メラノーマ

ほくろと間違えやすい皮膚がん


皮膚にある色素細胞(メラノサイト)ががん化したのがメラノーマ。
30歳以降にできることが多い。
日本では年に約2千人が発症し、約500人が亡くなる。

■患者の半数は、足の裏や手のひら、手足の爪にできる。
摩擦や力がかかる部分が多い。
急に激しく日焼けした部分や、慢性的に日焼けしてきた顔や首などにできるものは紫外線の影響が考えられる。

■メラノーマも黒や茶褐色の色がついているため、しみ(色素斑〈はん〉)やほくろ(色素細胞母斑〈ぼはん〉)と間違われやすい。

■メラノーマの特徴は、形や色が不規則で、変化すること。
直径6ミリを超えても大きくなり続ける。ほくろはふつう4ミリ以下だ。
大人になってからできた色素斑が、半年から1年で大きくなった。
こんなときはすぐに検査を受けるべきだ。

■年に1~2回、色素斑の変化がないかチェックするとよい。
自分で見えない頭皮や背中は、家族同士で調べる。

■ほくろの細胞は普通はメラノーマに変化しない。
ただ、ほくろと思っていたのが実はメラノーマだったということは当然ある。

■ダーモスコピー(拡大鏡を使った検査)で、メラノーマとほくろとを正確に見分けることができる。

■メラノーマは手術でとるのが一般的。
体票から1~2ミリの表皮にとどまっていれば、がん細胞を完全に除去することができる。
しかし、がんの厚さが4ミリを超え、血管やリンパ管がある真皮に食い込むと、転移の可能性が高い。

■股の付け根やわきの下のリンパ節に転移すると、ぐりぐりが出来る。
その場合は周辺のリンパ節も全部取る。
その場合には、周辺のリンパ液が循環しなくなり、手足がむくんだり痛んだり、といった後遺症が出る。

■最近は、最初にがんが転移する「センチネルリンパ節」にがん細胞があるかどうか調べる検査が普及している。
ここに転移がなければリンパ節は切除せず、後遺症を防ぐことが出来る。

イメージ 1



出典 朝日新聞・デジタル 2013.9.5
版権 朝日新聞社