横隔膜を鍛える

梅雨時の心身不調 横隔膜を鍛えて乗り切る 逆腹式呼吸も取り入れて 胃腸の働き活発に

梅雨の時期はだるさや体のむくみといった不調が起きやすい。
この季節にお勧めしたいのが横隔膜を鍛える運動だ。呼吸が深くなって血行を促し、胃腸の活性化や気分の安定にもつながる。
意識して動かそう。

横隔膜は胸(胸腔)とおなか(腹腔)を隔てる膜状の筋肉。
パラシュートが開いたような形で、大動脈と大静脈、食道を通す3つの穴が開いている。
食道を通す穴は下部食道括約筋と呼ばれ、胃が飛び出さないように働いている。
 
息を吸うときは横隔膜が逆さに下がり、吐くときは傘を開いたように上がる。
名前に「膜」とあるが筋肉なので、鍛えることが可能だ。
 
湿度が高くなる梅雨時は、血液や体液の巡りが滞りがちで、胃の不調を訴える人が増える。
体の最も奥にあるインナーマッスルである横隔膜を鍛えることで、深い呼吸が得られ、自律神経のバランスが整って血行などが改善する。
胸焼けや逆流性食道炎などの予防にもつながる。
 
まずは胸部のストレッチで胸郭を開きやすくして、横隔膜の動きを促そう。
椅子や机などに片手を添える。添えた手と反対側の腕を開きながら、脚を後ろ斜め45度に開いて、大きく深呼吸を2回する。

次に、外側の腕を曲げつつ肘を引き上げて、脇腹から体側を伸ばしながら深呼吸を2回(脇腹開き)。
両手で背もたれを持ち、背中を丸めて息を吐く(背中丸め)。

続いて、基本の腹式呼吸
鼻から息を吸い、下腹を膨らませる。
その後、できるだけ細く長く息を吐き、下腹をへこませる。やや前かがみになって、息をしっかり吐き切ろう。

寝転んで両膝を立てた姿勢での腹式呼吸も効果的だ(横になって腹式呼吸)。
できるようになったら、バスタオルや枕などで負荷をかけてみよう。
体力に合わせて、少しずつ重くするとよい。

横隔膜をさらに鍛えるのが「逆腹式呼吸」。
腹式呼吸とは反対に、息を吸って下腹をへこませ、吐いた時に膨らませる。椅子に座った状態でも、寝転んで取り組んでもよい。

参考・引用
日経新聞 2018.6.2
https://style.nikkei.com/article/DGXKZO31202560R30C18A5W10600?channel=DF140920160920&style=1&n_cid=DSTPCS001
(図を参考にすると「横隔膜を鍛える運動」が理解しやすくなります)