インフルエンザ脳症について

新型インフルエンザについては、昨日の19日、名古屋市内で国内3例目の死亡例が報告されました。
80代の女性で多発性骨髄腫と心不全の基礎疾患があり、死因は重症肺炎ということです。
ニュースをみる限り診断や治療の経過に少し問題があります。
最初4人部屋へ入院させたことや細菌性肺炎として抗生剤を投与していたことは新型インフルエンザという認識がなかったことを示しています。
その結果、医療従事者や入院患者さんに感染が広がりました。
発熱センターに指定されている国立○○○医療○○○○でこのレベルですから、新型インフルエンザに対する認識や対応がまだまだ甘いと言わざるを得ません。

さて、きょうは小児に多く見られる「インフルエンザ脳症」を取り上げてみました。


インフルエンザ脳症 関連ニュース>
■宮崎で中2がインフルエンザ脳症
宮崎市は14日、市内の中学2年の男子生徒(14)が新型インフルエンザに感染し、インフルエンザ脳症になったと発表した。入院中だが、回復傾向という。
 
市によると、男子生徒は11日に鼻水やせきなどが出て、翌日近くの診療所で受診。風邪薬を処方されたが、13日早朝に40度台の発熱とけいれん症状が出たため、別の病院に入院した。
新型インフルエンザと判明し、治療薬リレンザを服用した。
 
既にけいれんは治まり、熱も38度台に下がったという。

http://sankei.jp.msn.com/life/body/090814/bdy0908141330001-n1.htm
出典 産経ニュース 2009.8.14
版権 産経新聞




■国内初の「重症」 茨城の脳症男児
厚生労働省は12日、新型インフルエンザ感染が確認されインフルエンザ脳症と診断された茨城県の4歳男児について、重症との見解を示した。
国内の新型インフルエンザ患者の重症例は初めて。
 
厚労省は、男児が人工呼吸器を装着し、集中治療室(ICU)で治療を受けていることから重症と判断した。
男児は引き続きICUで治療を受けており、意識障害が続いているという。
 
男児は9日朝からせきの症状があり、10日朝に38・5度の熱があった。
同日午後に救急車で病院に搬送。
けいれん発作や意識障害があり、抗けいれん薬の投与も受けた。
 
インフルエンザ脳症は、インフルエンザに感染した乳幼児が突然けいれんを起こして、意識障害が急速に進行する。
国内では季節性インフルエンザで年間百人程度の報告があり、死亡するケースもある。

http://sankei.jp.msn.com/life/body/090812/bdy0908122045004-n1.htm
出典 産経ニュース 2009.8.12
版権 産経新聞



新型インフルの子供、各地で重症化…川崎・沖縄など
川崎市は19日、同市在住で幼稚園に通う男児(6)が新型インフルエンザに感染し、重症になったと発表した。

意識障害があるといい、都内の病院の集中治療室で治療を受けている。
男児は17日に発熱、18日に自宅近くの医療機関でインフルエンザA型と診断され、タミフルを服用していたという。

発表によると、男児は19日朝になってけいれんを起こし、家族の問いかけにも反応しない状態となり、市内の病院に救急搬送された。

体温は39・3度あったが、川崎市感染症指定医療機関である市立川崎病院の集中治療室が満床だったため、昼前に都内の病院に移送された。
重症ケースであることから遺伝子検査を行ったところ、新型インフルエンザと確認された。





新型インフル感染の子ども7人、脳症に
新型の豚インフルエンザに感染した子どもで、これまでに7人がインフルエンザ脳症になり、2人が重症の肺炎(ARDS)になったことがわかった。
18日に開かれた厚生労働省インフルエンザ脳症研究班で報告された。

脳症になったのは1~11歳の小児。ARDSは福島県に帰省中の小学生と、東日本の小児。今も重篤な状態が続いている子どももいるという。



イメージ 1


出典 朝日新聞 ・朝 2009.8.18
版権 朝日新聞社




イメージ 2


出典 日経新聞・朝  2009.8.18
版権 日経新聞










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