腰や膝の関節守る筋肉トレーニング

「関トレ」でイキイキ 腰や膝の関節守る筋肉トレーニング

道具不要・運動苦手でも簡単
関節を守る筋肉を鍛える「関節トレーニング(関トレ)」はシニア世代が自宅で手軽にできる健康法だ。
道具は使わず動作は単純。
体力がない人や運動が苦手な人でも無理せず自分のペースで継続できる。
腰や膝の筋肉を強化でき、加齢による腰・膝の痛みの改善や転倒防止にもつながる。

見た目はかなり地味だが、普段使わない筋肉を使うので効果がある。

まず、片足のつま先を反対側のかかとに向けて内側にひねる。
そして、ひねった足を膝を曲げずに床から浮かせてそのまま10秒間静止する。
これが腰の関節周りの筋肉を鍛える運動だ。
腰を丈夫にする動作はもう一つある。
あぐらをかいて両足の裏をくっつける。
股間からかかとまでの距離は約50センチ。背中を丸めず胸をつま先にゆっくり近づける。
実際にやってみると、ベルトの下あたり、股関節の付け根の筋肉に負荷がかかっているのがわかる。

腰の運動と並んでシニアに勧められるのが、中高年が痛めやすい膝の運動だ。
いすに座って股を開き、片足のつま先を前に向けて膝を力を入れて曲げる。
膝を曲げたり股関節を伸ばしたりする時に使う太ももの裏側の筋肉を鍛える運動だ。
もう一つが、あおむけに寝て片足のつま先を内側に向けて尻を浮かせる運動だ。
寝返りを打つ格好で肘をついて尻を浮かせる。
太ももに力を入れることで膝の関節を支える筋肉を強化する。
この部分は下半身の左右の重心移動に大きく関係している。
電車でつり革につかまって立ってもよたよたするのは、この筋肉がうまく働いていないことも要因という。
4つの運動をそれぞれ3回繰り返す。
毎日、10分間程度の運動で効果がある。
こうした「関トレ」は筋力回復を目的に各地の病院で患者のリハビリとしても採用されている。
高齢になると腰や膝の痛み、転倒による骨折が増え「老年症候群」と呼ばれる。
いずれも悪化すると歩行困難になり介護が必要になる。それらにつながる原因の多くが筋力低下という。
筋肉は加齢とともに衰えると思われがちだが、適度なトレーニングで維持・強化できる。
継続すれば、健康寿命が延ばせて生活が楽しめる。

参考・引用一部改変
日本経済新聞・夕刊 2018.12.26