肺年齢

慢性閉塞性肺疾患という言葉をご存知でしょうか。
英語名の頭文字をとってCOPDと呼ばれることがあります。
認知度は今ひとつのようです。
その原因の一つに、この病気の早期発見や治療効果の判定に不可欠な肺機能検査器
(スパイロメトリー)の普及が進んでいないということがあります。
このCOPD
国内の疫学調査「NICEデイ(2001年)」で40歳以上の8.5%にあたる
約530万人いるといわれています。

その多くは現在、値上げが検討されているタバコが原因です。
禁煙は一度で成功させようとせず、何回でもトライすればいいのです。
トライしている間は、吸い続けているよりも本数が減るわけですから。
まずは禁煙しようという心がけをもつことが大切です。

肺年齢、喫煙量に比例

日本呼吸器学会が慢性閉塞性肺疾患ぜんそくなど、肺の健康状態に関する
新たな指標として「肺年齢」を提唱している。
専用装置で肺活量などを調べ、どの程度の年齢に相当するのかを計算する。
実際の年齢よりも高いほど、呼吸器病のリスクが高くなるというわけだ。

健康でも成人の肺活量は年齢とともに低下する。
歳ごとに男性は約28ミリリットル、女性は約22ミリリットルずつ減る傾向が
あり、それを利用して肺年齢を計算する。
専用装置「スパイロメトリー」で1秒間に息をはいた量などを計測し、身長と合
わせて肺年齢を導く。

喫煙歴が無ければ、肺年齢はほとんど実年齢と変わらない。
しかし、喫煙量が増えると高くなる。
ヘビースモーカーは10歳以上高いという。

慢性閉塞性肺疾患の患者の肺年齢は、20歳も実年齢より高い場合がある。
だが、治療を受ければ平均6歳若返るという報告もあり、早期発見が重要だ。
久留米大学医学部の相沢久道主任教授は「肺の検査や疾病への社会の認知度は
まだ低い。禁煙の動機付けとして一度検査を受けてほしい」と促している。

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出典 日経新聞・朝刊 2008.5.25
版権 日経新聞

<コメント>
5月31日は「世界禁煙デー」でした。
禁煙を思いついた方は「喫煙した肺とそうでない肺」
http://www.venus.dti.ne.jp/~drmayumi/pg000102.htm
を比べてみるとよいかも知れません。
タバコの害はこのような肺だけにはとどまりません。
数え上げればキリがないくらいです。
そのことについてはまた別の機会に触れたいと思います。
「肺年齢」を若く保つには、まずは「煙草を吸わない」ことです。
将来、酸素ボンベを持ち運ぶようなことにならないためにも禁煙しましょう。


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