がんセンター、3年生存率を初めて公表 治療評価に期待
国立がん研究センターは2018年9月、がんと診断された人が3年後に生存している割合を示す「3年生存率」を初めて公表した。全てのがんの平均は71.3%。
膵臓がんは15.1%と差があり、治しにくいがんについて、新たな治療法の効果を5年を待たずに評価できるようになると期待されている。
対象者は70歳代が最も多く、約9万7千人(32%)、次いで60歳代が約8万8千人(29%)。
手術や内視鏡によってがんを切除した人の生存率は88%だった。
部位別に見ると、膵臓が15.1%、肺49.4%、食道52.0%、肝臓53.6%。胃74.3%、大腸が78.1%、乳房(女性のみ)95.2%だった。
手術や内視鏡によってがんを切除した人の生存率は88%だった。
部位別に見ると、膵臓が15.1%、肺49.4%、食道52.0%、肝臓53.6%。胃74.3%、大腸が78.1%、乳房(女性のみ)95.2%だった。
これまで治癒の一つの目安とされてきた、診断から5年後の生存割合「5年生存率」についてもまとめた。
今回は08~09年に診断された約50万人のデータを分析した。
5年生存率は10%程度のがんもあり、5年よりも早く、有効な治療法かどうか評価できる目安が求められていた。
同センターの若尾文彦・がん対策情報センター長は「5年生存率に3年生存率が置き換わるものではないが、速報値としてがん治療の様子を確認することができる」。
東尚弘・がん登録センター長は「いち早くデータが分かれば、難治がんについて、より現状に近いデータで対策を議論することができる」と話す。
今回は08~09年に診断された約50万人のデータを分析した。
5年生存率は10%程度のがんもあり、5年よりも早く、有効な治療法かどうか評価できる目安が求められていた。
同センターの若尾文彦・がん対策情報センター長は「5年生存率に3年生存率が置き換わるものではないが、速報値としてがん治療の様子を確認することができる」。
東尚弘・がん登録センター長は「いち早くデータが分かれば、難治がんについて、より現状に近いデータで対策を議論することができる」と話す。
静岡がんセンターの山口建総長は「がんは、再発するかどうかの経過観察が必要な病気。データが今後蓄積すれば、がんの種類によっては3年たてば治癒の予測ができるようになる可能性がある」と話す。
■がんの5年生存率65.8%
がんの3年生存率とともに公表された5年生存率。
これまで治癒の目安とされてきたが、国立がん研究センターは今回、全国251の施設ごとに病期(ステージ)別のデータを初公表した。
どの病院で診てもらうか、患者が決める手がかりとなりそうだ。
がんの3年生存率とともに公表された5年生存率。
これまで治癒の目安とされてきたが、国立がん研究センターは今回、全国251の施設ごとに病期(ステージ)別のデータを初公表した。
どの病院で診てもらうか、患者が決める手がかりとなりそうだ。
2008~09年にがんと診断された約50万人のデータを分析した。
全てのがんでの5年生存率は昨年公表された08年のみのデータとほぼ同様で65.8%。
前立腺98.4%、乳房(女性)92.7%と高く、肝臓は昨年分より1.1ポイント増の39.6%、肺は0.9ポイント増の40.0%。
施設ごと、転移の有無などにより進行度を示すステージ別のデータは胃、大腸、肝、肺、乳房のがんで出した。
患者の性別や年代、がんを切除する治療をした人の数もわかる。
全てのがんでの5年生存率は昨年公表された08年のみのデータとほぼ同様で65.8%。
前立腺98.4%、乳房(女性)92.7%と高く、肝臓は昨年分より1.1ポイント増の39.6%、肺は0.9ポイント増の40.0%。
施設ごと、転移の有無などにより進行度を示すステージ別のデータは胃、大腸、肝、肺、乳房のがんで出した。
患者の性別や年代、がんを切除する治療をした人の数もわかる。
ただし患者の年齢層やがん以外の病気などによって治療法は変わり、生存率に大きな影響が出る。
このため生存率が高い施設の治療成績が良い、と単純には言えないという。
国立がん研究センターの東尚弘・がん登録センター長は「自分のがんはどうか、主治医と話をする材料として使ってもらいたい。病院ごとにデータをどう見るべきかという解説もあるので参考にしてほしい」と話す。
このため生存率が高い施設の治療成績が良い、と単純には言えないという。
国立がん研究センターの東尚弘・がん登録センター長は「自分のがんはどうか、主治医と話をする材料として使ってもらいたい。病院ごとにデータをどう見るべきかという解説もあるので参考にしてほしい」と話す。
ほかに、全国約780病院で16年に、胃や大腸などの5大がんを含めて、12部位のがんと診断された人のデータを集めたシステムもつくり公開した。
がん情報サービスのサイトから利用でき、病院ごとに年代別、性別、病期別の患者数を検索できる。
がん情報サービスのサイトから利用でき、病院ごとに年代別、性別、病期別の患者数を検索できる。
全国がん患者団体連合会の天野慎介理事長は「病院ごとの様々なデータが検索しやすくなり、患者が病院を選択するうえで役立つ」と歓迎する。
そのうえで「今後は(患者数が少ない)希少がんについても検索できるようにしてほしい」と語った。
そのうえで「今後は(患者数が少ない)希少がんについても検索できるようにしてほしい」と語った。
■部位ごとのがん「3年生存率」
全体 71.3 %
胃 74.3 %
大腸 78.1 %
肝臓 53.6 %
肺 49.4 %
乳房(女性) 95.2 %
食道 52.0 %
膵臓 15.1 %
子宮頸部 78.8 %
子宮体部 85.5 %
前立腺 99.0 %
膀胱 73.5 %
全体 71.3 %
胃 74.3 %
大腸 78.1 %
肝臓 53.6 %
肺 49.4 %
乳房(女性) 95.2 %
食道 52.0 %
膵臓 15.1 %
子宮頸部 78.8 %
子宮体部 85.5 %
前立腺 99.0 %
膀胱 73.5 %
<関連サイト>
病院別の「生存率ランキング」、病院選びに役立たない理由は?
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/cancernavi/report/201803/555182.html
病院別の「生存率ランキング」、病院選びに役立たない理由は?
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/cancernavi/report/201803/555182.html