国産抗インフルエンザ薬「ペラミビル」

#国産インフル薬、11月申請 塩野義、来秋発売目指す
塩野義製薬大阪市)は29日、開発中の抗インフルエンザ薬「ペラミビル」について、11月上旬に厚生労働省への承認申請をする方針を明らかにした。
来秋の発売を目指し、小児への適応も検討する。タミフルリレンザに続く第三の特効薬で、第一三共が手がける新薬とともに「国産初」の実現が近づくことになる。

手代木(てしろぎ)功社長が朝日新聞の取材に明らかにした。
ペラミビルは、塩野義が07年に米バイオクリスト社から日本での開発・販売の権利を得て、開発を進めてきたもの。
季節性、新型を問わず効果が期待できるという。

季節性の約1100人を対象とした臨床試験の結果では、15分の点滴1回でタミフル5日分と同等の効果を示した。
糖尿病患者など重症化リスクの高い患者でも、反復投与をすることで回復期間が短縮されたというデータもあるという。

手代木社長は小児向けについても安全性や有効性を確かめる臨床試験を始めたことを明らかにし、「できれば小児の適応も承認を得た上で発売したい」との考えも示した。

現在は、スイス・ロシュのタミフルと英グラクソ・スミスクラインリレンザが抗インフル薬の中心。国産薬の開発は塩野義のほか、第一三共も今年度内に申請予定で、厚労省も通常より審査を急ぐとみられる。
また、富山化学工業も約1年遅れで別のタイプの薬の開発を進めている。
http://www.asahi.com/national/update/0929/OSK200909290116.html
出典 asahi.com2 009.9.30
版権 朝日新聞社 
<コメント>
結局は純国産ではなく米国で筋肉注射薬として開発されたものです。
ただ国内で独占的開発・販売権を取得したというだけのものです。
1回の点滴でタミフル5日分と同等の効果ということですが、はたして意味があるのでしょうか。
カプセルも飲めない重症患者はそんなにいるわけではありませんし、タミフルに勝る効果でなければ新発売の意味は見出せません。
副作用が何より心配です。
薬を飲めない重症者や感染から時間が経過した患者に効果があるようなのですが、48時間後の投与でも効果が期待できるということでしょうか。

日経新聞・朝刊 2009.10.1には
「これまでの治験でペラミビルは糖尿病や呼吸器の疾患を持つ患者にも効果を発揮しており、新型インフルエンザの重症者の治療にも使える可能性が高い」
ということが書かれています。
普通、重症化はタミフルが効果を発揮する48時間以内を過ぎた時点で起こります。
それ以内の時点での重症化の判断は困難ともいえます。
ペラミビルが発症後何時間まで効果があるのかということもポイントになります。


イメージ 1

出典 日経新聞・朝刊 2009.10.1
版権 日経新聞


新型インフルエンザ 関連サイト>
#早期にタミフルを 感染症学会が新型インフル診療指針
日本感染症学会は15日、新型インフルエンザ感染者の重症化を避けるために、持病のない成人、子どもらにもタミフルなどの抗ウイルス薬を早期に投与すべきだとする提言と診療指針をまとめた。
持病のない成人への投与は不要とする世界保健機関(WHO)の見解について、海外で死者が多数出たことから「危険」と指摘した。

提言では「新型は弱毒で季節性と変わらないので厳重な対策は緩めていい」という国内の一部意見について、「誤り」と指摘。タミフルなどの抗ウイルス薬について「診断で感染が疑われた場合は、可能な限り全患者に早期から投与すべきだ」と結論づけた。
簡易診断キットでは見逃しもあるため、仮に陰性でも症状からインフルエンザが疑われたら投与が必要と定めた。

タミフルの積極的な使用については、耐性ウイルスの発生や、10代の患者の異常行動が指摘され、慎重論もある。
しかし、提言や指針では、重症化して死亡することを防ぐことのほうが重要と結論付けた。

WHOや米疾病対策センターは持病のない患者への使用は不要としている。
感染症学会の新型インフルエンザ対策委員会座長の渡辺彰・東北大教授は「海外と比べて日本の致死率が低いのはタミフルの早期投与によるものだ。
抗インフルエンザ薬の備蓄は5千万人分以上あり、早期投与で重症化を防ぐのが一番重要」と話す。
http://www.asahi.com/health/news/OSK200909150134.html
出典 asahi.com 2009.9.30
版権 朝日新聞社 


新型インフル 発熱患者「分ける」85%
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/medi/jitsuryoku/20091005-OYT8T00826.htm?from=nwlb
<コメント>
このサイトの中に「新型インフルエンザの診療体制」を地域別に紹介しています。
入院可能な患者数、人工呼吸器での対応が可能な患者数などが医療機関別に記載されており大いに参考になります。
しかし、もしこれらの医療機関以外では対応できないということならば、これもまた大いに心配です。


<診察椅子>
当院では新型インフルエンザ患者が中学生や高校生から小学生にまで流行が拡大しています。
学校閉鎖こそありませんが、学級閉鎖や学年閉鎖は当たり前のような状況です。
そして大人の感染例もそろそろ出て来ました。

しかし私を含めて職員の誰も新型インフルエンザにはかかっていません。
近隣の開業医の先生もかかったという話は聞きません。
これはやっぱり不思議です。
診察室以上に危険な場所はないからです。
そういえば学校の先生もあまりかかりません。

短期間に集中しない程度に緩やかに感染すれば、体内に免疫ができる(不顕性感染の繰り返し)ということでしょうか。
そんなことを言っているとかかってしまうか知れませんが。

<きょうの一曲>
Nitty Gritty Dirt Band - Mr. Bojangles (STEREO)
http://www.youtube.com/watch?v=6MQYn-GvGOM&hl=ja




Mr. Bojangles original song - Mister bojangles Original by John Denver
http://www.youtube.com/watch?v=J5ikgmiQmQo&feature=related



<ミスター・ボージャングルス 関連サイト>
ミスター・ボージャングルス
http://www.eigo21.com/03/pops/73.htm#song


YouTube 動画で覚えよう英語の歌  Mr. Bojangles
http://dogaeigo.blog118.fc2.com/blog-entry-72.html

ミスター・ボージャングルは実在の人
http://www.ozsons.com/mrbojangles.htm

ミュージカル「オケピ」&ミスター・ボージャングル
http://www.aritearu.com/Life/music/Photo/AkiraFuse.html



読んでいただいて有難うございます。
コメントをお待ちしています。
井蛙内科開業医/診療録(3)
http://wellfrog3.exblog.jp/
(H20.12.11~)
井蛙内科開業医/診療録(2)
http://wellfrog2.exblog.jp/
(~H20.12.10)
井蛙内科開業医/診療録 
http://wellfrog.exblog.jp/
(~H20.5.21)
(いずれも内科専門医向けのブログです)
葦の髄から循環器の世界をのぞく
http://blog.m3.com/reed/
(循環器専門医向けのブログです)