寝違え

寝違え、春にご用心 3~4月は飲み会多く発生集中

寝る前は何ともなかったのに、朝起きた時に首や肩に鋭い痛みが走り、動きがままならなくなる「寝違え」。
実は送別会や歓迎会が重なる春先は、発生が集中する季節だという。
1週間ほど安静にしていれば自然に回復するが、普段から首や肩の凝りを和らげておくと予防になる。
長引く場合は、整形外科医などに相談するといい。

寝違えは、起床時に起きる頸部や肩甲骨周辺部の急性の痛みを指す。
地域によって「寝違い」や「寝たがえ」ともいう。
頭を傾けなくなったり振り向けなくなったりと、症状は様々だが、動きがぎこちなくなり、関節の動く範囲が狭まる点は同じだ。
日本大学医学部麻酔科の小川節郎教授は「分かりやすくいえば、就寝時のねんざと同じ」と、解説する。

イメージ 1



熟睡時に余分な力
熟睡している時は、筋肉が緩み、不自然な姿勢のままでもすぐに戻らず、筋肉や腱が長時間伸びたままになりやすい。
頸椎や背骨にも余分な力がかかる。血行の不良や神経を傷めて炎症を起こし、寝違えを発症すると考えられている。

男女を問わず幅広い年齢層で起こす恐れがある。
和歌山県立医科大学の川上守教授らが2007年、20~80歳代の男女50人に寝違えに関する意識調査をしたところ、90%が「経験したことがある」と答えた。
寝違えと無縁にみえるプロのスポーツ選手やボディービルで筋肉隆々の人でも、避けられない。

イメージ 2



飲酒後、深夜に帰宅し、そのまま布団にうつぶせで寝てしまう――。
寝違えを起こしやすい行動パターンだ。

明確な統計データはないが、3~4月は12月と並んで寝違えを起こす人が多いようだ。
飲み会が続く季節は、寝違えの患者が増える。
泥酔状態だと寝返りも少なく、頭が枕から落ちても気付かないから要注意だ。


痛み引いたら温め
寝違えを起こしたら、どう対処するか。激しく痛むときは、安静にするのが一番。
川上教授らの調査でも「湿布などをして自分で治すか放置する」と回答する人が、84%と圧倒的多数だった。

湿布は、冷やすのか温めるのか、一時議論が分かれていたが、最近は「最初は冷やすのが一般的。24時間後あるいは痛みが軽くなってからは温めるのが基本」(日大の小川教授)になっている。

まず、冷やして炎症を抑える。
冷やし方も、氷のうやアイスパックを患部にずっと当てるのではなく、「10分間当てて、10分間外す。これを3回ほど繰り返す」のが無難だ。
初期の痛みを軽くした後は、筋肉の緊張を和らげるうえでも血行をよくする温かい湿布の方が適切だという。

自分勝手に首や肩を動かして治そうとすると、痛みが激しくなる恐れがある。
専門家との問診を通じて、適切な施術を見つけてもらう方がよい。
1週間に2~3回通院すれば、だいたい痛みは消える。

枕、メーカーが相談
日ごろから、首から肩、背中にかけての筋肉の緊張具合に、注意を払っておくことも大切だ。
デスクワークで背中を丸め、情報端末に向けて顔を突き出す姿勢は最悪といわれる。
手首が浮いた状態も肩に負担が大きい。筋肉の緊張が続くと、寝違えを起こしやすくなる。

首や肩を時々回し、突っ張りを感じたらストレッチなどで緊張をほぐす。
入浴後は、体が冷える前に必ず就寝するのがよい。

枕の高さや柔らかさ、ベッドならマットレスの沈み具合なども寝違えの発症と関係が深いとされる。
小川教授は「首を守るため、特に枕を合わせることが重要だ」と強調する。
大手の寝具メーカーなどが相談にのってくれるので、利用を勧めている。

痛みが治まればよいが、ごくまれに長く続く場合がある。
そんなときは「放っておけば治る」と軽くみないで、整形外科や麻酔科・ペインクリニックなどの医師に診てもらった方がよい。

関節や筋肉に別の痛む原因が潜んでいる可能性や、件数は少ないものの、感染症やがんなどによって似たような痛みが引き起こされるケースもあるためだ。

痛みを和らげる薬剤を処方してもらい、エックス線撮影などの検査を受けて本当の原因を突き止めて治療しなければいけない。 (編集委員 永田好生)

出典 日経新聞 Web刊 2012.3.18(一部改変)
版権 日経新聞

<私的コメント>
10年前の新聞に「松井寝違え イチロー手応え」という記事が出ていました。

イメージ 4

「首を寝違えてオープン戦を欠場し、会見する松井」(朝日新聞・夕刊 2003.3.12)


<自遊時間>
昨日はエイプリルフール。
個人的には、日々の生活に追われて、ここ数年はこの日を「有効に活用」出来ていません。
ツイッター関係は盛り上がったようです。

NHKと民放に驚愕ニュース
http://www.j-cast.com/2012/04/01127382.html

イメージ 3


ルイ・ヴィトン ワイキキ店(カラカウア通り)
http://www.hawaii-arukikata.com/style/2004/vuitton.html
現地時間 2012.3.20 21:53 撮影
(ハワイだけで6つの直営店があるようです)


読んでいただいて有り難うございます。
コメントをお待ちしています。

他に
井蛙内科開業医/診療録(4)
http://wellfrog4.exblog.jp/
(H21.10.16~)
井蛙内科開業医/診療録(3)
http://wellfrog3.exblog.jp/
(H20.12.11~)
井蛙内科開業医/診療録(2)
http://wellfrog2.exblog.jp/
(H20.5.22~)
井蛙内科開業医/診療録 
http://wellfrog.exblog.jp/
(H19.8.3~)
(いずれも内科専門医向けのブログ)
「井蛙」内科メモ帖
http://harrison-cecil.blog.so-net.ne.jp/
(「井蛙内科開業医/診療録」の補遺版)
葦の髄から循環器の世界をのぞく
http://blog.m3.com/reed/
(循環器専門医向けのブログ)
「葦の髄」メモ帖
http://yaplog.jp/hurst/
(「葦の髄から循環器の世界をのぞく」の補遺版)
があります。