新型インフルエンザ死亡率

新型インフル、日本の入院・死亡率は低水準 WHO報告
世界保健機関(WHO)は、世界的に流行している新型の豚インフルエンザで入院したり、死亡したりする人の割合が日本では他の国より低いと、疫学週報最新号で報告した。

北半球と南半球のそれぞれ5カ国の入院率や死亡率などを6日現在でまとめた。
人口10万人当たりの入院患者は日本が最も低い2.9人。
米国は3人で、最も高いのはアルゼンチンの24.5人だった。
人口100万人当たりの死亡者でも日本は最低の0.2人。
オーストラリアは8.6人。
最も高いのはこれもアルゼンチンで14.6人だった。

WHOの分析では、北半球は流行が始まってすぐ夏になったが、本格的な冬を迎えていた南半球の数値の方が、インフルが本来流行するときの実態に近い。
北半球が冬を迎えれば、南半球の状態に近くなるかもしれないという。

入院患者のうち妊婦が占める割合も日本(0.3%)が最低で、次いでチリが2.4%。それ以外の国は5~8.3%だった。

WHOは「新型インフルが季節性と大きく違うのは、持病がないのに重症化する人が多い点」と指摘。入院患者で持病がない人は、一番少ない米国でも27%に達し、ブラジルの79%が最高だった。

国立国際医療センターの工藤宏一郎・国際疾病センター長は「日本では発熱して具合が悪くなればすぐに医療機関を受診し、抗ウイルス薬をのむ人が多い。医療保険制度が異なる海外では、発熱だけでは受診せず、かなり重症化してから受診するケースが多いことが、死亡率が高い一因だろう」と話す。



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出典 朝日新聞・夕刊 2009.11.16
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新型インフル死者、3人中2人に持病…厚労省
厚生労働省は5日、新型インフルエンザに感染して死亡した48人中32人(67%)に、ぜんそくや糖尿病などの基礎疾患(持病)があったことを明らかにした。
持病のある人が新型にかかると、死亡する危険が高いことを裏付けた形だ。

■国内では8月15日以降、今月4日までに48人が死亡した。そのうち、60歳以上の高齢者は18人で、全員が持病を持っていた。
一方、入院患者の約8割を占める1~14歳の小児では、死者11人中8人は持病がなかった。
季節性インフルエンザでは高齢者に死者が多いが、新型では健康な小児の死亡が目立っている。

国立感染症研究所によると、7月上旬から10月25日までの患者数は推定431万人。期間中の死者は33人で、死亡率は0・001%以下にとどまる。海外に比べ死亡率が低いことについて厚労省は「医療体制が整い、患者に速やかに治療が行われるためではないか」と分析している。
出典 読売新聞 2009.11.5
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