噛(か)む力、飲み込む力

かたいものが噛(か)みづらい、食べ物を飲み込みにくい気がするということ
はないでしょうか。
実は、食べ物をのどにつまらせて死亡する事故は年間に約4,000人起きて
いるといわれているのです。
口のこれらの機能は、年をとるとともに徐々に低下します。
誤嚥を防ぎ、その結果起こる肺炎を防ぐには、日頃から口の状態を自覚して、
その機能の維持と向上を心がけることが大切となります。


#咀嚼(そしゃく)力 握力と比例調査で判明
握力が強い人は、かむ力も強い。こんな結果が、幼児からお年寄りまで2,000人
を対象にした咀嚼(そしゃく)力調査で明らかになった。調査した鎌倉女子大家政
学部の吉野陽子講師は「握力をつけることが、かむ力のアップにつながる。逆に
かむ力をつけると、握力も強まるかもしれない」と指摘している。

調査対象は、かむ大切さを訴えてNHKや菓子メーカー「ロッテ」などが全国
各地で開いているイベント『しっかり噛(か)んで健康家族』の「ガムカム
ダンベル体操」の参加者。ダンベル体操は、筑波大体育科学系の鈴木正成教授
(運動栄養学)のグループが手掛けている。

参加者に1分間チューインガムをかんでもらい、ガムの中の糖分の溶け出した量
を測定、さらに握力計を使って握力を測った。
ガムを効率よくかめる人ほど糖分の溶け出し量が多くなるため、溶け出した量を
測定することによって、かむ力を推定できる。

かむ力の調査は2001(平成13)年に開始し、これまでの測定人数は2,064人
(男性768人、女性1296人)に上っている。
最年少は3歳、最高齢は97歳だ。

データを分析した結果、かむ力は幼児期から年齢ととも強くなり、男女とも40代で
ピークを迎え、その後は低下した。
こうした中で男性は70代になっても比較的かむ力が維持されるのに対して、女性は
60代後半以降は急激にかむ力が落ちていた。

さらに握力とかむ力の間には密接な相関関係があり、握力の強い人ほど、かむ力が
明らかに強いことも分かったという。

かむ力の強い人は
(1)現在何かの運動を続けている人
(2)成長期に運動をした人
(3)品数の多い朝食をきちんと取っている人
などの特徴もみられた。

吉野講師が特に関心を払っているのが、高齢者とかむ力の関係だ。
スポーツなどをして元気なお年寄りほどかむ力の強いことも明らかになっている。
かむ力の強弱は、元気のよさを測るバロメーターの一つになっているのは確実と
みられる。

吉野講師は「ダンベル体操を毎日十五分ほど続けることで、咀嚼力が上がった
というデータもある。筋肉を強化し、基礎体力をつけることがかむ力の増加につな
がっているのではないか。高齢社会を迎えて、かむという行為は一層大切になる。
かんでおいしく食べることができれば、生きる意欲がわいてくるようになる」と
強調している。

<参考および引用記事>
http://kumanichi.com/iryou/kiji/ha/13.html
出典 熊本日日新聞・夕刊2003.1.14
版権 熊本日日新聞社

<参考記事>
イメージ 1

朝日新聞・夕刊 2009.3.23

<関連サイト>
噛めば噛むほど・・・そしゃくの7不思議
http://www.health.ne.jp/library/5000/w5000436.html

口腔機能とは ~口腔機能の向上がコミュニケーションや味覚に関わる~
http://www.j-health.jp/egao/kenkou_kyositsu/159/159_8.html

口腔機能と健康のかかわりについて
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/zyxibhop/koukutokenkou.html


<自遊時間> 2009.4.8 追加
泥酔学生下車し凍死、タクシーに賠償命令 松山地裁
http://www.asahi.com/national/update/0325/OSK200903250117.html
松山市の山中で07年、愛媛大学医学部の男子学生(当時23)が凍死
したのは個人タクシーの運転手(64)が泥酔した学生を現場付近に降車
させたためだとして、遺族が慰謝料など5千万円を求めた訴訟の判決が24日、
松山地裁であった。
武田義徳裁判官は「最寄りの警察署などに降車させるべきだった」として安全
配慮義務違反を認め、約4100万円の支払いを命じた。

判決によると、学生は07年12月21日夜、松山市内で友人らと酒を飲み、
22日未明、帰宅するため1人でタクシーに乗った。
運転手は松山市玉谷町の国道で降車させ、学生は約200メートル歩いたところ
石手川の河原に転落して凍死した。
降車場所は学生の自宅から約4キロ離れた山中だった。

裁判で運転手側は、降車時の状況について「学生が停車を指示し、『間違いない
のか』という問いに対して『ここでいいです』と答えた。
酔っているようには感じなかった」と主張した。
しかし、判決は、学生の飲酒量やタクシー内でのやりとりなどから「学生は泥酔
しており、運転手も認識していた」と認定。こうした主張を退けた。

そのうえで「運転手は現場付近の地理に詳しく、泥酔した学生を降車させれば、
転落や凍死の危険性があることは明らかだった」と指摘した。

版権 朝日新聞社

<コメント>
この記事を読んで、判決に対してどうも釈然としない気持ちになりました。
この運転手は、首を吊るかも知れません。