野菜を上手にとろう

野菜 上手にとろう 高血圧予防や便秘解消 カットや冷凍を活用

健康に生活するために、野菜は欠かせない食べ物だ。
ただ忙しかったり一人暮らしだったりすると、つい自分が好きなメニューや食べやすい食材に偏ってしまいがちで、野菜が不足するケースも多い。
カットや冷凍の野菜でもよいので、とる習慣を身につけたい。

厚生労働省は健康づくりの基本方針である「健康日本21」の中で、野菜を1日350グラム以上食べるよう推奨している。
しかし、同省がまとめた2011年の国民健康・栄養調査によると、20歳以上の1日の野菜摂取量の平均は277.4グラムにとどまり、目標を大きく下回っている。
大人の約72%が350グラム未満で、特に20代では約8人に1人、30代は約10人に1人が70グラム未満しか野菜をとっていない。

脳の働きも活性化
野菜はビタミンやミネラル、食物繊維など様々な栄養素が詰まっている。
他の食品からとれないものもあり、いろいろな野菜をとりまぜてバランスよく食べるのがよい。
例えば、色の濃い野菜にはビタミンが多くストレスを和らげる抗酸化作用がある。
食物繊維とカルシウムやカリウムを1回の食事で併せてとると高血圧予防にも期待できる。
 
食物繊維は排便を助け、おなかの調子をよくする働きがある。
コレステロールや血糖値を下げる役割もあるため、肥満や糖尿病の予防も期待できる。
野菜はカロリーが少ないため、たくさん食べても他の食材より太りにくい利点もある。
 
また、野菜はしっかりとかみほぐして食べることが多い。
かむ回数が多くなると脳の働きをよくする効果がある。
胃や小腸に入る速さもゆっくりとなり、満腹感も得られやすいという。野菜を蒸すなどすれば、かさが小さくなり多く食べられる。
 
それでは一人暮らしや仕事が忙しくて野菜が不足しがちという場合は、どんな工夫が必要か。
まずはスーパーやコンビニなどで野菜を頻繁に購入する習慣を身につけることだ。
カット済みでも冷凍でもよい。
カット済み野菜はプラスチック容器に入れ電子レンジで温めるだけで、蒸し野菜として簡単に食べられる。インスタント味噌汁に加えるだけでも豪華になる。
弁当を買う際も、別に野菜サラダを1品付けよう。
 
冷凍野菜も便利だ。
現在の冷凍野菜は栄養価もあり安いので、野菜の摂取がおろそかになりがちな人は上手に利用したい。
 
下調理が簡単で冷蔵庫に入れておけばいつでも使える。
数種類の野菜がまざったものなどもあり種類も豊富。
スープの具や煮物として使える商品もある。
ただ、冷凍野菜だけでは野菜の種類が若干偏るので栄養バランスにも配慮したい。
緑黄色野菜のトマトや、きゅうりなど手軽に食べられる生野菜もとるように心掛けたい。

なるべく定食を
一人暮らしなどでは1日2食以上が外食という例も多いだろう。
丼物やラーメンなどの一品料理ばかりだと、野菜不足になりやすい。
なるべく定食を頼むようにしたい。
ちょっとした工夫も有効だ。
例えば、サイドメニューでおひたしやサラダなどを加えるとさらに野菜がとれる。
 
また、通常の味噌汁をけんちん汁や豚汁に変更したり、ラーメンにトッピングで野菜を加えたりすると、バランスがよくなる。
外食でもメニューを隅から隅まで探せば、野菜を使った料理は多い。
自分の行きつけの店で、野菜の多いメニューを聞いてみるのもよい。
 
最近は野菜ジュースもたくさんの種類が売られている。
手軽なのが利点だが、頼りすぎるのはよくない。
野菜ジュースは食物繊維がとりにくいケースが多い。
ビタミンなどが不足したときの補充などに向いている。
味をなめらかにするために糖質が多めの商品もあるので、成分表示を注意深く見よう。
 
最も大切なのは毎回の食事で野菜をとるという意識を持ち、習慣づけることだ。
バイキングや居酒屋などでも最初に注文するメニューを野菜にするぐらいの意識が欠かせない。
野菜をバランスよくたくさん食べられなくても、全くとらないよりよい。
きょうからでも始められることは多い。

参考・引用
日経新聞・朝刊 2013.9.22

関連サイト
高血圧予防や便秘解消に野菜を
http://osler.jugem.jp/?day=20180118