代替医療の実態を調査 厚労省、効果などデータ収集も

皆さん方もご存知のように「ホメオパシー療法」が袋叩きにあっています。
この療法については

ホメオパシー療法:「科学的根拠なし」学術会議会長
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/archive/2010/8/28

でもとりあげました。

この騒動(?)で「ホメオパシー療法」という言葉を初めて耳にされた方も多いのではないでしょうか。
ところで、学術会議会長(個人的談話なのか「学術会議」の統一見解なのか今一つはっきりしない)は「代替医療」そのものについては触れていません。
ずるいといえばそうなんでしょうが、「ホメオパシー療法」という各論だけに触れるのも問題ではないでしょうか。
「火だけつけた」という印象を免れ得ません。

さて、「代替医療の実態を調査」という本丸攻めの動きも出て来ました。
私自身はというと、医師法違反の可能性とか、確立された(西洋)医療を受療する機会を失うといった観点からは問題があるとは思います。
しかし、一部の医師が行っている(一部の病気に対する)漢方療法や(効果が不明な病態に対する)理学療法も槍玉に上げなければ公平性にかけるというスタンスです。
熱しやすく冷めやすいというのは日本人の悪いクセです。
「一億総○○」にならないように、関係者はあくまでも冷静さを保っていただきたいと思います。



代替医療の実態を調査 厚労省、効果などデータ収集も

厚生労働省は欧州などで広がり国内でも利用者が増えている「ホメオパシー」を含む代替医療について、国内外の利用実態調査に乗り出す。
漢方や針きゅうも含め幅広く調べる。
専門家による研究班を月内に発足、効果の科学的な根拠などに関するデータも収集する。
通常の医療に効果的に代替医療を組み合わせる方法を探る参考にする。

ホメオパシーは鉱物や植物成分を極限まで薄めた水を砂糖玉に染み込ませて飲むことで、病気を治療できるとする方法。
日本学術会議が科学的根拠がないとする金沢一郎会長の談話を出した。
ほかにも様々な代替医療が知られ、効果があると考えられているものもあるが、実態はよくわかっていない。

そこで、厚労省聖路加国際病院福井次矢院長を主任研究者とする研究班を設置、来年3月まで調査する。研究費は1千2百万円。
医療機関や家庭での代替医療の利用実態を把握し、研究論文などをもとに効果の有無に関する科学的根拠(エビデンス)を集める。

出典 日経新聞・朝刊 2010.8.26
版権 日経新聞


代替医療 関連>
[PDF] 場O-3.欧州における代替医療実態調査
http://www.iftech.or.jp/publicity/h21annualreport/h21_63.pdf
ドイツ
■医師以外にも「治療師」という職種が存在し、彼らの多くが、ホメオパシーや植物療法、鍼灸治療などを行うことが法的に認められている。
このような職種は、EU 域内ではドイツにしか存在していない。
■国民の5%の男性(9%の女性)がこうした治療師の治療を受けている。

オーストリア
■この国の特徴は、ホメオパシーなどの代替医療が公的保険制度の給付対象となっているということである。
■2001 年だけでみてみると50%以上の国民がこうした補完療法(ホメオパシー又は人智医学)を何らかの形で利用しているという調査結果もある。
なお、オーストリアでは、ホメオパシーに従事するのは医師のみであり、いかなる補完的な職業もホメオパシーを含めた医療行為を施すことは厳しく規制されている。

スウェーデンストックホルム
■この国の相補・代替医療利用率は高いことが報告されている。
スカンジナビア諸国を横断した電話調査の結果によれば、ノルウェーでの相補・代替医療利用率が34%、デンマークで45%であったのに対し、ストックホルムでは49%もの人が相補・代替医療を利用していると答えたと報告されている。
様々にある相補・代替医療の中でも、ストックホルムで最も人々が活用しているのはマッサージで、これは、ノルウェーホメオパシーデンマークではリフレクソロジーが一番であったのに対し、特徴的である。
スウェーデンマッサージ
②高齢者ケアセンターでのタクティールマッサージ
タクティールマッサージは認知症へのケアを中心に、スウェーデンの医療・福祉現場で近年積極的に取り入れられ、効果をあげているものである。
指圧等の押すようなマッサージではなく、触れるようなやさしい刺激によるコミュニケーションに重点をおいた施術である。
皮膚の接触受容体を活性化し、それが痛覚受容体よりも早く脳に信号が送られることにより痛みが抑制される。
また、体全体に沈静化の作用をもたらし安心感をもたらすオキシトシンの分泌を促す効果があり、不安等にも大きな効果がある。
静かな環境で会話も控え、皮膚と皮膚のコミュニケーションを大切にして行われる。
タクティールマッサージを導入することで、高齢者の精神状態が改善し不穏行動も少なくなることで、高齢者へのケアの質としても好ましく、ケアワーカーの負担も減ったという。


研究費は、泥棒に追い銭・厚労省代替医療研究班
http://d.hatena.ne.jp/hottokei/20100826/p1
(私的コメント;かなり辛口の内容となっていますが内容はしっかりしています)



<きょうの一曲> この素晴らしき世界
What A Wonderful World- Louis Armstrong - Binaca (Breath Spray) Music Videos
http://www.youtube.com/watch?v=ZQckLuSOwnM&feature=related

What A Wonderful World(歌詞)
http://htrjazz.hp.infoseek.co.jp/lyrics/8.htm


<自遊時間> 意外な一面
プロレス通の原監督も絶句…小鉄さん悼む
http://www.sanspo.com/fight/news/100830/fga1008301120002-n1.htm
■鬼軍曹急死!! 元プロレスラーで新日本プロレス顧問の山本小鉄さんが28日、低酸素脳症のため死去した。
68歳だった。 
■球界屈指のプロレス通で知られる巨人・原辰徳監督(52)は突然の悲報に驚きの表情を浮かべた。
悲報を聞くと「えっ!?」と絶句。
「まだ、お若かったのに…。面識はないですが(山本氏といえば)ヤマハ・ブラザーズですよ」とかつて、山本氏が星野勘太郎と組んだタッグの愛称を口にして故人を悼んだ。


原監督ってプロレス通だったんですね。
長嶋一茂のK1通とは、世代ギャップが感じられて面白い。
原監督もああみえても体育会系なんですね。
(当たり前?)
巨人ファンではありませんが(むしろライバル球団のファン)、原監督が好きになってしまいそうな自分が怖い。
実は大昔は大の巨人ファンでした。(ねじれ)



読んでいただいて有難うございます。
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