日常生活の中での腎臓病予防

腎臓病予防、日常生活で 軽い運動でも効果

CKDは自覚症状がないまま悪化し、人工透析などが必要な重い腎不全になる恐れがある。
予防には運動が重要だが、活発なスポーツだけでなく、椅子に座りっぱなしの時間などを減らすことでも予防効果が期待できるという。

自覚症状出にくく
CKDは高齢者に多い。
メタボリック症候群や肥満、高血圧や糖尿病などの生活習慣病がリスク要因になる。
悪くならないと自覚症状が出ないため、CKDになっていても気づかない例が多い。
早期発見が大切で、それには尿や血液などの腎機能検査が必要だ。

世界腎臓デーは国際腎臓学会などが提案した腎臓病の早期発見などを訴える日で、毎年3月の第2木曜日と定められている。

CKDの予防には、カロリーや塩分の取り過ぎなどに注意するほか、運動不足の解消が欠かせない。
運動というと毎日ジョギングしたり、スポーツやトレーニングの運動教室に通ったりするイメージがあるが、必ずしもそうした運動ばかりではない。
 
座りっぱなしは不健康な習慣だ。
専門家の間で最近こうした考え方が注目されている。
 
横になったり椅子に楽に座ったりしている状態を身体活動の強度の単位であるメッツで示すと、1メッツに相当する。「身体的不活発」などと呼ばれ、この状態の時間は健康に悪いことをしているのと同じとされる。
 
座りっぱなしで仕事をするのではなく、こまめに立ち上がって伸びをしたり、少し歩いたりするとよい。
買い物でも掃除でも階段の昇降でも何でもよいので、体を動かすことが大切だ。

健康づくりと共通
座りっぱなしなどの状態を減らす考え方は患者の運動療法だけでなく、腎臓病の予防、さらには広く健康のための運動不足の解消に通じるという。
運動が必要だと分かっていても三日坊主で終わってしまう人にとって、運動の習慣を長続きさせるのにも役立つ考え方だ。

この運動療法について、安藤教授はピラミッドの構造になぞらえて説明する。
一番上がトレーニング的な運動で、一般に運動というとこれを思い浮かべがちだ。
効果は高いが、娯楽性が低く負担も大きいと分析する。
真ん中が低負担で継続可能な運動、一番下が運動以外の日常身体活動で、これら2つは取り組みやすく効果もあり、重視しているという。
一番上を安定させるには下2つの習慣が大切とみている。

腎臓病予防に限らず大切な運動の習慣。なかなか身につかない人は日常の身体活動の見直しから始めてはどうだろうか。

<関連サイト>
日本慢性腎臓病対策協議会
http://j-ckdi.jp/index.html
(慢性腎臓病の予防法や各地のイベント情報などを紹介する)

CKD啓発動画研究会
http://www.ckd-ckd.jp/index.php
(遊び心のある映像で、慢性腎臓病への注意を促す)

 
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出典
日経新聞・朝刊 2016.2.15


 
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                2016.2.11 撮影