ぜんそく重症化のメカニズムを解明

ぜんそく重症化のメカニズムを解明

ぜんそく患者の気管支の周囲の組織が硬くなり、重症化の原因となる「線維化」について、千葉大の研究グループは、発症の原因となる免疫細胞の働きを解明したと発表した。重症化を防ぐ治療法の開発につながる可能性がある。6月26日付の米医学誌イミュニティ(電子版)に論文が掲載された。
 
研究グループは、ハウスダストぜんそくを発症するようにしたマウスの気管支で起きる免疫反応を分析。
アレルギー反応の司令塔役になる病原性T細胞が出すたんぱく質の一種が、繊維化の引き金になることを突き止めた。
 
このたんぱく質は、ぜんそくの発症に深く関わる白血球の一つ好酸球を刺激。
この好酸球が、繊維化の直接の原因となる別のたんぱく質を分泌することも判明した。
細胞実験から、ヒトでも同じ仕組みで繊維化か起きることもわかってきたという。
 
国内の気管支ぜんそくの患者は約800万人。
気管支の周囲が線維化するとステロイド剤が効かずに重症化する。重症者は成人に多く、患者の5~10%に達するとされる。
薬で緯線化を防いだり、なくしたりできれば症状の軽減が期待できるという。

参考・引用一部改変
朝日新聞・朝刊 2018.7.5


<関連サイト>
ぜんそくの重症化に有効な治療法の鍵を発見―重症アレルギー疾患を引き起こす組織線維化のメカニズムを解明―
https://www.amed.go.jp/news/release_20180627-01.html