高血圧 ギュウギュウ型かパンパン型

高血圧 ギュウギュウ型かパンパン型か

日本では血圧を下げる薬を飲んでいる人が60代で3人に1人、70際以上では2人に1人に達する。(2011年の厚生労働省国民健康・栄養調査)。
これだけ身近な薬ですが、うまく効いていない人もいるようだ。
 
血圧の薬を飲んでいるのに、うまく血圧が下がらない人もいるが、薬の種類を変えて下がる人がいる。
 
たとえば、60代の女性の場合、家庭血圧計で測った上の収縮期血圧値が160あった。
医師の処方で2年間飲んでいた薬を別の薬に変えたら130に下がった。
その後も安定している。
家庭で測った高血圧の基準は上が135以上、下の拡張期血圧値が85以上だ。
    
同じ高血圧といっても、ギュウギュウ型とパンパン型、両方の混合型がある。
型に合った薬を使うと血圧が安定することが多い。
 
ギュウギュウ型は血管が収縮して狭くなり、血圧が高くなるタイプの高血圧。
例えて言えば、水まきのホースをぎゅっと絞ると水が勢いよく飛び出る感じだ。
 
パンパン型は血管内の水の量が増えて血管の内側から加わる圧力が増すタイプ。
風船に水がいっぱい入ってふくれ、内側が強く圧迫されるような状態だ。
 
ギュウギュウ型の原因として、アンジオテンシンⅡという血管を収縮させる物質の働きがある。
国内でよく使われる高血圧治療薬、アンジオテンシンⅡ受容体桔抗薬(ARB)はこの働きを打ち消す働きがある。
血管を収縮しにくくすることで血圧を下げる。

私的コメント;
血管を収縮しにくくする(すなわち血管を拡張させる)作用はカルシウム桔抗薬のほうが強力です。
 
パンパン型は、塩分をとりすぎになった血液を水で薄めようとしていると考えられる。
減塩など食生活の改善が効果的だ。
薬を使うなら、余分な塩分や水分を体の外に出すような利尿薬になる。
 
日本人の高齢者にはパンパン型が多いとみられる。
若い時にギュウギュウ型だったのが、年齢を重ねてパンパン型になる、あるいは両方の混合型ということもある。

このほか、カルシウム桔抗薬もよく使われる。
血管の壁にある平滑筋の細胞に働き、血管を広げて血圧を下げる。
ギュウギュウ、パンパン両型に対応できる。
最初の60代女性は、ARBからカルシウム拮抗薬に変えてうまくいった。

あなたはどんなタイプの高血圧になりやすい?
年齢が55歳以下なのに血圧が高め
緊張しやすく職場で血圧が高くなる
塩分を減らしても血圧が下がらない
たばこを吸う
年齢が65歳以上
夜間の血圧が高い
塩からい食べ物が好き
肥満傾向にある

①~④に当てはまる項目が多い人はギュウギュウ型の高血圧になりやすい人です。
比較的若い人に多い傾向があります。
②の職場で血圧が高くなるのは「職場高血圧」と呼ばれ、中間管理職的な仕事の人がなりやすい傾向にあります。
⑤~8の項目に心当たりが多い人はパンパン型で、ギュウギュウ型とは違う対応が必要です。
両方の型に当てはまる人は混合型とみられます

参考・引用
朝日新聞・夕刊 2013.8.26


<私的コメント> パパンパン型とギュウギュウ型とは'''
腎臓が弱り塩分を尿に排出することが出来ず、塩分で濃くなった血液を薄めようと血管がパンパンになるために起こる高血圧、ギュウギュウ型とはレニン・アンギオテンシンという物質が血管を狭めようとして起こる高血圧のこです。
治療としてはパンパン型高血圧には塩分を尿として排泄させる利尿剤が有効であり、ギュウギュウ型高血圧にはレニン・アンギオテンシンの効果を抑え、血管を拡げる血管拡張剤が有効です。
一般的に年配の方の高血圧はパンパン型であることが多いとされています。
もし血圧のコントロールが充分でない時には、かかりつけの先生に利尿剤をお使いになっ