便秘 下剤飲み続けは逆効果

便秘解消はマッサージや生活改善で 下剤飲み続けは逆効果

便秘に悩み、市販の便秘薬や下剤に頼っている人も多いはず。
しかし、食事や生活習慣を見直し、運動やマッサージをすることで多くは改善出来るようだ。

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便秘は一般的に3日以上排便が無かったり、1日の便の量が35g以下だったりする状態を言う。
2010年の国民生活基礎調査によると、便秘の人は男性で2.4%、女性では5%。高齢になるほど増える。

便が出ないことが気になって、仕事が手につかなくなってしまうなど生活に支障が出る人もいる。

便を肛門まで押し出す腸の動きは自律神経によってコントロールされている。
ストレスや睡眠不足などで、自律神経が乱れ副交感神経の機能が低下すると腸の働きが弱まり、便秘になりやすくなる。

また排便を我慢することを繰り返すと直腸の反応が鈍くなり、便がたくさんたまらないと便意を感じなくなってしまう。

便を出したいからと、長い期間下剤を飲み続けることも逆効果。
腸に炎症が起こり、働きが鈍ってしまう。
ダイエットの目的で下剤を飲んで、便秘になる女性も多いという。

毎日排便しないといけないと考えている人がいるが、3日に1回排便出来ていれば問題ない。

下剤に頼らず、食事や生活習慣を見直すことで便秘の多くは改善する。

食物繊維や水分をバランス良く摂ると、便のかさが増えたり、軟らかくなったりして出やすくなる。
食物繊維は1日20gほどが目安で、野菜や豆類の他、わかめなどの回想、こんにゃくに多く含まれる。

規則正しい生活を心がけ、自律神経のバランスを整える。
朝起きてまず水を飲むと、腸の働きが活発になる。
排便を習慣づけるため、便が出なくても毎朝トイレに行くことも大事だ。

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マッサージや運動も効果がある。

日本人は腸がねじれている人が多い。
その場合は便が通りやすいようにおなかを押したり、ひねったりするマッサージが効果がある。

マッサージは仰向けに寝た状態で左腹部と下腹部をそれぞれ両手で挟み、指で小刻みにおなかが少し凹む程度、とんとんと交互に押す。
次に両足を肩幅くらいに広げて立ち、両手を広げて状態をひねる。
これらをそれぞれ1分間ずつ行う。

ゴルフやテニス、ラジオ体操など体をひねる運動も効果的。

運動していない人は、定期的に運動する人に比べて3倍以上便秘になりやすいとの報告もある。
 
便秘に加えて発熱や血便、痩せてくるなどの症状がある場合は注意が必要。
がん等のおそれもあるので病院で検査を受けた方がいい。 

 
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参考
朝日新聞・朝刊 2014.8.30


私的コメント
下剤がどのように働くかを考慮すれば、便の硬さに応じて調整すべきであることが分かります。
つまり、硬ければ下剤を増やし、軟らかければ減らすといった方法です。
通常は『◯日排便がなければ下剤を使う』など、便の回数に応じた下剤の使用法が一般的です。
そのため、錠剤より粉末や液体の下剤(緩下剤)の方が微調整に適しているといえます。
もちろん便が出ていれば、あえて変更する必要はありません。
下剤を使ってもうまく便が出ない場合には、排便日誌のようなものをつけることも改善の一つです。
排便日誌には、便が出た時間と量、さらに、できれば形状を記録します。
加えて、下剤を飲んだ場合は、何時に何をどれくらい飲んだかの記載も必要です。
これを最低2週間から1カ月続け、その記録をもとに下剤調整を行います。
下剤には「緩下剤(塩類下剤)」と「刺激性下剤」の2種類があることを知っておく必要があります。
例えば、酸化マグネシウムは塩類下剤とも呼ばれ、大腸における水分の吸収を抑制する。
つまり、便に含まれる水分が多くなるため、軟らかくする作用がある。
一方の刺激性下剤は、大腸のぜん動運動を活発にさせ、腸の内容物の移動を促します。
後者は軟便でも排便させる腸の動きが弱い場合に適します。
このタイプの便秘は、結腸性便秘または弛緩性便秘といい、胃・結腸反射(胃に食物が入ると反射的に大腸の動きがよくなること。この大腸の動きを蠕動といいます)が弱いことが原因となることもあります。


 
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            長野県・富士見高原 花の里  2016.8.12撮影