風疹、2020年まで流行の恐れ

風疹、2020年まで流行の恐れ 30~50代男性が中心、8週連続100人超

首都圏を中心に風疹が流行している。
国立感染症研究所が6日発表した、直近1週間(10月22~28日)の患者数は8週連続で100人を超え、今年に入り1692人に上った。
患者の中心はワクチンの接種率が低い30~50代男性。
専門家は「対策をうたないと、東京五輪の2020年まで感染が続くこともありうる」と懸念する。
 
感染研によると、直近1週間の風疹の患者数は170人。
最多は東京で60人。
次いで神奈川24人、千葉19人と続く。
関東以外でも、愛知4人、大阪7人、福岡6人など患者が出ている。
 
感染研は6日、緊急情報を発表。
妊娠初期に風疹にかかると、赤ちゃんに難聴や心疾患などの障害が出るおそれがある。
妊娠中は予防接種が受けられないため、妊娠の2ヵ月前までにワクチン接種を済ませておくよう呼びかけた。

私的コメント
妊娠中の検査で風疹抗体が陰性ということがわかった場合には、(次回の妊娠に備えて)出産直後に風疹の予防接種をすることが勧められています。
 
1万6千人超の患者が出た2012~13年の流行では、45人の赤ちゃんに障害が出て、うち11人が亡くなった。

疾病対策センター(CDC)は10月22日、予防接種や罹患歴のない妊婦は日本に渡航しないよう勧告。
風疹は一度流行すると、2~3年にわたり流行が続くことが多く、専門家は今回も感染が続くおそれがあると懸念する。
 
政府は20年度までに持続的な感染が1年以上確認されない「風疹の排除」をめざすが、何も手をうたなければラグビーワールドカップ東京オリンピックなどの大型イベントにも影響が出かねない。

今回の流行は、過去の制度変更の影響でワクチンの接種率が低
い、30~50代男性を中心に感染が広がっている。
同年代で抗体が少なく感染のリスクが高い人は数百万人いるとみられる。
「30~50代男性の抗体保有率を上げない限り流行が繰り返される。抗体検査を職場の定期健診に組み込むなどの取り組みが必要だ」と訴える。     

参考・引用一部改変
朝日新聞・夕刊 2018.11.6