皮膚から万能細胞 その3

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ムルロー版 ビュッフェ「Galerie Matignon 1980」
http://page16.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/u19541729

皮膚から万能細胞 その1
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/archive/2007/11/24
皮膚から万能細胞 その2
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/archive/2007/11/26
の続きです。

大変な発見ということはわかるのですが、今ひとつわからない新型万能細胞(iPs細胞)。
質疑応答形式でわかりやすく解説しています。
新聞記事からの紹介です。


新型万能細胞、なぜ注目?


iPs細胞や万能細胞なぜ注目されるのかなどをまとめた。


万能細胞はどのように役立つのか。

例えば、万能細胞で心臓の筋肉の細胞を作って患者に移植すれば、心臓病を治療できる
可能性がある。
日本では移植用の臓器が慢性的に不足しているが、万能細胞から自在に
作れるようになれば、臓器の提供を受けなくても済む。
また治療法がなかった脊髄(せきずい)損傷なども治せるようになると期待される。


新型のiPS細胞と従来型のES細胞はどう違うか。

ES細胞は受精卵を壊して作る。
キリスト教では受精の瞬間を「生命の誕生」としており、生命倫理の立場から反発がある。
さらに不妊治療で余った他人の受精卵を使っているため、移植後の免疫の拒絶反応が避け
られない課題もあった。
患者自身の皮膚から作るiPS細胞なら、どちらの課題も解決できる。


クローンES細胞というのもよく聞く。

同じ遺伝子の生物を複製して生み出すクローン技術をES細胞に応用したもののこと。
患者と同じ遺伝子のES細胞が作れるため、拒絶反応の問題は解決できる。
ただ、この技術はクローン人間の誕生にもつながりかねない。
第3者の女性から大量の卵子の提供を受ける必要もある。 


ウィスコンシン大学も成功したが、京大のと比べどちらが優れているのか。

作り方に違いがあり、成果は一長一短といえる。
山中教授は成人の皮層細胞を使ったのに対し、米国のグループは胎児や小児の皮膚
細胞を利用した。
子供の細胞からは万能細胞を比較的作りやすいためハードルは低く、応用も限られてしまう。
この点では山中教授らがリードしている。

ただ山中教授らがiPS細胞細胞を作るために皮膚細胞に導入した遺伝子の一つは発がん
に関連するといわれる。
米国のグル-プはこれを使っておらず、安全性では優れる。
もっとも双方とも遺伝子導入時に発がんの可能性のあるウイルスを使用しており、
この点は改良の余地がある。

米国の事情に詳しい国立成育医療センターの阿久津英憲室長は「ハーバード大学
マサチューセッツ工科大なども、 すでに異なる手法でヒトiPS細胞の作製に成功している」
と明かす。
成果が論文として発表されるまでには検証に時間がかかるが、今後、
より優れた作製手法の発表が相次ぐかも知れない。


iPS細胞も研究ルールはないのか。

現時点で明確なルールはない。
岸田文雄科学技術担当相は22日、一定のルールが必要との認識を示した。
受精卵などを壊すわけではないので反発も小さいとみられ、文部科学省の審議会で万能細胞
の研究ルール作りに携わる理化学研究所の豊島久真男・研究顧問は個人的意見として
「ヒトES細胞のような厳しい規制は必要ないだろう」と話す。

ただ同じiPS細胞から精子卵子を作り、受精させて人為的な生命を作り出すなどという
生命倫理上の懸念があり、豊島氏もこの点に「議論が必要」とみる。

iPS細胞から作った精子卵子を生殖補助医療に使う際にも何らかのルール作りが必要
となりそうだ。

日経新聞・朝刊 2007.11.23  より

<自遊時間>
今朝のNHKニュースでアナウンサーがタイでの日本女性殺害のニュースを報道して
いるのを小耳に挟みました。
朝は忙しいので座っては見ませんが思わず立ち止まってしまいました。

タイ当局は「大(タイ)変遺憾なことです。出来るだけ早く犯人が逮(タイ)捕されるように
したい(タイ)」と語りました。

またスポニチは被害者の紹介にこんな記事を載せています。
ブログに「(公演が)あー終わったんやなーって。とりあえずこのぽっかり感を埋めに、
タイに行こうと思います」と記し、タイ入りしてからも「象に乗るゾーなんちって」と
書き込んでいた。

医療専門のブログは別にあります。
井蛙内科開業医/診療録 http://wellfrog.exblog.jp/
(内科専門医向けのブログです)
葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed/
(循環器専門医向けのブログです)