生ジュース

「薬と一緒に」  要注意

毎日の食事で不足しがちなのが果物や野菜です。
「体にいいのは分かっているのに時間がなくて」という人も多いでしょう。
そこで人気なのが、おいしく手軽に栄養補給ができる生ジュース。
季節の果物や野菜を上手に使って楽しんで欲しいものです。
    
  ■ □ ■
 
都内の百貨店を歩くと、ほとんどの「デパ地下」にジューススタンドがある。
客の目の前で毎回、果物などをミキサーに入れてジュースを作る店もある。
 
松屋銀座(東京都中央区)もそのひとつ。
担当者は「時間がたつと味や色が悪くなる」と説明する。
持ち帰りを原則禁止にする徹底ぶりだ。
ジュースのためだけに立ち寄る仕事途中の男性も目立つという。
 
大人は1日に野菜を350グラム、果物を150グラム食べるのが理想と言われる。
しかし、2004年の国民健康・栄養調査によると、野菜254グラム、果物119
グラムしか摂取できていない。
ジュースのレシピ本の著書もある管理栄養士の牧野直子さんは「苦手な野菜も、好きな
果物と一緒にジュースにすれば飲めますよ」と話す。
そこで、秋向けの一品をつくってもらった。
 
小さめのサツマイモ(100グラム)の皮をむき、輪切りにしてから電子レンジで
2分半温める。
牛乳300ミリリットル、ハチミツ少々とミキサーで混ぜるとできあがり。
ドロッとした食感で、ポタージュスープのようだ。
牛乳をヨーグルトに、ハチミツをきなこや黒糖に代えてもいい。
サツマイモのビタミンCはでんぷん質に守られ、壊れにくい。
食物繊維も豊富だ。
 
ジュースを作ったことがない人は、リンゴやバナナ、ニンジンなどの定番に好みの
食材を加えるところから始めるのがポイントだ。
ただ、ニンジンにはビタミンCを壊す酵素がある。牧野さんは「加熱するか酢を
加えた方がいいですよ」と話す。
    
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いいことばかりに見える生ジュースだが、落とし穴もある。
果物に含まれる果糖は体に吸収されやすい。ジュースにすると果糖はさらに吸収
されやすくなるので、果物をそのまま食べるより血糖値が早く上がる傾向にある。
糖尿病の人は要注意だ。
 
さらに気を付けたいのが内服薬との関係だ。
グレープフルーツジュースが高血圧の薬の効き過ぎを招くことはよく知られている。
自治医科大学の藤村昭夫教授(臨床薬理学)によると、グレープフルーツに含まれる
フラノクマリンという物質が、薬を分解する酵素の働きを弱めることで、薬が高濃度
で体内に残るのが原因という。
 
この酵素は半数以上の薬の分解に影響している。
藤村さんは「高血圧だけでなく、薬を服用中の人は皆さん、気を付けてほしい」と
話す。
子どもに薬を飲ませる時、不用意にジュースに混ぜるのは控えよう。
            
また、クランベリー脳梗塞の治療で飲む抗血液凝固薬の働きを強めるので注意が
必要だ。
スイートオレンジやザクロなど、要注意の果物は他にもある。
薬を服用する人は、ジュースを飲む前に医師や薬剤師に相談した方が良さそうだ。

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出典 朝日新聞・朝刊 2008.9.21
版権 朝日新聞社

<関連ブログ>
野菜、果物のジューススタンド
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