「たばこ」 と 白血病

たばこ1日30本以上の男性、「白血病」リスク2.2倍

たばこを1日30本以上吸う男性は、吸わない男性に比べ急性骨髄性白血病(AML)になるリスクが2.2倍になるとの研究結果を愛知県がんセンター研究所の研究チームがまとめ、専門誌に発表した。
 
AMLは年間、10万人に約2人が発症するとされる。
今回の研究によると、海外では喫煙がAMLのリスクを上昇させるとの報告があったが、国内では関連がはっきりしていなかった。
 
チームは岩手や大阪、沖縄など9府県に住む40~69歳の男女約9万7千人の生活習慣や健康状態を、1990年代から平均で約18年間調べた。
90人がAML、計47人が他のタイプの白血病を発症していた。
 
年齢や性別などによる偏りが出ないよう調整して喫煙との関連を調べると、1日30本以上たばこを吸う男性がAMLになるリスクが高くなっていた。
1日30本未満の男性では、明らかな差はみられなかった。
他のタイプの白血病や女性は、喫煙者や患者が少ないなどのため喫煙の影響ははっきりしなかったという。
 
研究代表は「多くのがん、循環器や呼吸器の病気と同様に、AMLの発症を防ぐためにも禁煙を広めることが重要だとわかった」と話している。

参考・引用
朝日新聞・朝刊 2017.4.15


関連サイト
たばこと病気 様々な臓器のがん死亡リスク上昇
https://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/43214216.html


番外編
煙の影響 出生体重軽く
子どもの受動喫煙は胎児の時から始まっている。
 
全国の母子約10万組が参加する、環境省の「エコチル調査」のデータを分析し
た研究によると、妊娠中も喫煙していた母親から生まれた新生児の体重は、非喫
煙者の母親の新生児より男児で136グラム、女児で124グラム少なかった。
 
煙の中の有害物質が母親の血液を通じて胎児に回ると、酸素が十分行き渡らなかったり、胎盤が育たずに胎児に栄養がきちんと届かなかったりするなど、様々な影響がもたらされるためでは、と考えられている。
  
受動喫煙によって低体重で生まれると、肥満になりやすくなるという研究結果もある。
 
苦しい環境で赤ちゃんは育とうとして、エネルギーを体にため込みやすい体質になる。
生まれた後に栄養状態が改善されても体質は変わらないので、太りやすくなると考えられている。
 
母親だけでなく、父親など同居する家族に喫煙者がいると、出生時の体重が50~100グラム軽かったという報告もある。
子どもは環境を選べない。
一番に配慮されるべき立場だ。

参考・引用
朝日新聞・朝刊 2017.4.19