加熱式たばこ、紙巻きたばことの違いは?
葉を燃やさずに成分を吸引
街中で「加熱式たばこ」をよく目にする。
新型たばことも呼ばれるが、従来の紙巻きたばこと何が違うのだろうか。
加熱式たばこ、厚労省が規制検討へ
従来のたばこは、葉に直接火をつけて燃焼させ、煙とともにニコチンを吸引する。
先端部分は900度程度になり、副流煙と喫煙者が吐く「呼出煙」が生じます。
これに対し加熱式は、たばこ葉を燃焼させず、暖めるにとどめている点が特徴です。
フィリップモリスジャパン(PMJ)の「アイコス」では、金属製の刃を機械で約350度に加熱します。
ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン(BATJ)の「グロー」は機械内部の筒を240度に加熱します。
どちらも紙巻き同様、スティック状にしたたばこ葉を熱して吸います。
日本たばこ産業(JT)の「プルーム・テック」の場合は専用の液体を熱して生じた霧で、たばこ葉の粉末が入ったカプセルを30度程度で蒸すようにして吸います。
燃焼させないため、目に見える煙は出ませんが、加熱で発生する霧状の「エーロゾル(エアロゾル)」を通じてニコチンを吸引します。
各社ともこの霧状のものを「ベイパー」と呼んでいます。
こうした加熱式は急速に普及しています。
2016年に全国販売が始まったアイコスでみると、紙巻きを含むたばこの販売に占めるシェアが、昨年1月の約8%から10月は15%に倍増。
グローやプルーム・テックも合わせれば3割に達するとみられる地域もあるそうです。
普及の要因が、煙やにおいの少なさだと各社とも説明します。
においがほとんどないことが周囲に配慮する日本で好評な理由だとみられている。
「紙巻きの喫煙者にも満足してもらえる味わいが、近年の技術開発で実現できた」と関係者は言う。
飲食店の中には、原則禁煙としつつ「加熱式はOK」などと掲示するところも出ているが、「加熱式もにおいがする」という苦情も耳にするようにって来た。
健康影響も気になる。
紙巻きたばこの燃焼部分は「化学工場」のように有害な物質を発生させる。
健康リスクを下げられる可能性がある製品開発が進められてきた。
PMJの説明では、紙巻きたばこの主流煙に比べてアイコスのベイパーは「有害物質を平均で約9割カットした」といい、同社は紙巻きたばこの喫煙者に、アイコスなどの製品に切り替えるよう促す方針を掲げている。
一方で、日本呼吸器学会は「加熱式の使用は健康に悪影響がもたらされる可能性がある」「使用は推奨できない」とする見解を昨年10月に出した。
加熱式でも「体内に有害物質が取り込まれているのは明らか」と指摘。
加熱式の使用者の吐き出す息にもエアロゾルが含まれているとして、「受動吸引による健康被害が生じる可能性がある」と述べている。
健康影響については厚生労働省が、法制化を目指している受動喫煙対策の法律でどう規制するかも含め、現在、調査している。
ただし、発売された後で健康影響を調べ始めるのは手順が逆ではないかという指摘もある。
ニコチンを含む液体を加熱して吸引するいわゆる「電子たばこ」は欧米で普及しているが、日本では医薬品医療機器法(旧薬事法)の規制対象のため、健康影響を調べて厚労省の承認を得なければ販売できない。
ところがたばこ葉を使う加熱式はたばこ事業法の対象のため、健康影響によらず販売できる仕組みとなっている。
日本対がん協会では「加熱式に限らずたばこ製品は、まずは規制し、安全性が証明された時点で外せる仕組みにすべきだ」と指摘している。
参考・引用
朝日新聞・朝刊 2018.1.6
<関連記事>
加熱式タバコ
https://wordpress.com/post/aobazuku.wordpress.com/626
加熱式たばこ
http://osler.jugem.jp/?day=20180109
加熱式たばこも規制へ 受動喫煙対策、紙巻きより緩やか
受動喫煙対策を強化する健康増進法の改正を検討する厚生労働省は、急速に普及が進む「加熱式たばこ」も規制対象とする方針を決めた。
有害物質が含まれ健康被害が否定できないと判断した。
病院や学校では当面禁煙とする。
飲食店でも原則禁煙だが、紙巻きたばこに比べて緩やかな基準とする。
加熱式たばこは、加工したタバコ葉を専用機器に入れて加熱し、ニコチンを含んだ蒸気を吸う。
国内市場の1割超を占め、その割合は高まっている。
紙巻きたばこより煙が少ないのが特徴だ。
加熱式たばこについては健康影響に関するデータが不足していたため、法改正案での位置づけは決まっていなかった。
厚労省研究班などの成果で、主流煙にタール成分がほとんど含まれていない一方、紙巻きたばこと同レベルのニコチンや、2割程度のアルデヒド類が含まれることが判明。
換気がない環境で多量に吸うと室内のニコチン濃度は、安全な水準を超えた。
受動喫煙を受けた人の一定の割合で、鼻やのどの痛み、気分不良などの症状が認められたという。
ただし健康影響の評価は確立されていないため、今回の方針は当面の措置とする。
厚労省は飲食店を原則禁煙としながら、面積150平方メートル以下の飲食店の喫煙を認める法改正案を検討。
新規開業の店や大手チェーンの店では喫煙専用室などを設けなければ喫煙を認めない。
150平方メートル超の店では「喫煙専用室」をつくれば紙巻きたばこを吸えるが、そこでは飲食できない。
一方、加熱式たばこのみが吸える「喫煙室」では飲食を認める方針。
来年の通常国会の早期成立を目指し、与党と調整する。
参考・引用
朝日新聞・朝刊 2017.2.21
紙巻きタバコとの違い
http://iqossan.com/tag/紙巻きタバコとの違い/
利用者急増…“次世代型”加熱式タバコとは
https://news.infoseek.co.jp/feature/heat_not_burn_tobacco/
アイコスは健康に悪影響?紙巻タバコと比較し健康に対するメリット・デメリットについてお伝えします!
https://ecoeco-taizen.com/tobacco/11340.html
アイコスが紙巻タバコよりも有害という記事についてきちんと調査してみました。
https://ecoeco-taizen.com/tobacco/21014.html
紙巻きタバコ、加熱式タバコ、電子タバコ、法律的な扱いの違いは!?
http://www.vip-times.co.jp/advanceinfo/紙巻きタバコ、加熱式タバコ、電子タバコ、法律/
【悲報】IQOSは紙巻タバコより「高濃度発がん性物質」を含んでいる、研究結果が波紋呼ぶ! 科学者「副流煙も有害」「使用制限を」
https://www.excite.co.jp/News/odd/Tocana_201705_post_13365.html?_p=2
「アイコス」「グロー」「プルーム・テック」を比較! 加熱式タバコの現状をまとめてみた
https://kakakumag.com/hobby/?id=9669
ヘビースモーカーが話題の加熱式タバコ「iQOS(アイコス)」に2週間完全移行してわかったこと
https://kakakumag.com/hobby/?id=4435
電子タバコと加熱式タバコの違い。VAPEとアイコスなどの3選を徹底比較
http://hovita.club/electric-cigarette-heated-cigarette/
加熱式たばこ「IQOS」有害物質9割減は本当か 自社と第三者の研究結果に見える隔たり
http://toyokeizai.net/articles/-/203903
「加熱式タバコ」のメリット・デメリットを考える
https://news.yahoo.co.jp/byline/ishidamasahiko/20180109-00080256/
「加熱タバコ」健康増進法の改正案で原則禁煙の対象になる可能性も?
http://news.livedoor.com/article/detail/14136649/
(2018年1月10日)
加熱式たばこ「iQOS」の臨床試験に不備が発覚 「病気リスクの低い製品」とはいえない?
http://toyokeizai.net/articles/-/202836
「加熱式タバコ」と電子タバコを比べた最新研究
https://news.yahoo.co.jp/byline/ishidamasahiko/20180105-00080118/
加熱式たばこ「iQOS」は、どう売り込まれたか
https://news.yahoo.co.jp/byline/ishidamasahiko/20180105-00080118/
英国でも「加熱式タバコ」のリスクが指摘される
https://news.yahoo.co.jp/byline/ishidamasahiko/20171221-00079565/
「PM2.5」加熱式タバコからも出ていた
https://news.yahoo.co.jp/byline/ishidamasahiko/20171230-00079880/
水銀をふくませた加熱式たばこで殺人未遂 知人に計14本吸わせた疑いで逮捕
http://toyokeizai.net/articles/-/204098
・知人男性に水銀を含ませた加熱式たばこを吸わせたとして、滋賀県警は10日、大津市の設備業・M容疑者(36)を殺人未遂容疑で逮捕した。
・男性は異変に気付いて吸うのをやめたが、舌がしびれ、ろれつが回らなくなるなどしたため、被害届を提出。男性の血液などからは基準値を超える水銀が検出された。
・水銀は、体に吸収されると血管を巡って脳神経を破壊し、感覚、言語障害などの疾患を引き起こす恐れがある。