内蔵脂肪を減らせ!肥満は万病のもと」

イメージ 1

トーマス・マックナイト版画『ジャイパーレイクパビリオン』
http://page17.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/v27984760


肥満は健康によくないということは皆さんはよく
お判りのことと思います。
しかし診察室で減量の話をしても、ほとんどが
「釈迦に説法」いや「馬耳東風」です。
これはタバコを吸っている人に禁煙を勧める時と
同じです。
本人が「重々わかってんですけどねえ」と煙幕を張れば、
その後の会話はお互いに時間の無駄ってところです。

本人がやる気にならなければ減量も
困難です。これは勉強と同じです。
そしてどちらも王道はありません。
人類の誕生以来培われて来た「節約遺伝子」
が減量をより困難にしています。

さてこれから本題です。

●肥満~体のどこに脂肪がたまっているのかが大問題

肥満の定義はいろいろあります、身長と体重から算出した
BMI(体格指数)が25以上とするのが一般的なようです
日本肥満学会の基準)。
これ以上の人はほとんど体脂肪が多すぎるからです。

平成16年の国民・栄養調査では約2700万人が肥満
の状態で男性は30.9%、女性は22.7%が肥満だそうです。

体脂肪はたまる場所によって2つに大別されます。
1)皮下脂肪 … 文字通り皮膚の下にたまる脂肪です。
一度たまると減りにくい特徴(定期預金)があります。
閉経前の女性にみられます。
指でつまめます。
2)内蔵脂肪 … 肝臓や腸の周囲などにたまります。
男性や閉経後の女性にみられます。
努力すれば比較的簡単に減らすことが出来ます(普通預金)。
動脈硬化、糖尿病、高脂血症、高血圧、脂肪肝炎、脳卒中
心筋梗塞などの生活習慣病の原因になるため、是非とも
減らす必要があります。
指でつまめません。

●内蔵脂肪の蓄積と生活習慣病~内蔵脂肪が過剰にたまる
ことで、体内の代謝のバランスが崩れる

体内には成人で、約300億個の脂肪細胞があるといわれて
います。
主として中性脂肪が貯蔵されエネルギーの貯蔵庫の役割を
担っています。
脂肪細胞はさまざまな働きをもつ生理活性物質を作り出
しています。
主として次のような物質です。
 アディポネクチン (動脈硬化を抑える)
 TNF-α  (インスリンの効きを悪くする)
 アンジオテンシノーゲン(血圧を上げる)
 PAI-? (血液を固まりやすくする)

最近メタボリックシンドロームという言葉が有名ですが
内臓脂肪の蓄積が血糖や脂質、血圧に悪影響を及ぼした
状態のことです。したがって内臓脂肪の蓄積(内臓肥満)
が原因でメタボリックシンドロームは結果ということが出来ます。


●ダイエット~まず体重の50%を減量することによって
内臓脂肪を減らす。

2段階でダイエットをします。
まず第1段階。
内臓脂肪を減らすのが目標です。まずは5%の減量が目標です。
体重3Kg、腹囲3cmがおおよその目標です。
そして第2段階。
皮下脂肪を減らします。
時間がかかります。じっくり腰をすえてがんばります。
血液検査値の正常化、腰や膝の負担軽減が目標です。



資料 NHKきょうの健康」2007.4

節約遺伝子 thrifty gene と生活習慣病
http://www.yamaguchi-u.ac.jp/yu/yu45/45-08.html
飢餓遺伝子と生活習慣病
http://members.jcom.home.ne.jp/3220398001/gene/index.html

<診察室>
ある日の患者さんとの会話。
私「それじゃまるで引かれ物の小唄ですね。」
患者さん「先生、なんですか?その子豚って?
何だか可愛いですね。」
ガクン

引かれているのは子豚ではなくって罪人です。

「引かれ者の小唄」
  刑場に引かれて行く者が開き直って小唄を歌う、
  ということ。
つまり、負け惜しみが強く、わざと平気な顔を
して強がること。
私は私で最近まで「イベリコ豚」のことを「イベリ子豚」
と思っていましたのであまり他人のことは言えません。

「イベリコ子豚」もいるはずですよね。

脂肪のうまみと赤身のうまみが口中で奏でるハーモニー 
スペインの極上黒豚 イベリコ豚
http://allabout.co.jp/gourmet/sanchoku/closeup/CU20040328A/
最高級のイベリコ豚を楽しむ!
http://www.viva-kanazawa.org/puddle/iberiko.htm

医療専門のブログは別にあります。
井蛙内科開業医/診療録http://wellfrog.exblog.jp/
葦の髄から循環器の世界をのぞくhttp://blog.m3.com/reed/200708