風邪の予防に腸内環境を整えよう

風邪の予防に腸内環境を見直そう

季節の変わり目は体調を崩しやすいタイミングだ。
また、空気が乾燥して、風邪やインフルエンザにかかるリスクも高まる。
そのため、体調管理には十分気をつけたい。
また、冬を迎える前に、腸内環境を整えることがおすすめだ。
 
なぜ腸なのか?
それは、腸内環境を整えることで免疫力がアップするからだ。

腸の中には、500~1,000種、100兆個 という、たくさんの細菌が住んでいると言われている。
これらは大まかに分けると善玉菌と悪玉菌、日和見菌に分類できる。
 
善玉菌は「消化・吸収・代謝の促進」「病原菌・有害菌の増殖抑制・感染防御」「免疫系の活性化」「有害・発がん物質の分解と排泄促進」など、からだによいことをしてくれる微生物。
悪玉菌はインドールアンモニアという毒素を出す困った存在だ。
日和見菌は、善玉菌とも悪玉菌ともいえないもの。
普段は悪さをしないが、悪玉菌が優勢になると悪玉菌のような働きをするため、腸内環境を整えておくことが大切だ。
 
腸内環境が整っている状態とは、悪玉菌より善玉菌が多い状態を指す。
そして、体内の免疫細胞の6割は腸内に集まっているので、腸内環境が整うと免疫細胞が活性化され、免疫力が高まる。

腸内環境が悪いと便秘や肌荒れを引き起こすことはよく知られているが、その他にもからだにさまざまな悪影響を及ぼす。
 
食べた物は、食道や胃を通った後、腸で栄養が吸収される。
腸では食べ物に含まれる栄養だけではなく、悪玉菌によって発生したアンモニアなどの有害物質も血液中へ吸収される。
このため、腸内環境が悪化すると、血液中に不要な老廃物が増加し、からだへの負担が大きくなる。
さらに、私たちを幸せな気分にしてくれる「セロトニン」や、やる気を与えてくれる「ドーパミン」 というホルモンのもとも腸で作られるため、腸内環境の改善は、こころの健康を維持するためにも重要だ。

一方、「プレバイオティクス」は、オリゴ糖や食物繊維など「プロバイオティクス」のエサになり、善玉菌を増やす働きのある食品成分だ。
こちらは、玉ねぎやキャベツなどの野菜や大豆、サツマイモなどにたくさん含まれている。
 
とは言え「プロバイオティクス」「プレバイオティクス」もたくさんとればよいというものではない。
これらが含まれた食べ物を、毎日毎食少しずつ食べることが効果的だ。
ただ、毎食同じでは飽きてしまうので、朝は納豆1パック、昼は小皿に盛られたキムチ、夜はヨーグルトという具合に、毎食違うものを食事に付けてみるとよい。
 
乳酸菌は腸に届く前にそのほとんどが胃酸で死滅してしまうが、死滅しても、善玉菌のエサになるため、腸内環境を改善する効果はあるので、それほど神経質になる必要はない。
できる範囲で取り組めばよい。
 
「プレバイオティクス」については、成人の必要量とされる350gの野菜を1日にとればよい。
 
逆に、悪玉菌の好物になる肉類や脂肪分のとりすぎには注意が必要。
また、腸の働きを悪くするストレスや喫煙も禁物だ。
できるだけストレスのない生活を心がけ、可能なら禁煙にも取り組もう。
 
善玉菌と悪玉菌のバランスは生活習慣や加齢とともに変化していくため、ぜひ実践したい。
 
では、善玉菌を増やすにはどうすればよいのだろうか?
 
最も簡単なのが「プロバイオティクス」と「プレバイオティクス」が含まれた食べ物を日常的に食べること。
「プロバイオティクス」とは、腸内細菌のバランスを整える乳酸菌などの微生物のことで、ヨーグルトや納豆などの発酵食品に多く含まれている。

プロバイオテクス
 ヨーグルト、納豆、キムチ など

プロバイオテクスのエサになり、善玉菌を増やす物質
 タマネギ、キャベツ、アスパラガス、大豆、ごぼう、人参、納豆、ライ麦パン、さつまいも など

参考・引用
朝日新聞デジタル アピタル 2017.11.7