職場での臭い、これでスッキリ

汗や食べ物・たばこ・香水 職場でぷ~ん、これでスッキリ

気になるミドル脂臭 → 後頭部よく洗う 本人に言いにくい → 全員に注意喚起
汗や食べ物、香水、たばこなど人が発する様々なにおい。
限度を超えるものは職場で問題になりかねない。
難しいのは、においはデリケートな問題も含むだけに、気にはなっても相手に直接言いにくいこと。
スマートな解決策を探った。

「自分の発するにおいを気に掛けるのは立派なビジネスマナー」。
あるマナーコンサルタントはこう強調する。
ビジネスマナー研修では、必ずにおいの問題に触れるという。
 
このコンサルタントは、契約企業の社員からの様々な相談にも乗っているが、最近は、たばこや他人が食べている食べ物、香り付き柔軟剤のにおいなど、においに関する相談も目立つという。
 
ある男性用化粧品大手企業は3年前から企業向けに「においケアセミナー」を開いているが、参加企業が延べ50社に達するなど、関心が高い。
 
同社が5月に25~49歳の働く男女それぞれ約500人に聞いたところ、「嫌だ」と感じる職場のにおいのトップ3は、体臭、口臭、たばこだった。
 
においで周囲に迷惑を掛けることを「スメハラ(スメルハラスメント)」と呼ぶなど、におい問題に対する意識は年々高まっている。
だが、においはもともとの体質が原因のこともあるなどデリケートな問題を含むだけに、正面から取り上げにくい。
かといって、放置すれば職場のストレスは高まりかねない。
 
まず、人は皆においを出す存在と認識し、正しい知識を身に付けて自分のにおいを適切にケアすれば、問題の相当部分は解決する。
 
例えば、「加齢臭」や「ミドル脂臭」は、体の特定の部分から分泌された汗や皮脂などが、皮膚表面の常在菌の働きや酸化によって嫌なにおいに変化したもの。
毎日欠かさず風呂に入るなどして体を清潔に保てば、かなり改善するという。

ミドル脂臭は後頭部が発生源。
シャンプーする時に襟足から後頭部にかけて入念に洗えばにおいの発生はかなり抑えられるが、実際には洗い方が不十分な人が多いという。
 
洗髪は夜より朝する方がより効果的。
寝汗の影響でにおいが強まるからだ。
昼間、オフィスや外出先で気になるようなら、市販のボディーシートで体をこまめに拭くのも有効という。
 
消臭機能付きの下着もある。
スポーツウエア大手のゴールドウインは、特殊な繊維で汗のにおいや加齢臭などを吸収する肌着「MXP」を販売。
幅広い年齢層に人気だ。
 
においを隠すために香水を使う人もいるが、強力な香水は逆に周りの迷惑になることもある。
 
自分のにおいは自分ではなかなか気付かない。
確かめるには、家族や親しい友人の助けを借りるとよい。

家で妻に『最近、僕の体、変なにおいしない?』などと単刀直入に聞けば、妻は率直に答えてくれるはず。一人暮らしの人は、仲の良い友人に聞いてみる。
 
人に聞くのが嫌なら最新技術に頼るのも一手。
コニカミノルタは汗臭、加齢臭、ミドル脂臭を簡単に測定できるスマートフォンサイズの機器をインターネットを通じて先行予約販売している。
 
他人が食べている弁当や菓子などのにおいも、仕事のじゃまになるとして嫌う人が多い。
 
一番は、人のそばで食べないこと。
コミュニケーションも重要だ。
例えば、「お腹ペコペコだから、少しにおうかもしれないけど、ごめんね」と一声掛けるだけで、全然違う。
職場で起きる他の多くの問題同様、においが原因のギクシャクした雰囲気も、コミュニケーションを上手にとることで改善できる場合が多い。
 
限度を超えるにおいを発する人に周りの迷惑を気付かせるにはどうすればよいか。
 
その際には直接言うと相手を傷つけたり角が立ったりするので、根回しし、職場会議などで、全員への注意喚起として取り上げるのがいい。
その場合も、非難調ではなく当事者を気遣う言葉使いが欠かせない。
 
マナーの要諦は、常に相手の立場に立ち、相手を不快にさせない、逆に気持ちよくさせること。
においのマナーに関しても、職場全員がそうした気持ちを持つことが大切だ。

 
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参考・引用
日経新聞 2017.9.4