとされるのは男性では前立腺がん、女性では乳がん
前立腺がんは増加率が最も高く、昨年の3位からトップとなりました。
日本人全体では、今年はじめて大腸が第一位となった。
これら3つのがんは欧米人に多いがんで肉食など食の欧米化が急増の背景にあるとみられる。
 
今年はじめて胃がんは罹患数トップの座を大腸がんに明け渡した。
冷蔵庫の普及など、衛生状態がよくなり、胃がんの主な原因となるピロリ菌の感染が減っている
結果といえる。
肝炎ウイルスの感染が原因の約8割を占める肝臓がんも減少傾向にあり、がんの種類が感染型から肉食型に変わってきたことが分かる。
 
がんによる死亡数のトップは依然として肺がんだ。
これまで高かった喫煙率が影響している。
たったIつのがん細胞が診断できる大きさ(1センチ程度)になるには10~30年の年月がかかるため、喫煙率の低下の効果が出るまでには時間を要する。
      (東大・准教授 中川 恵一先生)
日経新聞・夕刊 H27.5.21 (一部改変)