故元韓国大統領が眼瞼下垂の手術をしたことは記憶に新しいところです。
目的が医学的な問題だったのか美容のためだったのかはっきりしません。
目的が医学的な問題だったのか美容のためだったのかはっきりしません。
当院の患者さんにも、物が見にくいということで大学病院の形成外科を紹介したことがありました。
きょうはこの「眼瞼下垂」を取り上げてみました。
人間は目を開けようとするとき、まぶたを引き上げる筋肉が縮み、その力が腱膜を通じて、まぶたの中にある瞼板とよばれる軟骨のような組織に伝わり、自然にまぶたが上がるようになっています。
#眼瞼下垂はどんな病気か
まぶたが上がりにくい(眼が十分開きにくい)状態です。
先天的理由、後天的理由(眼筋疾患・加齢・コンタクトレンズ装用等)により、上眼瞼(上まぶた)の機能に障害が生じ、瞼が開きづらくなる疾病の一つです。
まぶたが上がりにくい(眼が十分開きにくい)状態です。
先天的理由、後天的理由(眼筋疾患・加齢・コンタクトレンズ装用等)により、上眼瞼(上まぶた)の機能に障害が生じ、瞼が開きづらくなる疾病の一つです。
#原因は何か
まぶたを上げるのは、眼瞼挙筋(がんけんきょきん)という筋肉です。
その筋肉を動かすのは動眼(どうがん)神経という神経です。
この筋肉または神経の異常で眼瞼下垂が起こります。
瞼板と腱膜の接続部分がはずれたり、腱膜自体が伸びてしまうことで、筋肉の力が瞼板に伝わりにくくなり、まぶたをうまく持ち上げることができなくなります。
これら以外で眼が開きにくい状態を偽眼瞼下垂といい、まぶたの皮膚の弛緩(たるみ)、病的な眼球の縮小(先天性小眼球)・萎縮(眼球癆(がんきゅうろう):失明した眼球が小さくなった状態)などで起こります。
まぶたを上げるのは、眼瞼挙筋(がんけんきょきん)という筋肉です。
その筋肉を動かすのは動眼(どうがん)神経という神経です。
この筋肉または神経の異常で眼瞼下垂が起こります。
瞼板と腱膜の接続部分がはずれたり、腱膜自体が伸びてしまうことで、筋肉の力が瞼板に伝わりにくくなり、まぶたをうまく持ち上げることができなくなります。
これら以外で眼が開きにくい状態を偽眼瞼下垂といい、まぶたの皮膚の弛緩(たるみ)、病的な眼球の縮小(先天性小眼球)・萎縮(眼球癆(がんきゅうろう):失明した眼球が小さくなった状態)などで起こります。
#症状の現れ方
先天性のものが最も多く、普通は眼瞼挙筋の形成不全で起こります。
片眼性のことが多いものの、両眼性もみられます。遺伝することもしばしばです。
後天性では、加齢により徐々に起こる眼瞼下垂をよくみます。
眼瞼挙筋の筋力の低下によるもので、いわゆる「年をとって眼が細くなる、開きにくくなる」というもののひとつです。
ある程度以上の下垂があると、視界が制限されて物を見る時、あごを上げる姿勢をとります。
そのために頭痛や肩こりを併発することがあります。
また、まぶたをより上げようとするため、額にしわが寄ったり、眉毛が上がったりします。
成人で疲労によって眼瞼下垂が起こる時は、重症筋無力症という病気が疑われます。
そのほか、筋強直性ジストロフィー、眼科手術後に起こるもの、脳梗塞などのあとに起こるもの、脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう)による神経の圧迫で起こるものなどいろいろです。
時には、コンタクトレンズの長期装用者に眼瞼下垂が起こることもあります。
また、眼瞼下垂とともに複視(物が二重に見える)を発症することもあります。
これは眼球を動かす筋肉または神経が同時に異常を起こした場合に生じます。
先天性のものが最も多く、普通は眼瞼挙筋の形成不全で起こります。
片眼性のことが多いものの、両眼性もみられます。遺伝することもしばしばです。
後天性では、加齢により徐々に起こる眼瞼下垂をよくみます。
眼瞼挙筋の筋力の低下によるもので、いわゆる「年をとって眼が細くなる、開きにくくなる」というもののひとつです。
ある程度以上の下垂があると、視界が制限されて物を見る時、あごを上げる姿勢をとります。
そのために頭痛や肩こりを併発することがあります。
また、まぶたをより上げようとするため、額にしわが寄ったり、眉毛が上がったりします。
成人で疲労によって眼瞼下垂が起こる時は、重症筋無力症という病気が疑われます。
そのほか、筋強直性ジストロフィー、眼科手術後に起こるもの、脳梗塞などのあとに起こるもの、脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう)による神経の圧迫で起こるものなどいろいろです。
時には、コンタクトレンズの長期装用者に眼瞼下垂が起こることもあります。
また、眼瞼下垂とともに複視(物が二重に見える)を発症することもあります。
これは眼球を動かす筋肉または神経が同時に異常を起こした場合に生じます。
さらには「老けて見える」という外見上の問題もあります。
#検査と診断
眼瞼下垂は多くの原因で起こります。
先天性でも、複雑な神経の異常で起こる場合もあります。
後天性では、何かのきっかけがあったか、複視があるか、疲労と関係があるかなどが診断の手助けとなります。
疲労と関係があり、重症筋無力症が疑われる場合は、特殊な薬物(抗コリンエステラーゼ)を検査に用います。
眼瞼下垂は多くの原因で起こります。
先天性でも、複雑な神経の異常で起こる場合もあります。
後天性では、何かのきっかけがあったか、複視があるか、疲労と関係があるかなどが診断の手助けとなります。
疲労と関係があり、重症筋無力症が疑われる場合は、特殊な薬物(抗コリンエステラーゼ)を検査に用います。
眼瞼下垂である可能性が高い事例として、
(1)急に額のしわが気になりだした
(額のしわと眼瞼下垂は関係ないように思えますが、眼瞼下垂の人はまぶたを開けようとして額に力を入れるため、額にしわが寄りやすいといわれます)
(2)ハードコンタクトレンズを長年使用している
(まぶたをひっぱるなど物理的刺激を与える頻度が高いためと考えられています)
(3)花粉症などで目を強くこする癖がある
-などがあげられます。
(1)急に額のしわが気になりだした
(額のしわと眼瞼下垂は関係ないように思えますが、眼瞼下垂の人はまぶたを開けようとして額に力を入れるため、額にしわが寄りやすいといわれます)
(2)ハードコンタクトレンズを長年使用している
(まぶたをひっぱるなど物理的刺激を与える頻度が高いためと考えられています)
(3)花粉症などで目を強くこする癖がある
-などがあげられます。
#治療の方法
最も多い先天性眼瞼下垂では手術が主体です。
重症の下垂では視力の発達が阻害されることもあり、早期の手術が必要な場合もあります。
そのほかのものは、症状の程度により手術するかどうか決定します。
眼科手術後や脳梗塞後に起きたものは、自然に回復することも多いので数カ月様子をみます。
重症筋無力症では薬物療法が主体です。
最も多い先天性眼瞼下垂では手術が主体です。
重症の下垂では視力の発達が阻害されることもあり、早期の手術が必要な場合もあります。
そのほかのものは、症状の程度により手術するかどうか決定します。
眼科手術後や脳梗塞後に起きたものは、自然に回復することも多いので数カ月様子をみます。
重症筋無力症では薬物療法が主体です。
#眼瞼下垂に気づいたらどうする
原因により治療法や予後が異なるので、専門医を受診してください。とくに急性に起こった場合では、脳動脈瘤が原因のこともあり、早期の脳外科手術が必要となる場合もあります。
眼瞼下垂症と診断された場合は保険適用で手術ができます。
ただし、眼瞼下垂症とは異なる美容目的の場合は保険適用外になります。
このあたりの線引きも難しいところです。
原因により治療法や予後が異なるので、専門医を受診してください。とくに急性に起こった場合では、脳動脈瘤が原因のこともあり、早期の脳外科手術が必要となる場合もあります。
眼瞼下垂症と診断された場合は保険適用で手術ができます。
ただし、眼瞼下垂症とは異なる美容目的の場合は保険適用外になります。
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読んでいただいて有難うございます。
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