がん予防とサプリメント

サプリメントブームです。
サプリメントはがん治療に役立つのか、それとも逆効果なのか。
一般的に、酸化は生活習慣病・ガン・老化などにつながったり、活性酵素はがん細胞を作るなどと言われています。
しかし、抗酸化作用サプリメントに共通する懸念として、がん治療の効果を減らしてしまう可能性が示唆されているのです。

抗酸化作用はいくつものメカニズムを介してフリーラジカルの酸化ダメージから細胞を守る働きがあります。
抗酸化作用とは反対に、活性酸素(ROS)はその酸化作用により、細胞にダメージを与えたりするために、一般的に悪者扱いをされています。
しかし、活性酸素には、有害になった細胞が自らを積極的に消滅すること(アポトーシス)を促したりする働きなどもあるのです。

放射線療法や化学療法では、活性酸素がこのアポトーシスを促し、がん細胞を破壊するメカニズムが使われています。
したがって、抗酸化作用のあるサプリメントは、理論的には逆にがんの腫瘍を守ってしまう可能性があります。
この分野については、まだはっきりしていないことも多く、研究が続けられているところですが、サプリメントの摂取量と種類に注意する必要があります。

がん治療中のビタミンA、ベータカロチンイソフラボンの摂取は注意したほうがよいという研究も発表されています。
ビタミンC、ビタミンEは取りすぎなければ大丈夫だという見方が強いようです。
しかし、血小板が減少している場合や、抗凝固剤の薬を使用している場合は注意が必要だとされています。





<参考および引用サイト>
がん治療:サプリメントはどう使えばいい?
http://allabout.co.jp/gs/medicalfood/closeup/CU20080928B/


イメージ 1

(画像をクリックすると大きくなります)
出典 朝日新聞・朝刊 2010.2.1
版権 朝日新聞社
<コメント>
情緒的に流れるのではなく、サプリメントは効果がないという科学的結果を謙虚に受け止めるべきかも知れません。




#コメント
サイトで「がん予防とサプリメント」を検索しても、多くはサプリメントを販売するためのサプリを賛美する内容になっています。
この点は十分注意する必要がありそうです。



読んでいただいて有難うございます。
コメントをお待ちしています。
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