沖縄の食事から学ぶ

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新聞のリレーエッセイから家森先生が書かれた文の引用です。
家森先生の食育のお話は当ブログでもいろいろ紹介させていただきました。
新聞エッセイからの紹介は2回目です。

沖縄を食育の道場に

予防栄養学研究者 家森幸男

世界保健機関(WHO)の協力を得た私どもの調査で、日本食、中でも沖縄食が長寿食
だとわかってきた。
ゴーヤチャンプルという豆腐料理は、大豆イソフラボンと抗酸化栄養素を一緒に
摂(と)れる。
大豆イソフラボンには弱い女性ホルモン様作用があり、血管の健康を保つ一酸化窒素
をつくる遺伝子の働きを助けてくれる。
だから大豆を常食する日本や中国では、欧米諸国に比べて肌がきれいで若々しく見える。
日本人が世界一多く消費する魚介類には、DHAなど
血液サラサラ効果のある脂肪酸があり、コレステロールや血圧を下げ、心臓の働きを
穏やかにするアミノ酸タウリンも多い。

「人は血管と共に老いる」といわれ、血管の老化が寿命を決定する。
それを止めるのが大豆や魚である。
ビタミンA、E、Cなど抗酸化栄養素の多い緑黄色野菜を摂取すれば一酸化窒素も
有効に働く。

日本人が主食にしてきた「ごはん」が肥満を防ぎ、コレステロールを下げ、心臓死の
予防に貢献していることもわかった。
そこで兵庫県の県民運動で、「食はバランス、ごはん、大豆など伝統食と減塩で」と
キャンペーンしたところ、モニターした地域の平均で、塩分は1日当たり2グラム減少、
イソフラボン摂取は1.7倍ほどになった。食塩をこれだけ減らせば脳卒中の3分の1
は予防しうる。
脳卒中の治療費に年間2兆円も費やす日本、その3分の1、6,000億円余りを福祉
に活用できる。

昨年11月に発表された平均寿命によると、沖縄の女性は過去30年間曰本一、
世界のトップである。
しかし男性は25位。
この男女の食生活の差を含め、長寿食のメリットを学ぶ道場を沖縄に創設し、日本や
世界の人々の食育に役立ててはいかがか。

日経新聞・夕刊 2008.1.12 「あすへの話題」より
版権 日経新聞社 



<自遊時間>
その1
今朝のニュースで裁判員制を扱っていました。
どのような経緯でこのような制度が実施されるようになったか、われわれ国民は十分
理解していないと思います。
私自身もよくわかりません。

高校時代にクラスの仲間が裁判官になりたいということを知りました。
事実、その彼は法学部に進学したした後、裁判官になっています。
その高校時代、私自身医師になる以外のことはまったく考えていませんでした。
親が医師であったということはもちろん動機の一つではありますが、人命救済という
天職(今では殆ど死語になっています)と思ったからです。
そして、人が人を裁く仕事だけはしたくないと思ったものでした。

裁判員制度は「何人も平等に裁判を受ける権利を有する」という法律に違反する
という法曹学者がいますし私もそう思っています。
「国民」というのも均一なものでなく、いろいろな人生感や考え方を持った一人間の
集まりです。
そして何より他人を裁く資格もないし、そのこと自体に抵抗や嫌悪感を持っている
国民も多いのです。
社会現場の混乱は必定です。

その2
昨夜のWBC Sフライ級タイトルマッチは観られましたか?
ムニョス(ベネズエラ)対川嶋
12ラウンドを終わって川嶋の勝利を確信しましたが、判定はムニョス。

ボクシングがわからなくなりました。
あれで引退なんてもったいない。
解説者も何だかひどかったですね。
解説者にこそ引退してもらいたいと思いました。

医療専門のブログは別にあります。
井蛙内科開業医/診療録 
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葦の髄から循環器の世界をのぞく
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