運動不足 自宅で「筋活」、代謝上げよう
外出の自粛で、体を動かす機会が減ったと感じる人も多いはず。
現役世代も筋力低下や生活習慣病に気をつけるべき、と専門家は警鐘を鳴らす。
自宅でできる運動や長続きのコツはあるだろうか。
太もも・腹筋強化、週2回から
運動が足りないと、どんな影響があるのか。
骨や関節を動かすには筋肉が必要。
でも、使わなければすぐに衰える。
運動不足で筋肉量が減ると基礎代謝が落ち、エネルギーの消費量も少なくなる。
だから、これまで通りに食べていると、血液中の糖や脂質が増えたり、体脂肪がたまりやすくなったりする。
コロナ禍における長期の運動不足で、糖尿病や脂質異常症など生活習慣病を患う人が増えることが予想される。
現役世代でも、疲れやすくなったり、ぐっすり寝られなかったりする人は要注意。
病気の可能性もある。
また、高齢者は特にロコモティブシンドローム(運動器症候群、ロコモ)も招きやすい。
足腰の衰えから、立ったり歩いたりする身体機能が低下することだ。
こうした不調を防ぐには、筋肉を鍛える「筋活」に取り組むのがいい。
おすすめなのは、太ももとお尻が鍛えられる「スクワット」。
(1)足を肩幅ほどに広げて立ち、腕を前に伸ばす
(2)股関節を斜め後ろに下げていき、太ももが床と平行になるよう目指す
(3)少し止めてから、元に戻す。
また、腹筋が鍛えられる「クランチ」も大事だ。
(1)仰向けになってひざを立て、足の裏、お尻、背中を床につける
(2)手のひらを太ももの上に置き、ひざを見るように意識し、息を吐きながら、肩甲骨が地面から離れる程度までゆっくりと背中の上側を持ち上げる(3)少し止めてから、ゆっくりとに元に戻す。
いずれも8~10回を1セットとし、週2回、2セットずつを目安に始める。早ければ2週間ほどで効果を感じられるという。
体力に合わせ、少しずつ増やしていこう。
歩くことも、もちろんいい。
途中で階段や坂道を上り下りし、歩幅を大きくするなど、負荷をかけるのが効果的だ。
順天堂大は昨年5月、特設サイト「順大さくら“筋活“講座」
(https://juntendo-kinkatsu.com)
を立ち上げた。
ロコモを防ぐトレーニング法を、イラストや動画で紹介している。
筋力があれば疲れないし、楽に動ける。
運動によって筋肉からホルモン「マイオカイン」が分泌され、免疫細胞が活性化するとの報告もあるという。
「筋活」は生活習慣病の予防にもなる。
世代を問わず取り組みたい。
継続のコツ、目標決め「がんばり可視化」
運動は継続が大切。
分かっているが、なかなか続かない。
続けるコツは「目標設定とレコーディング(記録)」だ。
まずは、達成したい最終目標を掲げる。
例えば「フルマラソンを走る」「5キロやせる」など。
今度は、それをかなえるための毎日の目標を三~五つ決める。
「1分ストレッチをする」「お酒を3分の1にする」など。
できそうな簡単なものでいい。
そしてレコーディング。
手帳などに毎日の目標を書き、達成できたら「○」をつけ、がんばりを可視化する。
日々の目標達成は自己肯定感を生み、やる気につながる。
三日坊主になってもOK。
3日しかできなかったではなく、3日も続いたと考えよう。
落ち込んでやる気を失うのではなく、前向きに。3日間して1日休み、の気持ちで運動すると長続きする。
ジムなどに行きにくいコロナ下では、お気に入りのフィットネス動画やアプリを味方にするのも手だ。
成果が「見える化」され、ご褒美がもらえるものが人気。
一人ではサボりがちな人なら、同じ目標持つ仲間を見つけ、励まし合えるアプリもおすすめだ。
■コロナ下の運動不足、気をつけたいポイント
・長期の運動不足で生活習慣病を患うおそれも
・高齢者は特に、足腰が衰えて身体機能が低下する「ロコモ」に注意
・筋肉を鍛える「筋活」を。おすすめはスクワットとクランチ
参考・引用一部改変
朝日新聞・朝刊 2021.4.1
<関連サイト>
自宅で「筋活」おすすめアプリ/