ロキソニン

国民薬”ロキソニンに重大な副作用~空腹で飲んではいけない理由はここに!

ロキソニン(ロキソプロフェンは病院で処方されるほか、2011年からは「ロキソニンS」として店頭でも販売されている。

・インターネット通販大手、アマゾンジャパンは、この2016年4月から鎮痛剤「ロキソニン」や胃腸薬「ガスター10」などおよそ70数品目の第1類医薬品の販売をスタートした。
ロキソニンはこれまで以上に手軽に購入できることとなった。

第1類医薬品と第2類医薬品のネット販売は2014年6月12日から解禁となっているが、アマゾンジャパンでは、2015年9月から在庫を持つ実店舗「Amazonファーマシー」を開設し、薬剤師を雇用・常駐させ副作用のリスクが比較的少ない第2類医薬品、第3類医薬品などを直販してきた。
今回の第1類医薬品の販売開始で。市販薬のほとんどがアマゾンで購入できることとなり、その影響は大きい。

・ところが、この人気薬には腸閉塞などの重大な副作用のリスクがあるとして、厚生労働省が注意を呼び掛けている。

ロキソニンで腸閉塞のリスク !?
厚労省は2016年3月22日、解熱鎮痛消炎剤の「ロキソプロフェンナトリウム水和物(経口剤)」(商品名・ロキソニン錠60mg、同細粒10%、ロキソプロフェンナトリウム内服液60mgなど)について、医薬品添付文書の「重大な副作用」の項目に「小腸・大腸の狭窄・閉塞」を追記するよう指示を出した。

医薬品医療機器総合機構(PMDA)の報告書によると、過去3年度における国内副作用症例のうち、小腸・大腸の狭窄・閉塞関連症例が6例報告されており、そのうち因果関係が否定できないものが5例であった(死亡例はなし)。
今回の改訂は、この結果を受けたものである。

・店頭販売薬(ロキソニンS[第一三共ヘルスケア]他)についての小腸・大腸の狭窄・閉塞関連症例は報告されていないが、医療用医薬品添付文書と合せて改訂される。

あなどれない胃腸の副作用
・ただし、これは、ロキソニンに全く新しい副作用が見つかったということとは少々異なる。
ロキソニンが消化器系の副作用を伴うことは、これまでにも知られてきた。

・この副作用はロキソニンが効くメカニズムに関係する。
ロキソニンに代表されるNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)は、炎症を引き起こす「プロスタグランジン」という物質の生合成を抑制することによって痛みや発熱を抑える。

・その一方で、プロスタグランジンは、実は胃腸の粘膜を保護する働きもしている。
つまり、プロスタグランジンの生成を抑えてしまうと胃腸のバリア機能も弱くなり、粘膜が荒れやすくなるのである。

・病院でロキソニンを処方される際には、空腹で飲まないように指示され、「ムコスタ(一般名:レバミピド)」などの胃薬を一緒に処方されることが多いのはそのためだ。

・今回新たに加わった「狭窄・閉塞」は、胃の粘膜が荒れ、潰瘍ができ、さらに進行した症状である。
潰瘍が進行して腸管が狭くなった状態を狭窄、さらに進行して腸管が詰まった状態を閉塞という。
閉塞すれば、大変な痛みを引き起こし、死亡に至るケースもある。

薬とどうつき合う? 作用と副作用は表裏一体
・今回の発表は、薬の副作用について改めて考えさせられるものでもある。
どのような薬も副作用が伴う。
作用と副作用は裏表であるし、症状の現れ方は人それぞれであるから、必要以上に怯えることはない。
うまく薬とつき合っていくことが大切だ。

・まずは、副作用の可能性を頭に入れておくこと。
そして当然ながら、服薬の指示は守ること。
処方薬にしても店頭販売薬にしても、添付文書をよく読めば、ロキソニンに限らず多くの薬が、かなり重篤な症状も想定されていることがわかる。
こうした情報を頭に入れておき、服用後に少しでも「おかしいな」と感じることがあれば、すぐに医師や薬剤師に相談しよう。

参考・引用 (一部改変)
HEALTH PRESS 2016.3.24


ロキソニンテープにも新たな副作用?~気をつけたい“痛みを押さえ込む”ことの功罪

・消炎鎮痛剤にも内服薬と外用薬がある。
だが、飲み薬と貼り薬におけるメリット、デメリット、使用に際しての注意点など、その違いは意外と知られていない。
 
・まず、服薬と貼付の大きな違いは、全身に作用するか、限定的に作用するという点だ。
当然ながら、飲み薬は全身に、貼り薬は使用部分に作用する。
 
・ぎっくり腰や捻挫は、基本的に体の一部分だけに生じることが多い(交通事故などで全身打撲などの特殊な場合はまれにあるが)。
その場合、痛めた箇所だけに効く貼り薬のほうが使い勝手がいい。
全身に作用しないので、重大な副作用が起こる可能性は、飲み薬と比べると極めて低い。
また万が一、副作用が起こった場合でも、剥がすことによって最小限の副作用にすることが出来る。
消化器を介さないので、それらの内臓への負担が少ないという利点もある。
 
・一方で、肌に直接貼るので、皮膚が赤くなったりかゆくなったりという欠点がある。
皮膚が敏感な人は煩わしく感じてしまうかもしれない。

モーラステープは「ポカリとアクエリアス」の違い?
ロキソニンテープと同じような貼り薬に、モーラステープがある。
成分やメーカーの違いはあるが、基本的な効果は一緒だ(あえてたとえるなら、ポカリスウェットとアクエリアスのようなものだ)。

しかし、モーラステープは日光によりかぶれること(光線過敏症)に注意が必要だ。
そのため、首などに貼る場合は注意が必要である。

痛みを押さえ込むことの功罪
・痛みがあるからもこそ、私たちは身体の異常に気づくことができる。
なんでもかんでも痛みを押さえ込んでしまうのは、より深刻な病気や身体の変化を見逃してしまうことになるかも知れない。
その部分も留意しながら、ロキソニンテープに限らず、さまざまな薬とつきあっていくことが重要である。

参考・引用 (一部改変)
HEALTH PRESS 2016.4.1
http://healthpress.jp/2016/04/post-2323.html


ロキソニンで腰痛は治らない! 治ったような錯覚が“ロキソニン依存”を招く

・まず、腰痛に対して「ロキソニンを飲めば全て解決するか?」という問いには、残念ながら答えは「No」だ。もし「Yes」ならば、すでにこの世から腰痛はなくなっているはずである。
 
・腰痛には、さまざまなタイプがある。
原因も複雑だからこそ、適切な診断・治療にたどり着けずに悩んでいる人が多い。

・あえて、ロキソニンが効果をもたらす腰痛のタイプを挙げるならば、「急性腰痛(いわゆるぎっくり腰)」だ。
ぎっくり腰の初期に多いのは、炎症によって痛みを感じる「侵害受容器」が刺激されて起こる急性の痛み。鎮痛薬であるロキソニンは、抗炎症作用もある。
この段階で服用すれば、痛みを和らげ、炎症を最小限に抑えることができる。
適切に療養すれば、早い回復が期待できる。

「痛みへの恐怖心」を最小限にとどめる
・各国の腰痛治療に関するガイドラインでも、急性腰痛に対する痛み止めの服用は治療・回復に有効だと示されている。
エビデンスのレベルが高い、つまり科学的な根拠に基づく信頼性が高いということになる。
もうひとつ大切なポイントは、急性期の時点で痛みを和らげると、「痛みへの恐怖心」を最小限にとどめることができることである。
これは、腰痛の慢性化の予防につながる。
ぎっくり腰が慢性化する原因のひとつは、「痛みの恐怖」の“記憶”だからだ。
 
・体を動かすことが怖くなり、不自然な体の使い方を覚えたりして、身体かける負担を大きくしてしまう。それを防ぐのに、ロキソニンをはじめとする痛み止めの服用は有効なのだ。

慢性化の原因はロキソニンで解消しない
・反対にロキソニンに期待できないタイプは、すでに慢性化した腰痛だ。
心理的な痛みへの恐怖、疲労、睡眠不足・・・。
いくつもの原因が複雑に絡まっている状態だ。
そこに、炎症を抑えるロキソニンを飲んだところで効果は見込めない。
なぜなら慢性化の原因はすでに炎症ではないからだ。
 
・とはいえ、一時的に痛みを和らげるので、治ったかのように錯覚し、腰痛がぶり返してロキソニンを飲む・・・。
それが、次第に投薬に依存してしまう危険性をはらんでいる。
ロキソニンは、痛み止め、抗炎症作用の確かな効果があり、入手もしやすい。とても使い勝手がよいため、人気薬であることは間違いない。
しかし、さまざまな副作用もある。
必要時に適切な量を服薬して最小限にとどめるのが理想だ。
腰痛においては、タイプと時期を見極めて用いる必要がある。

参考・引用 (一部改変)
HEALTH PRESS 2016.3.26