COPD患者の別の死因による死亡

COPD患者の別の死因による死亡が増加

慢性閉塞性肺疾患COPD)患者は、以前よりも心血管疾患など呼吸器疾患以外の原因によって死亡する比率の高くなっていることが、スウェーデンの新しい研究で明らかにされた。
医師がCOPD患者の治療を行う際には、このようなリスクを把握しておく必要があるという。

研究著者であるスウェーデン、ブレーキンゲBlekinge病院(カールスクルーナ)のMagnus P. Ekstrom博士は「近年スウェーデンでは、COPD患者における長期酸素療法の開始年齢が平均66歳から73歳に上昇しているほか、同療法を受ける女性の割合が増えている」と述べている。

研究グループは、1987~2004年にCOPDの長期酸素療法を開始した成人7,628人のデータを分析。
1人当たり平均1.7年間の追跡期間中、 5,497人が死亡した。
死因として肺癌(がん)および呼吸器疾患は年々減少し、循環器疾患および消化器疾患が増加していることが判明。
全体では心血管疾患による死亡リスクが62%増加していた。
この研究は、米医学誌「American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine(呼吸器・クリティカルケア医学)」オンライン版に1月7日掲載された。

この変化は、少なくとも部分的には、酸素療法を開始する年齢の高齢化によるものであることが明らかにされている。
スウェーデンではたばこ曝露が全体的に減少しており、このことが肺機能の低下を遅らせ、酸素療法を必要とする患者の高齢化をもたらしている。
「このため、加齢とともにCOPD患者に併存疾患のみられる比率が徐々に高くなり、脆弱化している」とEkstrom氏は説明するとともに、「医師はこのような変化を把握し、患者の死亡リスクに影響を及ぼす疾患を監視する必要がある」と付け加えている。

出典 HealthDay News 2011.1.14
版権 HealthDay

<私的コメント>
COPDという言葉はもうご存知のことと思います。
この記事のタイトルを見た時には、何か特別の死因でも書かれているのかと思いました。
結局は、COPD患者の高齢化により呼吸器疾患以外の病気で死亡する症例が増加している、ということだけのようです。
循環器疾患および消化器疾患似よる死亡する割合がCOPDと非COPDでは比較されていません。

慢性腎臓病(CKD)患者では心血管死ふが多いといわれています。
COPD患者でも、何かの傾向が見られるかと思ったのですが。
ちょっと残念な研究です。



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