がん検診受診率

過去2年間にがん検診を受けた人はわずか3~4割にとどまり、受診率がほとんど向上していないという記事が最近載っていました。
政府は平成24年までに受診率50%以上を目指していますが、検診を受ける習慣は浸透していないという結果でした。
がん検診について97.4%が「重要」と答えているそうですので、意識はあっても実際には検診を受けないという実態がわかりました。

当院でも受診される方の多くはリピーターで新規の検診受診者はそんなに多くはありません。
昨年度から始まった特定健診の影響があるのか、市区町村がん検診は、その後受診率が減少しているようです。


##がん受診率低調、2年内経験3~4割台 内閣府調査
内閣府が31日発表した「がん対策に関する世論調査」によると、がんの早期発見や治療のためにがん検診を「重要と思う」と答えた人が97.4%に達した。
一方、過去1、2年以内に実際にがん検診を受けた人は、検診の種類によって異なるものの、約1~4割にとどまり、2007年9月の前回調査とほぼ同じ水準となった。
 
がん検診の必要性は認めながらも、受診率の向上にはつながっていない実態を浮き彫りにした。
厚生労働省は「意識改革も含め(対策を)検討しないといけない」と、受診率向上への取り組みを強化する方針だ。
 
がん検診を種類別でみると「(過去)1、2年以内に受診」との回答が多いのは「肺がん」検診の42.4%で、前回から3.2ポイント増えた。
「大腸がん」も34.6%(前回比2.2ポイント増)、「胃がん」も38.1%(同0.6ポイント増)とそれぞれ微増した。
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20091101AT3S3003Q31102009.html
NIKKEI NET 2009.10.31


#大腸がん検診5割が受けず=改善わずか、認識と格差-内閣府調査
内閣府は31日、「がん対策に関する世論調査」を発表した。
それによると、100%に近い人が検診の重要性を認識し、がん検診の受診率は調査対象の部位すべてでわずかながら改善した。
ただ大腸がんの5割をはじめ、未受診率は依然として高く、認識との間で大きな格差があることが浮き彫りになった。
調査結果について、厚生労働省は「早期発見には検診が有効ということを、もっとPRしたい」としている。
 
調査は8月27日から9月6日まで、全国の成人男女3000人を対象に個別面接方式で実施。有効回収率は64.5%だった。
 
胃がん、肺がん、大腸がんの検診を「受けたことはない」と答えた人は、それぞれ44.0%、46.5%、51.1%で、いずれも2年前の前回調査より2~5ポイント改善した。
これに対し、国が指針で定める「1年以内の受診」があると答えたのは、28.3%~36.3%だった。
 
女性特有のがんである子宮がんと乳がんの未受診率は35.6%、47.7%で、前回比ではそれぞれ約2ポイントの低下にとどまった。
 
検診の未受診者と2年以上受けていない人に、その理由を複数回答で聞いたところ、「たまたま」が28.1%でトップ。
次いで「心配なときはいつでも受診できる」18.6%、「健康に自信があり必要性を感じない」17.6%の順だった。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200910/2009103100265
時事ドットコム 2009.10.31


<関連サイト>
ソニー損保、がん検診に関する意識調査、「がん検診は受けたことがない」女性65.8%・男性86.4%
http://www.mylifenote.net/009/658864.html

「がん検診受けたことない」女性は66%、理由は「タイミングが分からない」から
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がん検診の目的と効果
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抗加齢実践家てるの日記
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<番外編 その1>
#採血だけで消化器がん発見 金沢大教授らが判定法開発
金沢大学は19日、胃がんや大腸がん、膵臓(すいぞう)がんなど消化器のがんを採血だけで発見できる手法を開発したと発表した。
消化器がんに特徴的な遺伝子群の異常があることを見つけ、がんの有無を判定できるようにした。
従来の検査法より、がんを高率で見つけることが期待できるという。
人間ドックなどで活用することを目指す。

同大医学類の金子周一教授(消化器内科)らは、消化器がん患者に特有の遺伝子群の異常を見つけた。この遺伝子群の特徴に着目して、がん患者40人と健康な人13人の計53人の血液で調べたところ、約9割の48人でがんの有無を正しく判定できたという。
一方、「陽性」と判定した人の約1割で実際には、がんは見つからなかった。

がんを種類別に調べたところ、胃がん・大腸がん(患者40人)の7割、発見されにくい膵臓がん(28人)でも7割で判定できたという。
ただ、早期がんをどの程度、発見できるのか検証はこれからだ。

一方で、がん患者150人を対象に、がん特有のたんぱく質などから判定する一般的な腫瘍(しゅよう)マーカーの精度を検証すると、「陽性」と正しく判断できたのは2割にとどまったという。

金沢大の判定法では採血だけで3~4日で結果が出るのが利点。
特別な薬の投与も不要なうえ、X線による被曝(ひばく)も心配なく、費用もがん判定に使われる陽電子放射断層撮影(PET)検査の半額程度の10万円以下ですむという。

金沢大の研究成果を事業化する目的で設立された「キュービクス」(金沢市)が、遺伝子の異常を判定できる専用の「DNAチップ」を委託製造し、来年末にも自費診療で検査をスタートさせたいとしている。

金子教授は「今回は消化器がんで検査したが、肺がんや子宮がんにも応用可能だと思う。健康診断や人間ドックで検査することで早期発見、治療につなげたい」と話している。
http://www.asahi.com/science/update/1119/OSK200911190103.html
出典 asahi.com 2009.11.20
版権 朝日新聞社

<番外編 その2>
#乳がんマンモ検診「40代には勧めない」 米政府部会
米政府の予防医学作業部会は16日、乳房X線撮影(マンモグラフィー)による乳がん検診は40代の女性には勧められない、と勧告した。
40代ではがんの検出の精度が低く、誤った診断で不必要な組織検査を受けさせられるなどデメリットが多いことが理由。
米国と同様、40代でマンモ検診が勧められることが多い日本にも影響がありそうだ。

マンモグラフィーによる検診は乳がん早期発見の手段として使われている。
同部会は02年、40~74歳の女性で「死亡率を大きく下げる」として、大体2年に1度の定期的な検診の受診を勧告した。
しかし、その後の新しい臨床試験の結果などから、40代については十分なメリットがないと判断した。ただし50代以上には勧められるとしている。

乳腺密度が高い40代でマンモグラフィーによる診断が難しいことは、これまでも指摘されてきた。
だが今回の勧告に対し、米がん協会は「引き続き40代でのマンモ検診を勧める」との声明を発表した。
http://www.asahi.com/science/update/1117/TKY200911170352.html
出典 asahi.com 2009.11.17
版権 朝日新聞社


<番外編 その3>
新型インフル:肺でウイルス増殖確認 国立感染症研究所
国立感染症研究所は18日、新型インフルエンザによる国内死亡者の肺でウイルスが増えていたことを日本小児科学会が東京都内で開いた緊急フォーラムで明らかにした。
今回の特徴は、人型の季節性にはなく、鳥型のウイルスにみられるもので、豚から広まった新型は、両方の性質を持ち合わせていることになる。
病理解剖結果が明らかになるのは初めて。

同研究所インフルエンザウイルス研究センターによると、左下肺で最も多くのウイルスが検出された。特に肺に2種類ある細胞のうち、肺を膨らませる役割を持つ「2型」細胞に感染していた。
ウイルスが肺に感染すると体液がしみ出し、呼吸ができなくなったり、免疫が過剰反応して重症化しやすい。
出典 毎日jp 2009.11.18
版権 毎日新聞社
<コメント>
非常に興味深いニュースです。
しかし「病理解剖結果が明らかになるのは初めて」って今までの貴重な症例はどうなっていたんでしょうか?

<番外編 その4>
新型インフル:ワクチン接種後死亡10人に 新たに2件
厚生労働省は19日、新型インフルエンザのワクチン接種後の死亡報告が、新たに2件あったと発表した。死亡例はこれで計10人。
2人とも基礎疾患があった入院中の高齢者で、主治医は接種と死亡の因果関係が強く疑われるケースではないと判断しているという。

死亡したのは、慢性腎不全、心不全などを患っていた熊本県の80代男性と、慢性閉塞(へいそく)性肺疾患などがあった大分県の70代女性。
接種直後に副作用症状が出ていないことなどから、主治医は、ともに持病の悪化による死亡の可能性が高いとしている。
出典 毎日jp 2009.11.19
版権 毎日新聞社
<コメント>
この記事については昨日の私のブログ


もご覧下さい。

「主治医は接種と死亡の因果関係が強く疑われるケースではない」
「主治医は、ともに持病の悪化による死亡の可能性が高いとしている」
これって皆さんはどう思われますか?



読んでいただいて有難うございます。
コメントをお待ちしています。
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