糖尿病予防に役立つことは?

糖尿病予防に役立つことは?

○ そもそも糖尿病とはどういう病気か。
血糖値が高くなるのが糖尿病。
ただ、血糖値が上がっただけでは体のどこも具合は悪くない。
問題は、『ドロドロ血』になり、血管が傷んでくること。
血管が破れたり、詰まったりして初めて症状が出る。

○ 自覚症状はないのか。
ない。
目の血管の場合、昨日見えていたのに今日から見えなくなることもある。
しかし、眼科の先生が診れば、これは危ない血管、糖尿病による網膜症が始まっていると、すぐに分かる」

○ 様々な合併症があるが、一番怖いのは。
死因で一番多いのはがん。
糖尿病ではない人でも死因のトップだが、糖尿病の人は余計にがんが多い。
糖尿病は「早く老化する病気」という考え方もあり、10歳くらい老化するのが早い。
つまり、がんもそれだけ早く発症する。

○ なぜ早く老化するのか。
血管から老いるというか、動脈硬化が進む、血管がだめになるので、足だけ、目だけという問題ではない。
合併症が出た人は、全身の血管がそれなりに傷んでいる」

○ 若い人も糖尿病になるのか。
若い人も結構いる。
要因はそれぞれで、遺伝的要因もある。
太っている人がみんななるわけではない。
両親とも糖尿病だとなりやすいが、がんと違って、生活習慣に由来することが多い『2型糖尿病』は予防して確率を下げることができる。

○ 遺伝以外の要因と予防策は。
要因は、一般的には運動不足、食べ過ぎ、肥満。予防で大事なのは食事。腹八分目とか夜遅くは食べないとか。

○ 食べ方にも工夫が必要か。
野菜を先に食べ、肉や魚、最後に炭水化物といわれるが、早食いだと意味がない。
一口30回かみなさいと指導している。
そうすると、血糖を下げるインスリンの出を良くして、満腹感が高まる。

○ 運動も大切か。
糖尿病の人は運動すると余計に血糖値が上がることがあるし、合併症で運動が望ましくない人もいる。
医師に相談してほしい。

○ 青森の糖尿病死亡率が高いのはなぜか。
症状が悪化し、自覚症状が出ないと病院に来ない。
自分の体をケアしようという気持ちが欠けている。
肥満児が多いのも青森県の特徴で、小学校からの栄養教育が必要だ。
大人は毎日体重を測ることから始めればいい。

「一病息災」という言葉もある。
糖尿病全体では平均寿命は10歳短いが、ちゃんと治療を受けている人に限ると、平均よりも長いというデータもある。
糖尿病と嘆くのではなく、かえって良かったということもある。
弘前大学・大門眞教授)
参考
朝日新聞 2017.1.27


<私的コメント>
糖尿病の方に限らず「がん」は二人に一人がかかります。
こんなる身近な病気が、症状が出るまで結構見逃されています。
これは患者さんだけでなく医師も大いに反省すべきことです。
当院ではできるだけ「がん検診」などを受けるようにおすすめしています。
記事にあるように、糖尿病の方は特に「がん」に対する目配りが大切です。