加熱式たばこ

加熱式たばこ、厚労省が規制検討へ

受動喫煙対策を強化する健康増進法の改正を検討する厚生労働省は、急速に普及が進む「加熱式たばこ」も規制対象とする方針を決めた。
有害物質が含まれ健康被害が否定できないと判断した。
病院や学校では当面禁煙とする。
飲食店でも原則禁煙だが、紙巻きたばこに比べて緩やかな基準とする。

加熱式たばこは、加工したタバコ葉を専用機器に入れて加熱し、ニコチンを含んだ蒸気を吸う。
国内市場の1割超を占め、その割合は高まっている。
紙巻きたばこより煙が少ないのが特徴だ。
 
加熱式たばこについては健康影響に関するデータが不足していたため、法改正案での位置づけは決まっていなかった。
厚労省研究班などの成果で、主流煙にタール成分がほとんど含まれていない一方、紙巻きたばこと同レベルのニコチンや、2割程度のアルデヒド類が含まれることが判明。
換気がない環境で多量に吸うと室内のニコチン濃度は、安全な水準を超えた。
受動喫煙を受けた人の一定の割合で、鼻やのどの痛み、気分不良などの症状が認められたという。
 
ただし健康影響の評価は確立されていないため、今回の方針は当面の措置とする。
厚労省は飲食店を原則禁煙としながら、面積150平方メートル以下の飲食店の喫煙を認める法改正案を検討。
新規開業の店や大手チェーンの店では喫煙専用室などを設けなければ喫煙を認めない。
 
150平方メートル超の店では「喫煙専用室」をつくれば紙巻きたばこを吸えるが、そこでは飲食できない。
一方、加熱式たばこのみが吸える「喫煙室」では飲食を認める方針。
来年の通常国会の早期成立を目指し、与党と調整する。

参考・引用
朝日新聞 2017.12.22


<関連サイト>
熱式たばこ、どこでも吸える?規制との関係は
https://www.asahi.com/articles/ASKCS340GKCSUBQU00L.html?iref=pc_extlink
2017年11月24日
煙の出ない「加熱式たばこ」。
昨年4月にフィリップ・モリス・ジャパンが「アイコス」を全国発売して以来、全国的に利用者が増えている。
 
加熱式たばこは、専用のたばこを本体に差し込み、加熱して出た蒸気を吸う。
火を使わず、発がん性物質を含むタールの発生が抑えられるのが特徴だ。
こうした「新型」たばこの取り扱いが県内で分かれている。
 
2008年に「歩きたばこ禁止条例」を施行した神戸市では、市内全域で路上喫煙をしない2017年11月24日
があります。
三宮・元町地区などの禁止地区での路上喫煙は、1千円の過料を科す罰則があるが、加熱式たばこには適用されない。
市地域環境課によると、条例はやけどなどの危険防止が目的で、その恐れがない加熱式は条例に規定する「喫煙」に該当しないという。


加熱式たばこ、アリなのか?ナシなのか?
https://www.asahi.com/articles/ASK9G2QTPK9GUBQU00B.html?iref=pc_extlink
2017年9月17日
「加熱式たばこ」という商品が日本でも本格的に売られ始めた。
たばこ会社は「有害物質削減」をうたうが、ニコチンへの依存が続くだけだ、との指摘もある。
公衆衛生の分野には、「ハーム・リダクション(害の低減)」という考え方があるからだ。
 
たとえば英国では、薬物注射の回し打ちで感染症が広がった際、薬物の撲滅に固執せず、感染拡大を食い止めるために注射針の無料交換を実施した。
現実的な対応で実を取る手法だ。
たばこのニコチン依存症の場合、わざわざ禁煙外来を訪れた人でも、1年後の成功率は約3割。満足感が得にくいニコチンガムなどと違い、葉タバコを使い、喫煙類似動作も伴う加熱式たばこは有効な代替品になり得る。
禁煙できない人が悪いのだと突き放さず、別の道を示すのが公衆衛生だ。
 
業界大手のフィリップ・モリスは、加熱式たばこの蒸気は紙巻きたばこに比べて有害物質が平均9割以上、少ないと発表している。
また英国の研究者の最近の推計では、平均的ユーザーの生涯発がん確率は、紙巻きたばこよりも加熱式たばこの方が2ケタ近く小さい。
まだデータは少ないですが、少なくとも紙巻きたばこより健康への害ははるかに少ないと思われる。