加工食品、栄養5成分の表示義務づけ

食品包装、健康管理のヒント 加工食品、栄養5成分の表示義務づけ

新しい食品表示法が今年(2015年)4月施行され、加工食品などは2020年までに栄養成分の表示が義務づけられます。
消費者は表示をどう読み、役立てればよいでしょうか。

栄養成分表示は、その食品にどんな栄養成分がどのくらい含まれているかを表したもの。熱量(エネルギー)やたんぱく質、脂質などの分量がパッケージなどに記される。
現在も多くの商品に表示されているが、企業の自主判断に任されていた。
 
新しい食品表示法では、ごく小規模な事業者の商品などを除き、一般向けのすべての加工食品への表示を義務化した。
義務づけられたのはエネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウムの5成分。
このうちナトリウムはルールを変更し、「食塩相当量」で表すことが原則となった。
食品中のナトリウムの多くは食塩で、日本人の健康にとって食塩のとりすぎが大きな問題になっているからだ。
 
従来の表示から食塩相当量(グラム)を求めるには、ナトリウム量(ミリグラム)の数字を2・54倍して1千で割る計算が必要で、買い物時に不便だった。
新しい表示では一目で分かる。
 
目標量を守れていない人が多い飽和脂肪酸(脂質の一種)と食物繊維の表示は、義務化はされなかったが「推奨」となった。

熱量・食塩量、まず確認
参考になるのは厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」。
栄養成分ごとに望ましい摂取量を示している。
食塩は男性で1日8・0グラム未満、女性で7・0グラム未満だ。
これに対し、2013年の国民健康・栄養調査では、男性が平均で1日11・1グラム、女性が9・4グラムもとっていた。
 
エネルギーの摂取基準は体格指数(BMI)を指標にするとされている。
昨年度(2014年)までは、例えば運動量が一般的な30~49歳の女性なら、1日の必要量は2千キロカロリーなどと、決まった数字を設けていた。
しかし、適正な量は体格や運動量によって異なるため、BMIを指標とするよう、今年(2015年)から考え方を改めた。
<私的コメント>
これは体格の個人差を考えれば至極当然のことです。
BMIの概念のない余程以前に作られた摂取基準だったのでしょうか。

目標の範囲から外れている人は食事量や運動量を調整する。
BMIを下げたい場合はエネルギーのより低い食品を選ぶといい。
 
毎日習慣的に表示を見るようにしよう。
商品ごとの成分にとらわれるのではなく、食事バランスを意識し、長く続けることが将来の健康に役立つ。

■完全実施は2020年
食品表示法は日本農林規格(JAS)法、食品衛生法健康増進法の3法でバラバラに定められていた表示ルールを整理し、一本化して新たに定められた。
その際、栄養成分表示のほかにもさまざまなルール変更があった。
 
「脂質○%カット」「食物繊維○%増強」といった栄養強調表示は、一部の成分で比較対象の食品と25%以上の差がないと表示できなくなった。
また、食物アレルギーの患者が問題ない商品を選べるように、原則として原材料ごとにアレルゲンを個別表示するように義務付けられた。
 
加工食品に関する新ルールはいずれも5年間の経過措置があり、完全に表示が変わるのは2020年4月。
店頭では新旧の表示ルールに基づく商品が混在することが予想される。
しばらくは商品選びの際に注意が必要だ。

食品表示法でこう変わる
【主なルールの変更点】
<栄養成分表示の義務化>
加工食品への5成分の表示を義務化。ナトリウムは「食塩相当量」で表示

<栄養成分の多さや少なさを強調する表示の改善>
「脂質○%カット」「食物繊維○%増強」などの表示は従来品などと比べて25%以上の差がないと表示できない(一部成分のみ)

<「無添加」を強調する表示のルール導入>
「食塩無添加」や「糖類無添加」と表記する際のルールを設けた

<アレルギー表示の改善>
加工食品に用いる原材料ごとにアレルゲンを表記することを原則に

<製造所固有記号のルール改善>
製造所名や所在地を省略できる製造所固有記号の使用は、要件を厳しくする(2016年4月から)

<表示レイアウトの改善>
原材料と添加物を明確に区分する。包装の表示面積が小さくても、アレルゲンなど安全性に関わる事項は省略不可に


<私的コメント>
BMIは体重(kg)を身長(m)の2乗で割った数字(単位はない)

私はスーパーで買い物をする時には正直言って成分表示はあまり見ません。
唯一チェックするのはハムステーキを買う際に鶏肉が混ざっているかどうかというところだけです。
個人的な主なチェックポイントは牛肉の場合は国産か外国産(米国、豪州)、その他の食品の場合に中国産か否か、賞味期限の長いほうといったところです。
もっと正直なことを言えば一番みるところはディスカウント表示です。
でも、これらは栄養成分表示とは関係ありませんよね。