チョコの健康効果

チョコの健康効果

心血管疾患から腸内フローラまで幅広い効果、ただし食べ過ぎには注意
多くの人が大好きなチョコレートだが、昔は「虫歯になりやすい」「ダイエットの敵」などと健康面ではネガティブなイメージがあった。
しかし、ここ数年、チョコレートの健康効果が大きく取り上げられるようになり、「健康にいい食品」に仲間入りするようになった。
最近では、スーパー、コンビニのお菓子売り場だけでなく、ドラッグストアなどでもチョコレート売場が大きなスペースをとるようになっている。
 
しかし、「チョコレートにどんな健康効果があるの?」と聞かれて、きちんと説明できる人は意外と多くないのではないだろうか。

チョコレートはポリフェノールが豊富!
チョコレートの健康効果というと、多くの人が思い浮かべるのが「ポリフェノール」だ。
健康志向のチョコレート商品には、「高ポリフェノール」だと表示されているケースがよくある。
 
ポリフェノールは、植物性食品の色素や香り、苦味、辛味などの化学成分である「フィトケミカル」の一種で、約8000もの物質の総称だ。
そのなかで、化学構造に応じて、さまざまなグループに分類されている。
例えば植物エストロゲンともいわれるイソフラボンやスチルベン、フラバノールなどが代表だ。
 
このうちフラバノールが、チョコレートやココアの主原料となるカカオ豆には豊富に含まれている。
実は、チョコレートには赤ワインより多くのフラバノールが含まれているのだ。

では、チョコレートやココアに含まれるフラバノールの健康効果はどうなのか。
 
生体内で合成され、さまざまな機能を持つ窒素酸化物の1種である一酸化窒素は、血管内皮細胞から作られる。
この一酸化窒素が、血管の健康状態を維持する血管内皮機能を調節している。
フラバノール含有量の高いココアを摂取すると、一酸化窒素が増え、血管拡張(血圧低下)、血小板凝集抑制(抗動脈硬化)などにつながる。
また、血圧についても、数値の低下が報告されている。
 
しかし、ほとんどの市販のカカオ製品は、たくさん摂取すると、飽和脂肪酸や糖分により、カロリー(500kcal/100 g)のとり過ぎになる。
そして、カカオのプラスの効果を打ち消すほどの、体重増加や血糖の上昇を招く。
食べ過ぎには注意が必要だ。