温活で体を温め、冬を乗り切ろう
温活 体を温め、冬を乗り切ろう 湯たんぽや腹巻活用 「温性」食材も味方に
寒い季節になり、手足がいつも冷たい――。
こんな悩みを持つ方も多いのではないだろうか。
体を温めて、冬を元気に乗り切るコツを知ろう。
冷えは、ほっておくと血液の温度が下がって流れが滞り、酸素や栄養素が届かなくなり、必要なものがつくれなくなる。
あらゆる病気のもとになると考えられている。
そもそも、「冷え」とは、平熱が低い人だけでなく、高めでも、寒さや冷たさを苦痛に感じている状態を「冷え」や「冷え症」と考えられている。
体温が上がれば体調は変わる。
不眠で悩む人が、湯たんぽで体を温めたらその日から寝られたり、不妊症の人が妊娠したり、という例もある。
体を温める「温活」は難しくないし、お金もかからない。
対策としてはまずは、冷たい飲み物や食べ物を避け、体温より高い温度のものを取るようにする。
それでも変わらなければ、食材にこだわる。
そして、よくかむこと。
かむことで内臓脂肪が燃えて体温が上がりる。
洋服は、下半身を中心に温める。
心臓から遠く、地面に近いところが冷えやすいためだ。
室内が暑すぎて汗をかくと冷えにつながるので、暖房の設定温度は低めにし、衣服で調節する。
締め付けがきついものは避ける。
腹巻きを活用するのもよい。
いわゆるバカボンのパパや「男はつらいよ」の寅さんスタイルだ。
お風呂は、ぬるめでゆっくり。
ただ、日本の住宅は断熱が不十分で寒い場合も多いので、洗い場や脱衣場をあたためてから入る。
入浴剤は炭酸系がおすすめ。
そして、大事なのは自分で自分の体を温められるよう、筋肉をつけること。
駅の階段は「無料で天然のジム」。
エスカレーターを使わず歩く。
常につま先立ちになるような傾斜がある靴を誰き、普段から鍛えている人もいる。
今の冷えは、冷蔵庫やエアコン、乗り物など文明がつくっている。
少し自分に負荷をかけたほうが元気で長生きできる。
体を温められる食事についてはどうだろうか。
薬膳では食材は「四性五味」で分類される。
熱、温、涼、寒の四性と、酸、苦、甘、辛、咸(塩辛さ)の五味で、たとえばネギは体を温める「温性」で肺に作用する「辛味」。
寒かったり風邪を引いたりした時に良いとされるのは、このような背景がある。
肉類はすべて体を温めるが、ラム(羊)肉がダントツだ。
ニュージーランドでは、代謝を上げてダイエットするためにラム肉を食べる人もいるという。
体のポカポガを持続させるには肉気が良い。
シナモン粉より、中華食材店などで「肉桂」「桂皮」として売られている樹皮状のものを煮出して飲むのが効果的だ。
ただ、冬には温性のものを食べたほうが良いというのは間違いではないけれど、そればかりではない。
薬膳の基本になっている中医学(中国伝統医学)の世界では人間の体は肝、心、脾、肺、腎の五つに分けられる。
季節も五つに分かれ、それぞれの季節に負担がかかりやすい臓器があるとされている。
冬は「腎」が弱まりやすく、冷えにつながる。
腎を養うのは「咸」の食材。
昆布などの海藻類、エビやホタテなどの海産物、黒豆や黒ごま、山芋などが良いという。
参考・引用一部改変
朝日新聞・朝刊 2019.11.30
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冷え対策