有酸素運動

たくさんのダイエット法が紹介されていて、一体どれがいいのか分からなくなってしまいます。
ダイエットを確実に成功させるために、本当に必要なものは何でしょうか?
それはは「継続できること」です。
現実的に毎日気軽にできるのは、ジョギングとウォーキングということになります。
しかし、最初の15分間で体が温まり、後半の15分間でカロリーが燃焼するため30分の早歩き。
忙しい毎日の中で、実際にはなかなか続けることは難しいですね。
自宅にランニング・マシーンを置いてテレビを見ながらという方法もあります。


さて、筋肉には2つの「力」があります。
それは「瞬発力」と「持久力」で、有酸素運動とは「持久力」をつけることです。
具体的には、階段をダッシュでかけあがる運動が瞬発力で、3キロをジョギングする運動が持久力(有酸素運動)になります。

きょうは「有酸素運動」をとりあげてみました。



無酸素運動有酸素運動
運動の強さを次第に増し、ある限度を越えると、肺から取り込んだ酸素の供給だけでは追いつかなくなり、無酸素下でエネルギーを作る状態へと変わります。
年齢にもよりますが、脈拍が1分間に110~120を越えると無酸素運動になります。
重量挙げ、懸垂(けんすい)、腕立て伏せ、短距離全力疾走などは、酸素を取り込まずに行われるので「無酸素運動」と呼ばれ、心臓にも負担をかけるので好ましくありません。
また息をとめて力むような運動も極端な血圧の上昇を招き、心臓や血管の負荷になります。

有酸素運動」とはウオーキング(速歩)、ジョギング、サイクリング、水中運動等であり、運動の強さは、自分の能力の5割程度、つまり、軽く汗ばむ程度がよいとされています。
脈拍が1分間に110~120を越えない程度が目安ですが、循環器疾患等をお持ちの方は、主治医と相談して下さい。

有酸素運動の効果
有酸素運動により心肺の機能が強化され、末梢の血液循環は改善し、代謝もよくなって、中性脂肪値が下がり、善玉コレステロール値(HDL-C)は上がってきます。
運動には、高脂血症、高血圧、糖尿病などの危険因子の予防・治療効果のほか、持久力をつけ、ストレスを解消するといった効果もあります。

激しい運動をした方が早くやせるように勘違いしがちですが、激しい運動よりも軽い運動の方が有酸素運動を効率的に行い、同じ時間で脂肪燃焼量が多くなります。
さらに、脂肪が燃焼を始めるには20分程度の時間が必要ですので、それ以上運動をしないと脂肪燃焼効果はありません。
心拍数が1分間110~120回を目安として、しだいに増やしていきます。
効果が出るのには3ヶ月以上の継続が必要です。

有酸素運動の目標
具体的な例として、万歩計をつけ1日1万歩歩く(ウォーキング)、ひざなどに障害がある人ではプールでの水中歩行や自転車こぎなどの運動を行うことです。
現代人のライフスタイルでは、消費するエネルギーよりも、食べるエネルギーが約300kcal(キロカロリー)位多いとされ、300kcalを消費しようとすると約1万歩になります。


有酸素運動の要点
頻度:
有酸素運動を週に3回以上(脂肪を効果的に燃焼)、合計1000から1500kcalを目標。

継続時間:
有酸素運動を20分以上 続ける(45分以上続ければ効果的)。

強度:
脈拍は1分間110~120回を限度、循環器病をお持ちの方は主治医と相談。

時間帯:
運動する時間は食後1時間以後。早朝に血圧が高い方や、狭心症などがおきやすい方は早朝の運動は避け、やむを得ない場合でも起床して1時間以上たってから、準備運動を十分にしてからにしましょう。

水分補給:
汗をかいたら水分を補給、ただしスポーツドリンクには糖分の多いものがあるので注意。

体調:
天候や体調が悪いときは無理せず休養する。息切れ、むくみ、胸痛、不整脈などが出た時には運動を休み、すぐ主治医に相談。






<参考および引用サイト>
有酸素運動
http://www.gik.gr.jp/~skj/lifestyle/aerobics.php3
(札幌厚生病院循環器科のサイトです。300kcalの運動と食事の目安が紹介されています。たとえばゴルフ1ラウンドとビール中ジョッキ2杯が同じであることがわかります。)






有酸素運動
http://www.kenkodiet.jp/ex_oxygen.html
(室内で簡単に出来る有酸素運動がイラストつきで紹介されています)








イメージ 1


浮田克躬 「ピアリッツ海岸」 SM
http://www.nichido-garo.co.jp/exhibition/2009/12/48.html




読んでいただいて有難うございます。
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