インフルエンザ、万能ワクチン開発

インフルエンザ、万能ワクチン開発…厚労省研究班
いろいろなタイプのインフルエンザウイルスに効くワクチンを厚生労働省研究班
が開発した。

従来のワクチンと違い、ウイルスが変異しても効果が続くのが特徴で、動物実験
で確かめた。
実用化までには数年かかるとみられるが、新型インフルエンザの予防にも役立つと
期待される。

研究班は、国立感染症研究所、北海道大、埼玉医科大、化学メーカーの日油。

通常のワクチンは、ウイルス表面をとげのように覆うたんぱく質をもとに作る。
接種後、ウイルスが体内に侵入すると、抗体がとげを認識して増殖を阻止する。
だが、インフルエンザは、とげの形が異なる複数のウイルスが流行することが
多いうえに、頻繁にとげの形が変異するため、毎年のようにワクチンを作り直す
必要があった。
流行する型の予測がはずれると、ワクチン接種の効果が薄れた。

研究班は、表面に比べて変異しにくいウイルス内部のたんぱく質を人工合成。
それに特殊な脂質膜をくっつけてワクチンを作った。
このワクチンを接種すると、免疫細胞が、ウイルスの感染した細胞を攻撃する。

実験では、新型インフルエンザウイルスに変異する可能性が高い高病原性鳥
インフルエンザウイルスH5N1、Aソ連型、A香港型の3種共通の内部
たんぱく質を調べ、ワクチンを作製。
免疫に関与する人間の遺伝子を組み入れたマウスに接種した後、ウイルス3種を
マウスに感染させても症状が表れず、増殖も抑えた。

ただ、これまでにないタイプのワクチンなので、人間に使って重い副作用が出
ないか、慎重に確認する必要がある。同じ仕組みのワクチンを英オックス
フォード大も研究中という。

研究代表者の内田哲也・感染研主任研究官は「人間に有効で安全な量を調べ、
一刻も早く実用化につなげたい」と話している。



<番外編>
日本脳炎新ワクチンが承認へ
厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第2部会は29日、阪大微生物病研究会
大阪府吹田市)が開発した日本脳炎ワクチンについて、「承認しても差し支えない」
との結論をまとめた。
3月までに正式承認される見通しだ。

日本脳炎は予防接種費用が公費でまかなわれる定期接種の対象。
しかし、接種後に重い副作用が出たとして、厚労省は2005年、積極的な勧奨を
控えるよう市町村に勧告した。
その結果、接種率が低下し、免疫を持つ乳幼児の割合が非常に低くなっており、患者の
増加が懸念されていた。

新ワクチンは、原材料にマウスの脳を使用した旧ワクチンより、副作用のリスクが
低いとされる新手法で製造されている。



<番外編>
未知なる脅威と危機管理戦略
http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02812_03
新型インフルエンザについて専門家がかなり具体的な話をしています。
しかし一般の方には少し専門的です。)

ワクチン接種後、8人入院=追加調査も-新型インフル厚労省研究班
新型インフルエンザの世界的な大流行(パンデミック)に備え、医師や検疫所職員
らに「プレパンデミックワクチン」を事前接種した結果、5561人中8人が発熱
などのため入院したことが19日、厚生労働省研究班(班長・庵原俊昭国立病院機構
三重病院院長)の調べで分かった。
■ワクチン接種と直接の因果関係があったとみられるのは2人。
■8人はほとんどが数日以内に退院し、職場復帰したという。
■同研究班は「重篤な結果とは言えないが、安全性についてさらに追加研究し、
結論を出したい」としている。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200901/2009011900718
出典 時事ドットコム 2009.1.19
版権 時事通信社
<コメント>
これは新しいニュースではありません。
しかし「医師や検疫所職員」が具体的にどのような方であったのか、一切公表され
ていないようです。
進んで接種を希望するようなことはない筈です。
それだけに不気味ささえ感じます。