トランス脂肪酸

トランス脂肪酸については、このブログですでに2回とりあげました。


たまたま新聞記事に、この話題が載っていたので、再度とり上げてみました。

このトランス脂肪酸は、水素添加した植物油を扱う過程で人工的に生成される副産物です。

体はたくさんの細胞からできています。
細胞の中では生命維持に必要な営みが行われ、細胞を覆っている細胞膜は、そのための
大切な情報のやりとりを行う重要な役割を果たしています。
細胞膜は大部分が脂肪酸で形成されていて、その脂肪酸がシス型でなくトランス型に
置き換わると膜の性質が変わってしまい、細胞が本来の機能を果たすことができなく
なります。

したがって、さまざまな現代病は、マーガリンなどの出現で近年トランス型脂肪酸
摂取量が増えたことに起因しているのではないかという説もあります。

このトランス脂肪酸
悪玉コレステロール動脈硬化、心臓疾患、ガン、免疫機能、認知症不妊、アレルギー、
アトピーなどとの関連が具体的に証明されています。


このトランス脂肪酸は、日本では管理されていでしょうか?
諸外国では、このトランス脂肪酸を厳しく制限・管理(使用禁止や含有量表示)している
ケースがよく見られますが、日本ではまだまだあまり関心を持たれていないようです。
「普通」の食生活においてトランス酸の摂取過剰によるリスクを心配する必要はないとの
見解が強いために規制されていないようです。
これは、国民の健康より食品産業の育成を重視する政策とも考えられます。
医療より道路といった構図になんだか似ていませんか?

一方、海外では消費者も行動を起こしていてアメリカでは、トランス脂肪酸を含まない
油に切り替える作業が遅れたとして、ハンバーガーのマクドナルドが訴訟を起こされて
います。
昨年ケンタッキーフライドチキンも使用する油を変更しました。
国内の外食産業はどうなっているのでしょうか


以下は新聞記事の紹介です。

トランス脂肪酸  多量摂取に注意

バター不足のこのごろ、代わりにマーガリンに手を伸ばすと「トランス脂肪酸フリー」と
書かれているものがある。
トランス脂肪酸とは、マーガリンやショートニングなどの加工油脂に含まれる脂肪酸の一種。
牛の脂肪や肉などにも少量含まれ、悪玉コレステロールを増加させ、善玉コレステロール
を減少させる作用があるとされる。
 
多量に摂取すると、動脈硬化などによる心臓疾患のリスクを高めると報告されており、食品
中の含有量を制限している国もある。
日本では平均的な摂取量が国際機関の推奨する安全レベル内に入るとされ、特に規制は
されていない。
ただし、脂肪の多い料理や菓子をたくさん食べるなど、偏った食生活をしている場合には
注意が必要だ。
もっとも、トランス脂肪酸だけを減らしても意味がない。
毎回の食事で脂肪をとりすぎないように注意し、いろいろなものを食べ、適量の植物油、魚油、
動物性の脂肪をバランスよくとることが大切だ。

出典 日経新聞・朝刊 2008.6.14
版権 日経新聞


トランス脂肪酸の過剰摂取が心配される食生活の具体例
朝食:パンにマーガリンや菓子パン、クリーム入りコーヒー
昼食:ファーストフード、又は冷凍食品を利用したお弁当
おやつ:クッキー、クラッカー、
夕食:インスタント・レトルト食品を利用したもの


トランス脂肪酸 関連サイト>
トランス脂肪酸
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E8%84%82%E8%82%AA%E9%85%B8
wikipediaでの解説です)
トランス脂肪酸
http://www.fsc.go.jp/sonota/54kai-factsheets-trans.pdf
(PDFで詳しく解説されています)
油に隠された危険
「プラスチック化」された油脂=トランス脂肪酸
http://tabemono.info/report/former/10_kiji.html
トランス脂肪酸って体に悪い?食品チェック
http://allabout.co.jp/gs/medicalfood/closeup/CU20070405B/
トランス脂肪酸を含む食品リストが紹介されています)
■ぬりもの・オイル系
マーガリン、ピーナツバター、マヨネーズ、コーヒーのクリームなど
お菓子系
ケーキ、アイスクリーム、チョコレート菓子、クッキー、クラッカー、菓子パン、ポテト
チップス、ドーナツなど
■インスタント・レトルト系
カップヌードル、インスタントのラーメン、缶のスープ、シチューのルウ、カレーの
ルウなど
■ファーストフードやファミリーレストラン
チキンナゲット、フライドポテト、フライドチキン、パイなど
■冷凍食品系
から揚げ、ケーキ、ピザ、魚のから揚げ、コロッケ、天ぷらなど

米KFCが使用を止めるトランス脂肪酸とは?
http://allabout.co.jp/career/worldnews/closeup/CU20061114A/
トランス脂肪酸を多く採ると、HDLが減ってLDLが増えることが、オランダの研究で明らか
にされています。結果として、心臓病のリスクが高まっていくのです)

食品安全委員会資料に見る「トランス脂肪酸」の国内最新事情
http://www.gamenews.ne.jp/archives/2007/06/post_2413.html
(ここでは、トランス脂肪酸含有量が表組化されています)
日本人の平均的な一日あたりの摂取量は0.7グラムで、アメリカの場合は5.8グラム、
ヨーロッパでは1グラム強。
欧米各国では前世紀末からトランス脂肪酸に対する注目が急速に高まり、摂取量を減らそう
という動きが個人ベースだけでなく企業・政府機関のレベルで積極的に行われている。

<きょうのブログ>
日本における食品中のトランス脂肪酸含有率
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/MYBLOG/complete.html?pid=27315829&cat_id=555021711
(具体的に商品名をあげてわかりやすく○×がつけられています)